2009年11月21日

新潟から

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担当:大重正人

「サッカーはボールひとつで争うスポーツ。今日のような厳しい試合は勝ちたいという気持ちが強い方にボールが転がってくる。自分はボールへの執着心がストロングポイント。1対1にも絶対負けたくない。最後まで身体を張れた」

小林祐三選手の談話です。右サイドバックとして、守備はもちろん、攻撃にもチャンスとみるやどんどん攻め上がる。ハイボールやシュートも身を呈して防ぎ続けました。今日は祐三選手だけではありません。全員が同じ気持ちを心に燃やして、90分間通して身体で表現し続けました。

今日の勝利は、相手のシュートが外れたとかというラッキーや偶然で得たものではないと断言できます。勝利を引き寄せたのは選手たち自身で、勝つべくして勝った試合でしょう。もちろん苦しくも厳しい試合でした。シュートをブロックしようとスライディングで飛び込んでかわされる場面もあったけど、そうした1stディフェンダーの気迫が相手の勢いを削いで、相手が切り返す間に仲間がカバーに回るタイミングを作る。3人ぐらいがシュートブロックにとびこむ場面もありました。大谷キャプテンが戦前に話していた共通意識の高まりというのは、こういうことを指すのでしょう。

フランサ選手が猛然とボールを追いかけて、千金のゴールを奪ったシーン。正直驚いた方もいたかもしれません。今までなら裏ではなく、足元でボールを受けようとして、パサーと逆の動きになったかもしれません。パサーの方も裏ではなく、足元に入れようとしたかもしれません。また、ボールを追いかけることを諦めていたかもしれません。

リスクが高い時はシンプルに前を狙おうというのは、ネルシーニョ監督が常に求めていること。フランサ選手のコンディションがいいことはもちろん、俺だって監督の言うとおり裏を狙って走るんだという意識があったからこそ、つかんだ千載一遇のチャンス。ボールを奪ってGKと1対1になって、そこで決められるのは、やはりキングフランサだからこそ。ほかの選手には真似できない技術と経験からくる冷静さは彼にしか持ちえないものです。やっぱりフランサは、スペシャルなプレイヤーです。

チームのだれもが信じて言い続けてきた「4戦全勝」。半分まで来ました。残り2つは、いままで以上に険しい山越えとなるでしょう。残留への道は他力あってのことでしたが、ここまでは予想以上にライバルの勝ち点は伸びていません。チャンスは十分あります。あきらめず、信じて戦うこと。新潟まで駆けつけてくださった1500人ものサポーター皆さんの応援から、その思いがビシビシと伝わってきます。観戦じゃなくて、参戦。ひとりひとりが戦う気持ち、勝ちたい気持ちを出して戦えば、必ず結果がついてくる。

来週のNACK5スタジアムが楽しみでなりません。最高だった去年のように、そして今日のように、鳥肌が立つような雰囲気で選手たちをサポートしてください。ありがとうございました。