2018年7月29日

神戸戦

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担当:大重正人

守備の意識を非常に強く持って、共有して、臨んだ試合でした。前回の鹿島戦での6失点はやはりあってはならないことで、今週のトレーニングは大変な危機感と緊急性をもって、選手たちが意見を出し、話し合い、ピッチですり合わせて、神戸戦に挑みました。

その改善ははっきりとピッチから感じられたと思います。相手のビルドアップに対し、自分たちの守備体型をコンパクトに組み、陣形を整え、相手の攻撃を限定していきました。この日はボールホルダーに対してもそれぞれの選手が激しくアタックする場面が何度もあり、守備のスイッチにメリハリがありました。

イニエスタ選手の技術はやはりすばらしく、「自分たちが2タッチ3タッチでプレスを外すところを、1タッチ2タッチで打開していた(キムボギョン選手)」という言葉通り、一気に局面を変えられる場面もありました。そのシンプルですが高度なプレーがすごいのは、何よりスタジアムの雰囲気を一変させてしまうこと。トラップ、ワンツー、スルーパス。次は何をやってくれるんだろうというホームサポーターの期待感の高まりは、これまでのJリーグであまり感じたことのない雰囲気でした。

しかしレイソルも細貝選手や伊東選手を中心に激しいチャージを見舞い、自由にさせ続けなかったのも事実です。また打開されてもすぐに自陣へ戻り、相手を跳ね返しました。GK桐畑選手の決定的なピンチを止めたビッグセーブも試合をキープさせた大きな働きでした。前半は、相手に保持率を譲りボールを奪えずとも、相手の攻撃がゴールに迫る回数を減らせていました。狙い通りの守備ができていたと思います。

ただ、守備を強めた一方で、攻撃でなかなか出ていけなかった。前半途中、右サイドバック小池選手の動き出しを見逃さなかったパクジョンス選手の大きなフィード、小池選手の折り返しを伊東選手がボレーで飛び込んだシーン。ゴールマウスに阻まれてあの場面、本当に惜しかった。最大のチャンスをあとわずかのところで獲りきれなかったのが悔やまれます。

後半21分でした。ヴィッセルのセンターバック、渡部選手に侵入され、中央への縦パスが通してしまい、折り返しをあわされて失点。中を通されないように、と徹底し、効果的な守備を続けていたなかで、たった一回のプレーで、この試合を落とすことになってしまった。ナベは、イニエスタ選手を警戒するレイソルの右サイドのポジショニングをずっと伺っていたそうです。前半から注意を払い、いい守備を続けていたものの、心身の疲労が積み重なっていく時間帯で、あと一歩踏ん張りきれませんでした。

手塚選手を投入し、パスのテンポを上げながら、最後まで反撃を試みましたが、ウェリントン選手の力強いキープで起点を作られ、なかなかマイボールにできないまま逃げ切られての0-1。前回からの守備の改善、選手たちの奮闘、そこはしっかりと目に見える形で伝わってきました。この日のプレーをベースにして、ここから積み重ねていけば、より組織的な堅さが身についてくるはずです。でもやはり、相手よりも1点でも多く獲って、勝ち点3を獲らなければいけない。守備と攻撃の最適なバランスを見つけなければいけません。

リーグ戦3連敗。1000人以上のレイソルサポーターは、それでも応援の歌で、サポートの形を示してくれました。怒りや悔しさ、無念、いろんな感情があるはずなのにそれを押し殺して、歌い続けてくれました。あの光景を見て、何を感じて、何を起こせるのか。次は8月1日水曜日、湘南戦です。ホーム日立台で次こそ勝利の歌を歌ってもらえるように、力のすべてを出し切って、勝ってほしいです。