2018年8月16日

東京戦

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担当:大重正人

後半32分。右サイドの伊東選手の鮮やかなシザースからのクロス。でも軌道を見て「合わない」と一瞬目を切りそうになりました。でも諦めずに、あのボールに食らいついた瀬川選手の執念が、とんでもないスーパーゴール、鮮烈なオーバーヘッドシュートを生み出しました。「自分でもびっくりでした笑。J(伊東)のクロスが後ろに来たのであれしかなかった。一か八かでした」。

札幌戦のすばらしいゴールのあと、続く仙台戦では前半で退きました。「悔しい思いがあったし、ミカ(オルンガ)が次から登録されるだろうし、自分には猶予がないと思っていました。それをひっくり返すには結果しかない、いい準備を心がけました」。以前、練習のあとにこんなことを話していました。「今日はフォワードの中で、自分が一番ゴールしましたから」。常にライバルとの競争の意識を強くもって、一日一日の結果にこだわり、それが報われないこともあったでしょうが、それを逆にパワーに変えて、ついに先発のチャンスをつかみました。結果を出さなければ変えられる。その危機感の中で自分を保ち、この3試合で2ゴール。しかもこの苦しいチーム状況のなかで勝利を導く本当にすばらしいゴールでした。

キックオフからここまでの約80分間、本当によく無失点で守り、我慢して、粘りを見せていたからこその結果です。チーム全員でゲームを崩さなかった。この日はキムボギョン選手が左サイドで先発。本来ならセンターのエリアでボールをさばく司令塔ですが、守備になればすぐに帰陣してポジションをとり、高木選手と連携し、相手の右サイドバックの動きに目を配り、マイボールになればボールをキープする。ほかの選手たちも守備では激しく、そして奪ったときの攻撃はシュートやクロスまでしっかりやりきる。ボールを失えばすぐに守備に切り替え、時には激しく当たってプレーを切る。そして自陣で陣形を整えて守備に。前半は東京も同じような戦いでしたので、ゲームはオープンにならず、堅い展開でした。

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後半から東京のアタックのパワーが強まり、レイソルはほとんど自陣にくぎ付けになりました。メディアからは交代のタイミングを我慢していたように映ったが、と加藤監督の会見で質問がありましたが「守備で押し込まれていたが、ボランチの2枚に関しては安定していたのでそれほど心配していなかった。バランスを崩したくなかったことと耐えるときはしっかり耐えるように伝えていたので、選手たちは割り切って耐えている時間だと見えたのであのタイミングになった」とコメントがありました。

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小池選手は「今まで相手の時間帯に失点することが多かったので、ディフェンスラインでこの時間を耐えようという声掛けがすごく多くて、サイドハーフの選手もすごく頑張ってくれた」と全員守備で機をうかがっていた後半29分。足がつったボギョン選手にかわり、クリスティアーノ選手を投入し、守備の強度を保ちながらも「室屋選手の背後を」という狙いをもって反撃に。その投入から3分後、今年のJリーグの中でも屈指のスーパーゴールが生まれました。

残り15分以上、さらに相手の圧力を受けることになりましたが、亀川選手を投入して5バックで守りを固め、最後まで身体を張り続けた選手たちに2試合ぶりの勝利が舞い降りました。ただ小泉選手の言葉通りです。「今は何より結果が大事なところで勝ち点3を獲れて大きな勝利になったが、連勝しないと何も意味がない。今日のことは今日で切り替えてやっていきたい」。次戦もアウェイ、日曜19時からのジュビロ磐田戦。2ポイント差、勝てば順位を逆転できる直接対決です。他チームの結果はまずおいておき、自分たちの目の前の1試合1試合に全力を注ぐだけです。1600人を超える味スタでの心強い後押しが選手たちの苦しい時のあと一歩につながっています。ありがとうございます。またヤマハスタジアムで共に戦ってください。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。