2016年4月 2日

3度目の勝ち点1

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担当:大重正人

1-1で迎えた後半41分。追いついたところで当然満足することなく、逆転と勝ち点3だけをめざして攻撃の勢いをさらに加速させたレイソル。そして武富選手がペナルティエリアに侵入し、相手の足が絡んで転倒したところでホイッスル。「やっと勝てる!」「これで勝てた!」。この今のレイソルにあって、こう思わなかった人はほとんどいないでしょう。

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一方で、「勝ちたい」とか「ここで勝たなければいけない」という重圧を、この試合にレイソルの一員として参加していたチーム、サポーター皆さんが感じていたのも事実でしょう。何かが重くのしかかったのかもしれません。必死の祈りを込めて見守ったエデルソン選手のシュートはゴールに届かず。GK林選手の守備を褒めなければいけないビッグプレーに違いありませんが、それでもレイソルにとっては喉から手が出るほどに欲しかった勝ち点3から、2点を失い、1点に留まる結果に終わってしまいました。

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「前半は良い内容でなかった」と下平監督。豊田選手に許した先制ゴールは、そこへのラストパスに足がかかり、それがちょうどシュートコースに飛んだように見えました。少し不運なところもありましたが、それほど多くはなかったサガン鳥栖のシュートチャンス、少ないピンチをしっかり止め切らなければ、勝利へと近づくことはできません。「それでも、カウンターを食らったりしたけど、その1点で食い止められた」と中谷選手と中山選手という20歳と19歳のCBコンビが試合を壊さず、後半の反撃へとつなぎとめました。

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下平監督は後半から大津祐樹選手をセンターフォワードに起用。流れを変えようとカードを切ります。「彼の長所であるモビリティ、動き出しの部分。裏へのランニングから攻撃の起点になることを期待して、そこをディエゴや田中順也がサポートする形を狙っていた」と、谷口選手との激しい競り合いにもわたりあい、ボールを収めたり、また相手のラインを下げる役割を担い、徐々に中盤のスペースを作り出します。サイドバックが高い位置を獲り、また中谷&中山のCBコンビも勇気をもってボールを敵陣で運び、鋭い楔のパスを狙い続けます。

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右サイドからの伊東選手のアタックが目立ち始め、そこからのクロス。こぼれたところを大津選手がプッシュして同点に追いつきました。同点の次は逆転。その勢いで相手をほぼ飲み込むところまで行ったものの、逆転はならず。その後は息を吹き返した鳥栖のカウンター、そしてセットプレーの脅威を受けますが、若きCBコンビを中心によくぞ防ぎ切ったと思います。

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それでも、勝ち点0が1に変わったと喜ぶことは決してできません。勝ち点3が獲れた試合。3試合続けて勝ち点1に終わっているのが事実で、この勝ち点3が勝ち点9にできたかもしれないのですから、損失と悔いは非常に大きいです。「やっと勝てる」と思った試合が引き分けに終わり、それでも鳥栖まで駆けつけてくださったサポーター皆さんは試合後の選手たちに声をかけ、手を叩いて、鼓舞してくださいました。この3試合が、何かの綾で3引き分けは3連勝になったかもしれません。その引き分けを、いかに勝利にできるか。力なくしてビハインドから追いついたり逆転したりはできないはずですし、その力をいかに前半最初から発揮して、90分後にしっかり勝ち点3を得るのか。さらにより深く追及していかなければいけません。