2018年4月22日

長崎戦

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担当:大重正人

長崎からの最終便の機中です。選手やコーチ、スタッフを含めたチームと一緒です。そしてレイソルの黄色いウェアを着たサポーターの皆さんで一杯です。遠く長崎まで戦いに来て、そして勝利の喜びに包まれた帰りのフライトになればどんなに幸せな時間になったか。本当に申し訳なく思います。この週末をレイソルのために捧げてくれた方たちに対して、勝てなかったという責任を我々はもっともっと重く受け止めなければいけません。

シュート数は15対3。試合後のDAZN中継で目にした個人のパス本数は、それ以上に圧倒的で、長崎の選手の最多が30本台に対し、その右側にはレイソルの選手たちが10人ほど、40本から80本までの間でずらりと並んでいました。しかしスコアは0対1。サッカーはパスの本数ではなくゴールを決めて勝敗が決まるものです。サンフレッチェ戦と同じように、たった1本の決定機を仕留められ、逆に相手を攻略できないまま、試合を終わりました。これだけ試合を支配していながら、勝てなかったというのは本当に悔しいです。

中3日での試合、中国からの移動があっての連戦はチームとして非常に厳しいです。でも、だからと言って負けていい理由などには全く成り得ません。天津のようにピッチ状態が悪くとも、今日の長崎のようにすばらしいピッチでも、結局はどんな状況でも対面する相手に勝つか、上回れるか。おかれた環境や状況ではなく、相手との勝負にどれだけこだわれるか。

試合で勝つためには、いかにその前の時間でいい準備をして、いいトレーニングをするか。勝てなかったということは、そのいい準備ができなかったということ、足らなかったということ。チームとして個人として、もっともっとやれることがあるのかもしれません。これまでは正しくて成功したやり方やメソッドでも、時間が経てば色あせていきますし、変化をおそれていては成長も進化も生まれないまま、退化していくだけです。

このチーム体制になってから、めざましい躍進や連勝の時期もありました。一方で苦しい時期もありました。その窮地で何か新しい形を模索し、チャレンジして、そしてまた新たな強みを生みだして前進してきました。変化しなければならないのは、サッカー本体に関わるところかもしれませんし、一方で内面的な、日常で当たり前のようにして関われているサッカーに対して、いかに自分にとってなくてはならない大切なものであるかという再認識や向き合う姿勢なのかもしれません。

大谷選手はこんなコメントをしています。「セットプレーで失点した場面も、そのフリーキックに至るまでに2回ぐらいボールを弾けるチャンスがあった。そこにチームの甘さがある。チーム全体として普段のトレーニングから甘さを消していかないといけない。寄せるところ、弾くところ、シュートを決めるところも含めて、甘さが結果に出ている。誰がというのではなく、チーム全体で今のこの状態をしっかり受け入れて、チームとして甘さをなくしてやっていかないといけない」。何度も繰り返された甘さという言葉。次の浦和戦に出場すれば、J1・J2通算400試合出場となり、15年近くにわたってチームをまとめ、中心から周りを見てきた彼が、ここまではっきりと明言しています。これは個人個人の意識の部分からでも、すぐに変えられるはずです。

このチームになってから3シーズン目、今が最も苦しい状況に感じられます。続けて勝てない。サポーターの皆さんやメディアから厳しい声があるのも当たり前のことです。勝つまでの過程を期待して辛抱してくれるような始動当初の時期ではなく、チームとしてもっともっと完成形理想形を固めていかなければならない段階のチームですから。今のレイソルに求められているのは、成功までの過程ではなく、結果しかありません。

次の試合はホームです。浦和レッズ戦です。オズワルド・オリヴェイラ新監督です。これ以上ない相手、シチュエーションです。この中2日が短いと考えているようなら、勝利は難しいでしょう。この2日間でも十分変えられる。勝利のために48時間の間にすべてをやり尽した。そう胸を張って言える準備をして、水曜日のホームゲームを迎えてほしいと思います。