2009年10月 3日

流れた時間

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担当:大重正人

試合速報を打ち終わったあとは、いつも頭の中が回転しなくなります。
90分間に集中して、目に入るものをキーボードに打ちながら、それでいてゴールシーンに声を上げて、チャンスを逃せば天を仰いで。めまぐるしくフル回転で頭脳を動かすと、あっという間に過ぎてしまう濃密な90分間。燃え尽きてしまうような感覚です。そのあとは正直、省電力モードを余儀なくされます。

でも今日は、いつもとは違いました。
「もう何も考えられない」といった疲れがありません。あっという間に終わってしまった90分間。大きな波がなく、流れるように過ぎてしまったゲーム。
プレーしていた選手たちも同じような表情に映りました。もちろん90分戦いぬいた疲れはあるでしょう。でもどこか燃え尽きられなかった、やりたくてもやりきれなかった不完全燃焼の表情に見えました。

チームの戦術として「まずディフェンスから」という意識づけをして、この2か月でチームが立ち直ったことは間違いないことです。でも、前へ!という気持ちを薄めてはいけない。攻撃精神をむき出しにして、見ている人の気持ちを揺さぶったシーンは少なかった。「もっとリスクを冒してでもチャレンジしないと」。わかっていながら、やれなかったジレンマ、不完全燃焼感。

足をつらせた選手もいなかった。つらせること自体フィジカル的にいいことではないし、涼しかった天候も関係あるでしょう。でもチームとして、力のすべてを出し尽くして、走れなくなるまで戦うといったゲームにできなかった。倒れるまでの力を出したからこそ、この7試合でつかんだ勝ち点11があったはずです。

私自身が疲れ果てていないのは「しっかり守れるようになって、今日もたぶん何とかしてくれる」といった甘い考えがあったからかもしれません。ここ最近は緊張のあまりか、開始15分で動悸がするような苦しさがあった。今日も変わらぬ大事な大事な試合なのに、どこか努めて冷静になろうとして、入りこめていなかった。

引き分けで満足していたら、今シーズンの最初と変わりありません。
また同じ失敗を繰り返してはいけない。
チャンスはたった6試合。