2012年10月21日

いい守備から

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担当:大重正人

ここまでの今季のベストゲームに挙げるにふさわしい試合。サポーターみなさんも異論はないでしょう。もちろん増嶋選手の劇的なゴールがあってのことではありますが、でももし1-1のまま終わっていたとしても、今日の選手たちのプレーは称賛に値するものだったと思います。

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「今日はいつもと違って、相手に合わせる戦術だった」と増嶋選手が振り返りました。サンフレッチェはリーグ首位のチーム、洗練された攻撃、そしてホームで5失点を喫した相手。今週は日立台でのトレーニング、そして広島に入っての前日練習でも、守備のやり方を再三繰り返してきました。そして今日のキックオフから、特殊な相手のシステムに対して、マークを明確にして臨みました。

「ホームでの試合では、インサイドの森崎浩、高萩の2人にDFラインとボランチの間でうまくプレーされた。4-1-5というシステムの相手に対し、マークをはっきりさせた。前回は2シャドーをサイドバックが見ることでサイドの選手がフリーにさせてしまった。今日は森崎浩、高萩の2人をダブルボランチが見て、サイドのウイングはハンジンとワタル。澤をアンカーの青山につけて、フィードや縦パスを防いだ。そして4バックは、ジョルジ、ジュンヤ、工藤がいい距離感を保って対応した」

ネルシーニョ監督は選手それぞれに明確な使命を授け、チーム全体がその戦術を完璧にこなしました。ゴールこそありませんでしたが、田中選手は相手センターバック2人の間を何往復したことでしょう。苦しくなったときには工藤選手やジョルジ選手がうまくカバーし、アンカーの青山選手は澤選手がマーク。そして前線への縦パスを大谷選手や那須選手らが何度もカット。特に前半は間違いなく「守備がハマった」試合でした。

その終了間際に生まれた、サプライズゴール。「どうしてあそこにいたのか、自分でもわかりません」と苦笑いを浮かべたクォンハンジン選手。しかしそのシュートはFW経験者らしい、すばらしい一撃。「対面した清水選手はとても足元のテクニックがあった」と時折突破を許したことは反省していましたが、「全然良かったですよ。持ち味を出していたし、違和感なかったです」と那須選手からも称えられる、初サイドバック。プロ入り初、来日初ゴールと劇的な勝利と合わせて、一生忘れられない試合になりました。

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後半、同点においつかれたところで、投入された安選手が中盤に立ちはだかり、チームに落着きを取り戻しました。終了間際、増嶋選手のCKにつながったジョルジの直接FK、その相手ファウルを読んだのは水野選手のドリブル突破でした。監督の采配、選手個々の奮闘、そしてゴール裏からバックスタンドの最上段までバイオレット一色の26000人、完全アウェイのなか、一段と映えていたレイソルイエローの声援。すべてが増嶋選手の劇的なゴールにつながりました。

これで3位のレッズとは勝ち点3差。順位は4位浮上ですが、同勝ち点で清水、名古屋が並んでいます。喜ぶのはまだ早いです。ただ残り5試合、また明確な目標と望みを持って戦うチャンスを得ました。来週はホームで大宮戦。日立台のスタンドを黄色に埋め尽くし、選手たちへの後押しをどうぞよろしくお願いします。

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