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2008年01月23日(水)
2008年柏レイソルサポーターズカンファレンス議事録1 ?スタジアムについて?


 2008年1月19日(土)に開催いたしましたサポーターズカンファレンスの議事録を公開いたします。

日時:2008年1月19日(土) 19:30?
会場:柏市市民文化会館大ホール
出席者:約1450人


パネルディスカッション
?スタジアムについて?

ナラヨシタカ(以下:ナラ):
ただいまよりサポーターズカンファレンスを始めたいと思います。その前に着席をして頂きます。
柏レイソルからの出席者をご紹介いたします。

新体制発表会に引き続き、株式会社日立柏レイソル代表取締役社長河西晋二郎(以下:河西)。株式会社日立柏レイソル強化本部ゼネラルマネージャー竹本一彦(以下:竹本)。そしてサポーターズカンファレンスより参加いたします、株式会社日立柏レイソル常務取締役寺坂利之(以下:寺坂)の、以上3名となります。
続きましてパネリストの皆さんをお迎えしましょう。どうぞ。

まずは、日本経済新聞社運動部次長、吉田誠一様(以下:吉田)。吉田さんは1985年日本経済新聞社に入社、3度のワールドカップを取材し、サッカー記者としてやっていらっしゃいます。レイソルのホームゲーム時発行のマッチデープログラム『ヴィトーリア』や『柏レイソル公式イヤーブック』にも御寄稿いただいております。

続いては、フリーアナウンサーの日々野真理様(以下:日々野)。Jリーグアフターゲームショーやピッチレポーターでもおなじみの日々野さんですが、いろんな番組に出演されていらっしゃいますよね。そして、サッカーの仕事に一番初めに携わったのは、柏レイソルが柏の葉(公園総合競技場)でシンガポール代表との親善試合を行ったときの取材であったということで、ひとつ今日もよろしくお願いします。

そして、エルゴラッソ編集部・記者の内田浩嗣様(以下:内田)。内田さんはレイソルの担当として活躍されていらっしゃいますけれども、学生時代はサッカー部に所属されていますよね。今日は担当記者としての鋭い話も伺いたいと思いますのでよろしくお願いします。

本日のサポーターズカンファレンスは以上3名の皆さんを交えてパネルディスカッションを行い、その後、サポーターの皆さんからの御意見、御質問を頂戴するという流れで、進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
柏レイソルは今回のサポーターズカンファレンスにあたりまして、公式ホームページでサポーターの皆さんから質問を募集しました。大変たくさんの御質問を頂きまして、本当にありがとうございます。

私も含めて、スタッフみんなで見せていただいたのですが、その中で最も多かったのが、スタジアムの改修。まず、この点につきまして、お話を頂きたいと思います。

吉田さんは、取材で海外を含めて、柏レイソル以外でもいろんなスタジアムを見られていると思いますけれども、それに比べて日立柏サッカー場に対する印象といいますか、規模とか雰囲気などを皆さんにご紹介頂けたらと思うのですが。

吉田:
柏のスタジアム(日立柏サッカー場)というのは、皆さん御存知のように、非常にピッチが席から近い。非常に臨場感があふれたスタジアムということも、柏の皆さんだけではなく、日本中のサッカーファンの方々も認めていることでして、その点というのは国内でも誇れるものだと思います。

ただし、快適性とかホスピタリティーという点ではまだまだ問題が当然あって、屋根の問題ですとか、椅子が個席になっていない。若いサポーターの方々というのは多少完備されていないスタジアムでも平気ですけど、中にはお年寄りの方もいらっしゃいますし、すべてのサポーターの方々が快適性を味わうためには、屋根も必要ですし、椅子の背もたれが全てついていることは必要だと思います。

「新スタジアムを作る、そのうち作ります」ということで、今のスタジアムは手をつけずに放置されているのだと思います。「どうせ作り直すならその時まで今のままでいいだろう」ということで、どんどん年が過ぎてしまった。それでは、いつまで経っても全てのお客さんが快適にサッカーを楽しめない。

新スタジアムの問題というのが、はっきりこの場で「いつまでに作ります」と言えないということを事前に伺っていますが、お客様への快適性、ホスピタリティというものについて、改善していかなければいけないと思います。その点についてクラブの皆様はどのように考えているのかをまず伺いたいと思います。

ナラ:
そういうお気持ちがあるのかということをお聞きしたいということですが、社長いかがですか?

