担当:河原 正明
AFCチャンピオンズリーグ第4戦、広州恒大との一戦は敵地で3−1での敗戦となってしまいました。「今日は予選突破をかけた大事な決定戦だ」。我々の入ったH組は各国王者の集まった史上類を見ない厳しいグループ。3節を終えての結果は僅差で、後半3試合の直接対決の結果が予選突破に大きく影響することは監督のみならず選手たちもよく認識しているものでした。
広州天河スタジアムは、試合前からものものしい雰囲気に包まれていました。我々スタッフが会場に入ったのが15時ごろでしたが、すでにスタジアムの周りは幾重ものバリケードに囲まれ、多くの警備員と警察官が揃っています。日本のような「今日は試合だ」という雰囲気ではなく、むしろ「戦いの場」だという演出にも思えます。レイソルを応援するサポーターの方はバスで会場入りされたのですが、車窓から眺めるバリケードの中はどんな感じだったのでしようか。スタジアムの中もピリピリとした空気が流れています。相手サポーターも「ここはお前らの来るところではない」と言わんばかり。
チームもいろいろなトラブルに巻き込まれました。バスは渋滞に巻き込まれ、さらにはタクシーとぶつかる交通事故に遭い会場入りが大幅に遅れる事態に。軽い接触でしたので選手にはケガはなかったのは不幸中の幸いでした。
試合でもレーザー光線が客席からレイソル選手めがけて発射されるなど、アウェイの洗礼を浴び続けます。試合も渡部選手のムリキ選手へのエリア外のチャージがPKとなる厳しいジャッジで先制されると、会場の雰囲気も一気にヒートアップ。相手をさらに勢いづかせてしまいます。
ハーフタイムに「自分たちで試合を難しくしている。もっと相手を強く止めないとダメだ」と先制され少し冷静さを欠いたチームに規律を取り戻す指示を与えます。一方では「相手も我々を警戒してカウンターだけを狙っている。ボールも回せているし、チャンスも作れている。後半から澤を入れて攻撃に厚みをもたせるぞ」と策を授けると、その澤選手を攻撃のキーとして流れを取り戻します。そして後半の早い時間にセットプレーから酒井選手大会2得点目となるゴールで追いつきます。その後は一進一退を繰り返し、先週の仙台戦同様に「ミスをした方が命を落とす」ハイレベルの戦いに。
しかし、2点目は個人の力で奪われてしまいます。「外国籍選手の個の力が図抜けていた」と多くの選手が話していましたが、カウンター攻撃から最後は相手エースFWムリキ選手の高い打点からヘッドで決められて再びリードを許す苦しい展開に。会場ではウェーブが始まるなどやっかいな状況になっていきます。ホームでさらに力を増し「前回対戦よりも手ごわかった(酒井選手)」。そしてトドメは再びムリキ選手に決められた3失点目。勝ち点を失うだけでなく、グループ最下位へと陥れるキツイ一発でした(全北vsブリーラム戦は全北の勝ち)。そして残念ながら延長戦を除く公式戦では3年ぶりとなる連敗を喫しました。この遠征で受けた、いろいろな思いから本当に負けたのが悔しいです。
チームは明日の朝、広州を発ち関西空港経由で次戦の地・神戸に入ります。リーグ戦でこれ以上の連敗は許されません。気持ちを奮い立たせて次の戦いへ向かいます。今日も多くのご声援ありがとうございました。なお、明日は移動日となりますので広報日記もお休みとさせていただきます。