2018年4月 8日

広島戦

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担当:大重正人

試合前から掲げられた弾幕。長く、そして強い言葉でした。選手やチームに突きつける厳しい叱咤。それを受けて、今日、柏レイソルは戦いました。

広島の城福監督は「良い試合の入りだった。もう少し早く点が入ってもいいぐらいだった」と納得の表情で、下平監督は「試合の入りが良くなかった」と振り返りました。大谷選手が「外から見ていて後ろに重くなりすぎて、受身だった。良い調子で来ている広島の勢いをまともに受けてしまった」と言った通りでした。レイソルの攻撃のスタイルとして大切にしている最終ラインからのビルドアップ。細貝選手が最終ラインに落ちると、相手ボランチの青山選手がマークし、さらに中盤のキム選手やそれをサポートして下がる江坂選手に対しても、広島がアタック。前向きの激しい勢いをまともに受けていました。苦しい苦しい立ち上がりでした。

ビルドアップがレイソルの攻撃への第一歩でもあり生命線だからこそ、レイソルはそこにこだわるし、でもサンフレッチェはそこを徹底的に潰しにきました。サッカーの勝敗を決めるのは相手のゴールをいかに陥れるか、得点数です。いかに多く相手のゴールへ近づけるか。なのにこの時間のレイソルのサッカーが自陣のディフェンシブサードばかりになっていて、見ていて、本当にもどかしい時間でした。柏熱地帯からの景色も苦しんでいるチームの姿だったと思います。このビルドアップがどれだけ相手の脅威になっていたのか。対照的にサンフレッチェのプレッシングがレイソルの脅威になっていました。

それぐらいサンフレッチェの立ち上がりの勢いがあったし、レイソルはそれを跳ね返せず耐え切れなかった。スコアは、結局そこから動かずの1-0。結果的に最初の15分に勝負が決まった。この出直しの一戦にして、立ち上がりに受け身になってしまったことは何とも悔やまれます。

スコアが動いたせいもあると思いますが、1点ビハインドになってからのサッカーが、最初からできれば、少なくとも立ち上がりの1点はなかったと思います。敵味方関係なくディフェンダーからすれば、ゴールに近いエリアでプレーするのは、ミスできないというプレッシャーがより増えることでしょう。レイソルにはここは勝てるというストロングポイントがあります。相手の背後を狙うボールをスピード自慢のクリスティアーノ選手や伊東選手めがけて送ることは相手にとっての脅威になっていましたし、ボールがつながらなくともそれをチェイスするパワーで、事実クリアミスが何本か起こっていました。先日のACLで左サイドの狭いエリアで懸命にもがいていた瀬川選手が、途中から中央にポジションを取って躍動する姿、また代わって入った山崎選手のドリブルも切れていて、相手のファウル、PKを生んだのは間違いなく相手の脅威になっていたからです。

ただこうした戦術や技術、体力、そしてプレッシャーを克服する精神力、相手に勝ちたいという思い、勝利への執念、選手が出せるパワーを最大限出し尽くしたとしても、相手を上回らなければ勝負に勝つことはできません。今日はサンフレッチェが上回っていたから、それが今日の結果です。敵地での試合を終えて目の前で歓喜に沸く相手選手たちの姿はまさに勝者そのもので、ホームチームからすれば感情をこらえなければいけないほどの様子でした。でも敗者は何も言えません。ただただ悔しい。

でも自分が長年レイソルの一員であることに大きな責任を感じ、誇りに思い、この状況を何とかしたい、クラブの力になりたいと苦闘している選手がいます。キリの言葉です。

「前半はチームとして締まっていないというか正直全然良くない内容だった。後半は相手が1点リードだった面もあるけど、自分たちがボールを持って、チャンスを作って、何点か獲れそうな場面もあったが、結局ゼロに終わった。サッカーは点を獲られなければ負けないけど、獲らないと勝てないので、いつか入るだろうではなく、互いが厳しくやっていかないといけない。

リーグ戦だろうがACLだろうが、その試合に出る選手は誰もが勝ちたいと思ってピッチに立っているし、ACLを舐めていたとかはないし、みんなが練習して監督がこれで行けると思ったメンバーで、今年のレイソルのメンバーの中から選ばれた選手が試合に出ていると思っているし、結果を出せていないから言い訳になってしまうかもしれないけど、誰もどの試合に対しても責任を持っていないなんてことはない。ACLも優勝したいし、Jリーグもこんな順位にいたいわけじゃない。プロとしてサッカーで飯を食わせてもらっているのに、サポーターの人たちが今日のような横断幕を書くような不甲斐ない試合を見せていてはいけない。結果が欲しいし、何とかみんなが納得できるような結果を出して、レイソルに関わる人たちみんなが幸せな気持ちになれるように、まず僕たちがもっと頑張らないといけない」

選手たち自身も強く感じているものがあります。この思いを何とかピッチで、勝利という形に実らせてほしい。私は変わらず彼らを後押ししていきたいと思います。