河西:
今吉田さんから御指摘を頂きまして、おっしゃることはよくわかります。

私どもも具体的に申し上げますが検討しております。今、柏市、親会社の日立製作所と話し合いをしております。ただ、スタジアムの改築というよりも増改築を検討しているものでございます。柏レイソルの経営規模からしますと、改修には資金がかかるのが現実でございます。それから、ほぼ住宅地の真ん中にあるわけでございまして、様々な環境に対する負荷を考えていかなければいけません。このあたりは柏市と協議したり、それから日立製作所とも協議したりしております。

それから今まで過去の経緯がよくわからないのですけれど、検討、検討ということで過ぎてきた時間が長いというようには認識しております。私が今考えておりますのは、どうにか今年の3月の末までには出来る、出来ないを含め結論を出したいと思います。ズレても4月いっぱいまでには結論を出したいというのが私の気持ちであります。もちろんやるかやらないか分からなくて検討しているのではなく、もちろんやる方向で検討しております。

長くなりますが、申し上げますと、今吉田さんからホスピタリティの問題がある、屋根の問題があるというお話しをもらいましたけれども、「今ある素朴な雰囲気を生かす、今あるスタンドを個席に」というような形では変えていかなくてはいけないということですけれども、「今あるスタジアムを生かして継ぎ足す」と申しますか、そんな形での改修を考えています。要するに、改築改装しまして最新鋭の屋根つきのスタジアム作るところまでは、私どもの力では及ばないと考えております。

ただ今の御指摘からいうとお答えになっていないかもしれませんけれども、その方向で今申しました時期にはどうするかということをどんな形にせよ申し上げたいと思います。行政とのいろんなやり取り、地域の方々とのお話し合い、そういったところで、形が進めていくうちに変わってくる部分があると思いますので、あまりカチッとした形としてお示しできるか分かりませんが、「どういうスケジュールでやって、いつごろには出来る、出来るだろう」ということは、何らかの形でお知らせする機会を持ちたいと思っております。不十分でしたらまた質問していただければと思います。以上です。

ナラ:
ありがとうございます。日々野さん、具体的なお話が出ました。3月下旬からちょっとズレ込んでも4月ということが出ましたけれど、ピッチでレポートをなさったりしていて、周りを見ていて、スタンドを見ていて、こういう風になったらいいなとか、良さももちろん感じるでしょうし、その辺いかがでしょう。

日々野:
全国各地いろんなスタジアム、ほぼ全スタジアムの中継にお邪魔しているのですが、おそらく日立台というのは日本のJリーグが海外のクラブが来たときにも誇れるぐらいの雰囲気を持ったスタジアムだなとピッチに立つと感じるんですね。

皆さんがスタンドにいらして、別々なところで試合をしているわけではなくて、一緒にやっているということが、本当に体感できる数少ないスタジアムだと思います。その雰囲気を残しながら、あのゴール裏、バックスタンドに入れる皆さんの人数を増やせないのかという希望と、一方で改築することによって今の持っている良さを失わないでいてくれるのかなということと、もっと近くにならないのかしらということです。

私たちはいつもベンチのすぐ隣に立っているのですが、ベンチの裏はもうちょっとスタンドを近くにできるのではないかなと思います。正直なところ、大きくなってほしいと思いますが、あの近さを柏レイソルの自慢として、将来ACLに出たときに、海外に出たときに、「こんなすばらしいスタジアムが日本にあるんだよ」というのを自慢できるスタジアムにしていただきたいです。もし改築する場合、今のスタジアムの雰囲気を残していただけないでしょうか。

ナラ:
難しいことを言うようですが、社長、ひとつよろしくお願いします。

河西:
正直申しますと今の雰囲気を変えたいというより、今の雰囲気を大きく変えるだけのお金が無いということもございまして、今の雰囲気を残しまして増設したいと考えております。

もちろん手直しの時には若干ホスピタリティとかそういったことにも手を加えなければいけないと思います。増設するという理由には切符(チケット)が買えないという声も聞いておりますし、それは会社からすればビジネスチャンスを失うことにもなります。

それから、今スタジアムを大きくするだけで完全な自立経営と言えるかどうか分かりませんが、完全な自立経営に近づけて安定的な企業経営をしたいという2つが大きな目的です。繰り返すようですが私としては是非実現したいと考えております。

ナラ:
非常に前向きな意見が出ていますが、内田さんが、いろんなところで取材した中でサポーターから理想のスタジアムについてなどが、出てくると思います。その声を聞いてみて感じることはいかがでしょうか。

内田:
そうですね、よいスタジアムは、また来たいなとか、楽しかったなと思えるスタジアムだと思います。日立台も持っていると思うんですよね。すごいピッチを。あれだけ近くて、サポーターが一体感になっていて、なかなか日本の中ではないのではないですかね。
お伺いしたいのですが、改修工事をする上で、どのくらいの規模に増設されるのか具体的に教えてください。

河西:
答えにくいのですが3つくらい考えています。お金が関わってくるものですから、どの程度のもになるのか、その前に繰り返しになりますが、まだ交渉中でありまして、是非やりたいとは思っておりますが、どのようになるのかは決まっていません。規模は、一番大きく考えて今の2倍にできないかと私は思っております。他の2つはそれよりも小さい規模を考えております。

