2016年4月30日

神戸戦

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担当:大重正人

まず、今日、試合前のウォームアップが終わり、柏熱地帯からの応援に合わせて、バックやメインスタンドのみなさんが立ち上がり、手を叩いて、応援歌が響く日立台の光景。選手たちが今日はどんなサッカーを見せてくれるのか、どれほどアグレッシブに闘ってくれるのか。そして勝利を届けてくれるのか。そんな期待感が充満していて、その思いが応援となってピッチに注いでいる光景が忘れられません。風はすごく強かったですが、青い空が広がり、黄色一色に埋まった日立台。そのホームの雰囲気が、間違いなく今日も選手たちを後押ししてくれました。

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立ち上がり、ネルシーニョ監督率いるヴィッセルの激しいチャージを受け、レイソルの選手たちが痛みに顔をゆがめるシーンが多かった。それでも冷静に、今のレイソルらしいテンポ良いパスワークと守備への素早い切り替え、球際の激しさで、リズムを引き寄せ始めたかに見えた前半15分。右サイドからのフリーキックのチャンス。山中亮輔選手の左足のキックが大きく弧を描いてゴールへ。GKの前で大きく弾んで、そのままゴールへ吸い込まれました。

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「FKの得点の場面で一つ自分の持ち味を出せたことは自信になった。チームとしてもあの時間帯は苦しい時間帯だったので、あの1点で少しチームを助けられたと思います」。このゴールは彼にとってのJ1初ゴール、そして日立台での嬉しい嬉しい初ゴールになりました。2010年、高校2年生時に当時のネルシーニョ監督に抜擢され、トップチーム登録。それから気づけば早6年、ついに待ちに待った瞬間が訪れました。「僕よりも若い選手も出ているので自分もいつまでも若手を思っていられないし、自分がしっかり責任感を持ってやらないといけない年齢になった」。このゴールをきっかけに、この日立台で、そしてリオで、大きな飛躍の1年にしてほしいです!

そして後半8分には追加点。バイタルエリアでキープした中川選手から見事な裏へのパスが入ると、ディエゴ選手からの折り返しを武富選手がシュート。「常に自分が前線に入った時はこぼれ球を狙っているし、ゴールに近づけるようにと思っていて、今日はそれが上手くいった」。前節の鹿島戦ですばらしいスピードとアタックを見せた伊東選手が、ここで落ち着いてゴールゲット。ヤマと同じ1993年生まれ、もう一人のリオ世代がここで大きな仕事を果たしました。

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試合後の会見では下平監督にたくさんの質問が寄せられました。「これだけの運動量でも後半にペースダウンしていないように思いますが」の問いに「まず1人1人の走れるベースが試合を重ねるごとに上がってきていると実感しています。中川や中盤の選手を含めて、プレスをかけ続ける1人1人の能力が上がってきた」。今日は機器不良があって走行距離が発表されないかもしれませんが、ここ数戦は相手を上回る距離やスプリント数を計測し、またマッチデープログラムに載っているマッチアナリシスでタックル数、パスカット数はリーグトップ。データにも表れています。

そして今日の先発イレブンの平均年齢は22.91歳。レイソルアカデミー出身の選手を中心に、本当に若い選手がずらりと並び、そこを最年長30歳の鎌田選手がまとめています。「若いからとかベテランとか関係なく、調子のいい選手を使ったり、いろんな組み合わせを含めてながら戦っていて、競争意識をもたせてやっています」。若い選手たちがピッチに立ち、ピッチサイドから大きな声で支えているのは、桐畑、増嶋、栗澤、大谷、田中、大津、という2011年のJ優勝に関わった選手たち。勝利を全員で分かち合いながらも、自分が試合に出たいという思いで日々競い合っています。

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今日の結果、暫定順位ではありますが、リーグ4位にまで浮上してきました。それでも、ここで満足する選手はいません。ようやく上位争いのスタートラインに立ったところでしょう。次は4日のアウェイ甲府戦、そして8日ホームでの川崎戦。4連勝の勢いで、ゴールデンウィークの連戦に挑んでいきます。これからも引き続きのご声援をよろしくお願いします。今日も応援ありがとうございました。

