2015年3月18日

山東戦

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担当:大重正人

試合後の記者会見。吉田監督は試合を振り返る前に、真っ先に話したことがありました。

「まず、我々このゲームを迎えるにあたり、先日のベガルタ仙台戦、本当に数日前に行われたんですけど、その試合の前半でレギュラーのセンターバックとしてプレーしていた増嶋が、軽くない怪我を負いまして、今年30歳になる彼がこの短い期間の中で取り組んだ姿勢と、見せた成長と、チームにもたらした貢献ということを考えると、とても我々にとって痛い怪我であると同時に、成長を続ける強い意志で、恐怖と戦いながら、新しいことにトライした彼のことを考えながらプレーをせざるを得ないというか、する状況になりました、この試合は。

午前中、我々はナイターの日は午前中に練習をするんですが、そこに彼が顔を出してくれて、選手たちと顔を合わせ、その中で彼の中に沸くものもあったでしょうし。ただそれを私がモチベーションに変えるような、彼のために頑張ろうというのは基本的にないですけど、代わりに出た選手がマスの代わりではないですし、それぞれの良さがあり、それぞれの特徴がある。そういったものの中で出場するわけですから、そういったことがモチベーションに変わるわけではないですけど、彼が負った小さくない怪我と、この短期間に見せた急激な成長とともにこの勝利があって、私自身そこに対してはホッとしているというか、彼のためにも勝てて良かったなというふうに思っています」

すばらしい勝利の余韻のあと、難しいタイミングではありましたが、監督が増嶋選手についてお話し、試合後すぐにリリースいたしました。皆様には大変なショックと驚きを与えてしまったかと思いますが、、、増嶋選手が仙台戦で負った膝の負傷はあまりに大きく、全治7か月と診断されました。また桐畑選手もキャンプ中に足を痛め、ようやくトレーニングに合流した矢先の骨折で2か月の加療を要する大きなケガを負いました。

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レイソルにいる選手はみなそうですが、特に2人が周りに与える影響は大きいものがあります。サッカーへの取り組み、周りを引っ張るリーダーシップ、地元の千葉や柏、レイソルに対する深い愛情は、チームの内側はもちろん、周りで支えていただいているサポーター皆さんにも大変に伝わっていると思います。チームにとっても大変な痛手、大きな出来事のなか、それでも選手たちはピッチでレイソルのサッカーを表現し、劇的な勝利を収めました。

吉田監督のコメント、試合の内容についてです。
「予想どおり、本当に厳しい、これがACLの戦いだというものになったと思います。これがサッカーですし、攻めれば攻めるほど空くスペースがあって、そこにこちらがミスをしたり、ちょっとした間違いを犯せば付け込まれる。その繰り返しが今日ピッチの中で起きたわけですけど。前半何回か、我々のミスが起きはしましたが、基本的には思っていたとおりの得点、思っていたとおりの崩し、思っていたとおりの、狙っていたとおりの組み立てというものを選手は賢く、勇敢に披露してくれたと思います。

さきほど申し上げたとおり、サッカーですから、攻めれば攻めるほど危険なスペースというものを抱えなければならないわけで、そこのリスクというものをギリギリのところ、薄氷の上を選手は歩いているわけですけど、そのトライする姿勢というものを称えたいと思っています」

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山東はレイソルの中盤それぞれにしっかりマークをつけてきましたが、徐々に慣れ、ペースをつかみました。そして生まれた武富選手の先制ゴール。後半立ち上がりにはクリアを拾われて同点に追いつかれる中、相手の対策に対しても、対応し、最後の輪湖選手のゴールにつなげました。そのあたりについて、質問がありました。

「詳しい話はなかなか難しいんですけど、相手の選手たちがどういう出方をしてくるか、どのようなマークを我々に対して、してくるかというのを、見ようじゃないかという話はいつもしていますし、トレーニングもしています。その中で、選手はこういうことねということで、さっさと自分たちのペースというか、どこに攻撃のポイントをずらしていくか、相手のプレッシャーを読みながらプレーしたということが、じきにボールが落ち着く結果になったと思います。後半に対して、もちろんハーフタイムにおそらく変わるとしたら、こういうところが変わるよねというところを話しました。ただ、それと違った変わり方、人が変わったという変わり方だったので、交代が分かった瞬間にこう変わったということをすぐに示し、選手はすぐにそこに気付き、選手はこういうふうに戦おうというプランをすぐに実行してくれましたというところです」

後半立ち上がりに失点したこともあってか、前半も含めて、少し立ち上がりに問題があったのでは?という質問に対しては、監督はこう答えました。
「立ち上がりの問題というか、我々、選手も私も、立ち上がりに問題があるいうふうには全く捉えていなくて、後半の失点はちょっとエキサイトしちゃったんですね、その前段階で。ファウル、ファウルじゃないとか。ちょっとエキサイトして冷静さを欠いた。そこでスペースがある中で攻撃をされて、左サイドバックの寄せがちょっと甘くなったところもあって、そこで人数が考えたとおり揃わなかったと。ちょっとエキサイトしたあとのプレーで、そういうことが起こりましたけど、前半・後半を通して立ち上がりは、私の目から見て、とても落ち着いていましたし。

それが1回、鈴木大輔のところでショートして、茨田のところでもちょっとミスが出て、ただ技術的なミスなので、戦術的に選手が間違いを犯したとはまったく見えませんでしたし。彼らは正しくプレーをして、ただ相手のプレッシャーの計り方というのもありますから、いつもトレーニングをしている選手たちのプレッシャーの度合い、距離、しつこさとか、良い悪いは別として違いましたから、そこにちょっとアジャストするのに時間がかかった選手がいたのは事実ですね」

今年から、試合で最も活躍した選手が「マンオブザマッチ」に選出され、今日はもちろん輪湖選手でした。その選手は会見出席が義務付けられているのですが、この上の吉田監督のコメントの最中に、ワコが着席。「左サイドバックの寄せがちょっと甘くなったところもあって」のところは、監督がチラリとワコのことを見やり、ワコが思わず苦笑するシーンも。メディア皆さんも少し和んだやりとり、微笑ましい場面でした。監督の目はしっかりゴール以外のところも見逃してはいませんでしたね。とはいえ、最後のゴールはもちろん見事の一言でした。

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グループEのもう1試合は、全北がビンズオンをホームで3-0で下し、レイソルと勝ち点7で並びましたが、得失点差で全北がグループ1位、レイソルは2位となりました。次の4月8日のアウェイ山東戦で勝てば、グループ突破が決まるという状況まで来ましたが、まだ3試合が終わった折り返し地点。5日後には、今後はJリーグの新潟戦が待っています。吉田レイソルの戦いはこれからもまだまだ続いていきます。今日もご声援ありがとうございました。