ナラ:
吉田さん、今までの流れを聞いていていかがでしょうか?社長から非常に前向きなコメントもありましたが。

吉田:
先ほど、スタジアムを大きくする狙いというのは安定経営を計るためだとおっしゃられました。何万人規模とははっきり言える段階ではないので、一般論としてお答えいただきたいのですが、安定経営をするにはこれ位のキャパシティは欲しいなということを逆算して数字を言っていただけることはできないでしょうか。

河西:
実現不可能とは思いますが、本当の意味での安定経営を考えますと、5万、6万人収容のスタジアム。それが85%あるいは90%ぐらい埋まるということになりますと、自立経営できるようになると考えます。安定経営でいえば、親会社とのやり取りの中で、今の倍くらいの規模のスタジアムが出来れば、かなり将来にわたって安定的な経営が出来るのではないかと思っております。親会社の負担の問題を考えましても、今の倍くらいの規模のスタジアムができれば、安定経営が実現できるのではないかと考えております。

ナラ:
そうすると、サポーターの皆さんからのメールの中に、「もう少し自由席の値段が下がらないものか」という質問もありました。その辺は厳しいですかね?

河西:
これは、確かに、バックスタンド側等に安い入場料で観る席を拡張して作らなくてはいけないと思っております。いけないと思っているのですが、たくさん稼ぎたいということもありまして、どの辺で折り合いをつけて、皆様に御納得いただけるかということを考えながら、そのあたりもこれから決めて行きたいと考えております。

ナラ:
日々野さん折り合いというところが出てきました。サポーターの皆さんからのスタジアムに関する「これは(実現が)厳しいかな」という質問もメールで来ていますが、サポーターとしても応援してくださっているので、この点に関してはいかがでしょうか?

日々野:
私は柏レイソルにとって、「日立台」というのはすごい戦力だと思います。他のチームに取材すると必ず対戦相手チームの選手達が、『あのスタジアムで試合をすることは・・・』と言うんです。それほど相手チームにとって日立台という雰囲気はアウェーな訳なんですよね。そこのスタジアムがどうなるかということは、無責任だとも言われますが、順位にもきっと大きく関わってくるのではないのかと思います。他のチームに行くとスタジアムという単位で相手チームから言われることは稀ですが、日立台は必ず相手チームの選手が言います。『あそこでやることについて』という話が絶対に出るんですよね。なので、宝物でもあると思うのですが、そのスタジアムの充実こそが順位が上に行って、チームが強くなることにも結果的には繋がっていくのではないかなと感じています。いかがでしょうか?

ナラ:
常務どうでしょうか?

寺坂:
スタジアムが戦力というお話だったのですが、スタジアムの規模的な部分もありますが、スタジアムを埋め尽くして、また個性的なサポートをしてくださっているサポーターの皆さんが戦力になっているのではないかと考えております。

ナラ:
内田さん、先ほど話が出ましたけれど、経営を安定させるために5万人6万人収容するスタジアムで80%90%の収容率となると、なかなか難しいものですよね。

内田:
そうですね、2年前ぐらいになりますが、(ジェフ)千葉がフクアリ(フクダ電子アリーナ)をホームスタジアムとした時もはじめはお客さんが集まらなかったんですね。その時、日本代表に結構選手が選ばれ始めて、フクアリのキャパ(シティ)、1万8千人くらいが埋まり始めた。
やっぱり日本代表とかがチームの中で出てきてくれれば、5万、6万人というキャパも不可能な数字ではないのかなと思います。

寺坂:
昨シーズンですが、日立台でのゲームが12試合ありまして、このうち9試合が完売という状況で、チケットをお求めになれなかったサポーターの皆さんに御迷惑おかけしております。ただ、5万人というところで、サポーターの方々でその時チケットを買えなかった方々がどれだけいるのかということが計りづらいです。
また、先ほど安定経営という話がありましたが、我々の事業規模に関係してきます。これは公開されている数字ですのでここでお話させていただいても差し支えないと思いますが、大体30億円なんですね。当然入場料収入が増えれば、その規模は拡大していきますが、現状の30億という我々の事業規模で、どれだけのチームを作って、どれだけサポーターの皆さんに満足度を持っていただけるかということもあります。規模から機軸を見据えて経営して行くということも大切だと考えております。その点御理解いただきたいと思います。

河西:
追加で、先ほど安定経営を自立経営と間違えて申し上げました。5万人、6万人というのは自立経営でありまして、なおかつ85%、90%というお客さんが入ると言う前提でございますから、現状の私どもの力では、ひとつの仮説で申し上げたものでございます。実際考えているものとしては、私の中では最大限2万5千人くらいのもの、今の倍くらいのものが出来ないのかと考えておりますので、誤解のないようよろしくお願いします。

ナラ:
ありがとうございます。もちろんスタジアムの改修。こちらは前向きにお願いしたいですし、考えたいところですが、近隣のみなさまのご理解とご協力が必要になります。是非サポーターの方々もご理解いただきたいと思います。
前向きな発言をおっしゃっていただきましたので、今後、我々サポーターも前向きに考えていきたいと思います。

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