2009年7月20日

早起きする鳥は、きれいな水を飲める

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担当:大重正人

「ネルシーニョレイソル」が始動しました。今日はオフの予定でしたが、急きょ変更。選手たちにとっては疲労もあるでしょうが、古賀選手の「そんなことを言っていられる状況じゃない」という言葉通りです。午後3時半、休館日で静かな日立台に選手とスタッフが集合。ネルシーニョ監督から5分ほど言葉があり、それぞれのメニューに散っていきました。

昨日の先発組は古邊コーチとともにランニングとストレッチのリカバリー。それ以外のメンバーはエドワルド新フィジカルコーチの指揮で、フィジカルトレーニングからスタート。ストレッチで身体をほぐし、座った姿勢からのダッシュ、ラダー(縄ばしご)を使ってのステップワークなど。「ミギ」「ヒダリ」「フタリ」など、ところどころ日本語も交えながら、選手たちを拍手で鼓舞し、やる気を呼び覚ましていきます。みなぎる気迫がどの選手からもひしひし伝わってきます。

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そのあとは4人×3グループに分かれ、4対2のボール回し。カットするか12本パスが通れば、場所を移動しながら攻守交代。シンプルなパスゲームですが、ロスすれば素早く守備に戻らなければいけません。これまでやり続けてきて、やり切れなかった「攻守の切り替え」です。

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さらにクロスからのシュート練習。サイドで3人がパス&ムーブして、ゴール前には3人が詰めるところへクロス。シュートが決まっても外れても、すぐにスタートの位置へダッシュで戻る。これもシンプルなトレーニングですが、「切り替え」が求められているのがわかります。ネルシーニョ監督の言葉を「ペース落とすな!」と公文通訳が伝え、20分以上一定のペースで継続。「フィジカル的な要素もあるんじゃないかな」というスタッフの言葉通り、見た目以上に走り込んだメニューでした。

リカバリーを終えた北嶋選手を、ネルシーニョ監督初練習を取材に来た10人ほどの記者さんが囲みます。「監督が代わって、練習メニューも変わって、フレッシュな気持ちです。いい意味で、一からのやり直しです。練習前、監督から選手に向けて『レイソルのために戦ってほしい。厳しいことを要求するかもしれないが、しっかり応えてほしい』と言われました。戦術的な話はまだでした。芯の強さを持った監督という印象を受けました。今日の練習を見ていて『切り替えの早さ』を求められていると思った。それは自分の持ち味のひとつだし、要求に応えた選手が試合に出られる」。

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そして初練習を終えたネルシーニョ監督が答えます。「まずは『グラウンドでの姿勢を変えていこう、いい練習をしていい結果を出そう。これまで持っていた自信を取り戻して、この苦しい状況から脱出しようと選手たちに話しました。今日は、パワー、スピード、ポゼッション、シュートと選手は精力的にやってくれ、いい練習ができました」。

練習後、フランサ選手と10分弱、話し込んだ場面を聞かれると「フランサのことは昔から知っている。98年、サンパウロの時には自分が初めて先発に抜擢したし、彼の能力もしっかり把握している。彼はシュートのうまいアタッカーだし、ゴールを決めてほしい、フィニッシャーになってほしい。そのなかで、自分からの要求も果たしてほしいと伝えました」

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最後に、練習時間の変更についての質問です。「朝は暑さを避ける意味もあって、8時半からのトレーニングに変更します。早朝の練習は気持ちがイキイキするし、今までのチームのリズムを変えたいという思いもあります。それから、ブラジルにはこんなことわざもあります

『早起きする鳥は、きれいな水を飲める』」

すでにサイトでお伝えしましたが、練習スケジュールが大きく変更されています。8時半という午前練習には皆さんもビックリされたと思いますが、「芯のある」監督が示した方針、チームを立て直すための決断です。今はネルシーニョ監督の示す道を信じて、まっすぐに愚直に進んでいくよりほかありません。練習時間は早くなりましたが、サポーターのみなさん、練習見学にどうぞお越しください。

いったいどんな監督なんだろう、
監督は何を言うんだろう、
監督はどんな練習をするんだろう??
選手たちの緊張感がありありと伝わってきます。日立台の空気は一変しています。

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