2014年10月22日

ガンバを止める

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担当:大重正人

リーグ戦12試合日立台無敗のレイソルか、7連勝中のガンバか。ともに負けない矛と盾の対決は、最後の最後に決着し、1-0でレイソルが完封勝利。選手とサポーターが一体となった日立台の強さを存分に見せつけることができました。

今日のハイライト、まずはデビューを果たしたルーキーでしょう。DF中谷進之介選手、10月17日にU-19アジア選手権の北朝鮮戦でPK負けを喫し、早すぎる帰国に悔しさを隠しきれませんでした。ただ、残念なことばかりではありませんでした。鈴木大輔選手の出場停止もあり、プロ初出場のチャンスがタイミングよく巡ってきたのです。たまたまの幸運だけではありません。それまでの努力と成長をネルシーニョ監督は見逃さず、日立台という最高の舞台で抜擢しました。

「われわれの大事な仕事の一つに、若い選手や出場機会のあまりない選手に対して、それぞれの選手のクオリティを尊重して接することがあります。結果、小林祐介や秋野、今日の中谷、輪湖も含めて、チャンスを待っていた選手がいつでも出られるように準備をしてきました。彼らをチームが必要としたときに彼らが力になってくれるのは、チームにとって非常に大きな力だと思います。中谷の起用に関しては、鹿島戦が終わった後、チーム事情から中谷の名前が頭に浮かびましたし、代表から帰ってきてすぐに彼とも話をして出場する可能性について伝えていましたし、選択としては困らないセンターバックとしてのクオリティを持っていますので、試合に出て当然だと思っています」。中谷選手起用への質問に対しての監督のコメントでした。

「だいぶ緊張してました」と試合後には安堵の笑顔がありましたが、「タフになった」というアジアでの4試合で得た自信はプレーにもあらわれ、大変堂々としたものでした。レイソルアカデミー仕込みのパスセンスと展開力を発揮し、そして球際のファイトは、ガンバの宇佐美選手に対しても臆することない戦いぶりでした。「小学校の時からずっと夢見ていました」という日立台のピッチでデビュー戦初勝利、さらに初レッツゴーカシワの音頭。弱冠18歳、忘れられない最高の初陣となりました。

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そして試合を決めた、90分の男、太田徹郎選手です。アントラーズ戦に続く2試合連続決勝ゴールは、今日もアディショナルタイム直前の「90分」のゴールでした。ネルシーニョ監督は後半開始から橋本&キムチャンスコンビを早くも投入し、サイドの活性化を図りました。0-0で拮抗した状態でキープし、「いつ、テツを出すのか」と切り札投入を皆さんも待っていたことでしょう。呼ばれたのは84分、それから5分ほどでの大仕事でした。

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「いいところにボールが転がってきた。工藤が競ったところで、自分のところに来そうな気がした。もう少し強いシュートを打ちたかったんですが、、、」と鹿島戦の反省を取り返そうという一撃。その前、レアンドロ選手が2度に渡って、相手を食いつかせ、クロスを入れたキムチャンス選手を完全にフリーにプレーも素晴らしかった。また前半から宇佐美選手を封じ、パトリック、倉田といったフレッシュなアタッカーに対しても身体を張って守り続けていた増嶋、渡部、中谷の最終ラインとGK桐畑選手の奮闘。それらすべてが、テツのゴールによって大きく報われました。

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7連勝のガンバを止められるのは「日立台」しかないと密かに思っていました。平日のナイター、雨が降り続き、しかも10度台まで気温が下がる大変なコンディション。それでも日立台まで参戦くださって、選手たちに最後まで走り続けるパワーを与えてくれたのは、間違いなくサポーターの皆さんです。今日もすばらしい試合でした、応援ありがとうございました。

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