※このあと、23時55分から日本テレビ「GOING」で中川寛斗選手の特集があります。日立台での取材はもちろん、夕食の模様、ご家族への取材、懐かしい写真も紹介されるかもしれません。今日の試合の模様も含めてぜひお楽しみに(急きょ、番組内容に変更の可能性があります)

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2016年4月30日

神戸戦へ

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担当:大重正人

今日からゴールデンウィークがはじまり、練習後にはたいへん多くのサポーターの方々、お子さんたちが練習上がりの選手たちとふれあいの時間を過ごしました。小さな体で大きな貢献を見せている中川寛斗選手、今日も多くの方に声をかけられていました。サッカー少年に大きな勇気を与えるプレーをまた期待しています!

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さあ、いよいよヴィッセル神戸戦を迎えます。レイソルは公式戦5連勝、6試合負けなし。ヴィッセルも7試合負けなしと、共に調子を上げているチーム同士の対戦です。まずはやはり前線に揃ったストライカーたちが脅威です。下平監督は「神戸は前線の2トップと渡邉千真選手が強力。そこをしっかりケアしなければやられてしまう」とまず警戒を強めます。決定力はもちろん、サイズやパワーもあり、スピードもあり、経験も十分。レイソルは1対1の守備で負けないこと、また「彼らのカウンターや攻め残りも注意したい」と試合の中のトランジション、攻守の切り替えの優劣が、大きな試合のカギを握ると思われます。

そして何より、ベンチで指揮を執るのはネルシーニョ監督です。このレイソルに数々の勝利、栄光のタイトルをもたらしたことはもちろん、栗澤選手や大谷選手を中心に「勝利への執念、メンタリティー」を植え付け、2014年の終盤の連勝では大抜擢された中谷進之介選手といった若手選手たちにも同様に今なお深く刻まれていることでしょう。

相手の長所を分析し、そこを封じ込めることで自分たちの流れを作っていく。何度となく、そうしてネルシーニョ監督はレイソルに勝利をもたらしました。この試合でも監督がどんな作戦を練り、手を打ってくるかは「試合の途中で変えてくることもあるので、そこも頭に入れて戦わないといけない」と下平監督。険しいマークを受けても、それを上回っていかなければ勝利はありえません。また戦術やシステム変更、また大胆な選手交代など、いろんなことを想定しなければならないでしょう。昨年はリーグ戦こそレイソル連勝の「ダブル」でしたが、ナビスコカップ準々決勝では、2試合合計で一時は逆転した戦いを、さらにひっくり返され、その勝負強さやタイトルに懸ける執念を見せつけられました。ネルシーニョ監督との5度目の対戦、激戦は必至です。

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そしてロアッソ熊本から日立台に来ているアンデルソン選手、5月2日から熊本でのチーム再始動に戻るため、ここでのトレーニングは残り数日となりました。
「震災があって身体を動かせない時期がありましたが、こうしてレイソルさんでトレーニングをする機会を与えていただいて、本当に感謝しています。コンディションはだいぶ良くなってきました。いま熊本に残っているチームメイトはやるべきことを一生懸命やってくれているでしょうし、自分もここでいいトレーニングができています。自分もまもなく熊本に戻りますので、そこでまたみんなと一緒にリーグ再開初戦(5/15千葉戦)に向かっていきたいと思います。この震災で大変な被害に遭われた熊本のみなさんに、少しでも元気を与えられればと思います」

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彼の言葉を訳してくれた神山通訳も、昨年までロアッソに在籍。「まさかこんな形でまた会えるなんて」と再会の喜び半分、熊本の状況もあって複雑な様子でもありました。とにかくこの日立台でも「アンジー」と呼ばれ、日々元気にトレーニングを続けています。レイソル、レイソル選手会(試合メンバー外選手が参加)、そしてアカデミー選手たちが、神戸戦でも募金活動をおこないますので、ご来場の皆様におかれましては、あらためてご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。