2012年4月25日

エース

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担当:大重正人

早朝、ヨーロッパチャンピオンズリーグ(CL)で、あのバルセロナが準決勝敗退という驚きのニュースで目を覚ました方も多いことでしょう。昨年末、クラブワールドカップで目の当たりにした異次元のサッカー、CL連覇間違いなしと言われていた大本命でした。もちろん、相手のチェルシーも世界有数のビッグクラブで実力の高いチームなのは間違いありません。前半で守備の大黒柱テリー選手が退場するアクシデントを凌ぎ切りました。

22本もシュートを浴びせ、ボール保持70%を超えながら勝利を得られなかったのは、まるで先週ヴィッセル戦でのレイソルのようですし、逆に前半で一人失いながら最後まで粘り抜いたのも、昨秋アントラーズ戦のレイソルのようでもあります。サッカーは本当に予想のつかないスポーツ、あのメッシ選手がPKを外すこともありうるのですから。

レアンドロ選手が練習後に話してくれました。「レイソルもこのところ追いついても離されるという試合が続いている。仙台戦も同点にした後、決めるべきところで決められていない。他の試合でも自分にゴールを決めるチャンスが何回もあったのに決めきれず、責任を感じている」

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エースと呼ばれるまでにものすごい努力を重ねて結果を出し、その座を射止めても、今度はプレッシャーをはねのけ、エースの名にふさわしい活躍を常に期待され続ける。レアンドロ選手にはメッシ選手の胸の内が見えてくるのかもしれません。「メッシがPKを外すこともあるし、でも彼の評価がこの試合で下がるなんてことはありえないよ。バルセロナが100%いつも勝てるわけじゃないし、それがサッカーというもの。レイソルだってそうだよ」。決して言い訳ではなく「次はやるよ」という思いが見えてくるような表情でした。

北嶋選手もPKキッカーを務めていた時代がありました。2000年、キャリアハイの18ゴールを挙げたシーズン。当時の西野朗監督から「PKは、北嶋」と伝えられて、本当にビックリしたそうです。そんな表情を見抜いた監督からの言葉で「お前がエースなんだ、責任と自覚を持つんだ」といった思いを感じ取り、キタジは心が熱く奮い立ったそうです。

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今日、北嶋選手がインタビューを受けたのは「柏レイソル名勝負ベスト10」というムック本。先日告知したサポーターアンケートの結果により、1位に選ばれたのは、99年のナビスコカップ決勝戦となりました。その試合の映像がフル収録されたDVDもセットとなる、レイソル20周年にふさわしい出版物が、コスミック出版さんから発売されることになりました。

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再収録される試合には、新しい実況コメントが収録されているのですが、その解説は「ホントですか!? それ、やべぇ、マジすげぇ!」とキタジが机を叩いて大興奮するのも無理ありません。何を隠そう、あの西野朗監督だったのです。あのビッグゲームを動かした当事者が、その試合を自ら解説。企画を立ち上げられた元サッカーダイジェスト編集長の六川亨さんと西野監督との深いご縁があって実現した、夢の企画です。すでに収録された実況コメントには、西野監督がキタジについて語るシーンもあり、キタジも当時のことを懐かしく思い返していました。当時を知るベテランサポーターの方も、初めてあの伝説の一戦を見る若いサポーターの方も、これは必見でしょう。ちなみに発売予定は5月23日、偶然にもキタジの誕生日です!

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