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2008年01月23日(水)
2008年柏レイソルサポーターズカンファレンス議事録2 ?チームの方向性について?


?チームの方向性について?

ナラ:
続きまして、サポーターの方の一番の関心事でありますチームの強化・方向性についてディスカッションをしていただきたいと思います。

先ほどの新体制発表会におきまして石崎監督より、今年のスローガン「uniao!!(ウニオン) 団結・結束」と発表がありました。パネリストのみなさんは今年の補強なども含めた上でどのように評価されているか教えてください。

内田さんいかがでしょうか?

内田:
個人的にはよい補強をしたと思っています。課題だった前のポジションの選手の補強にも成功していますし、各ポジションに2人以上、昨年よりも質が高いというか、実力のある選手が揃っていると思いますし、印象としましては他のクラブよりも安いお金でよい選手を獲ってきたなというところがあります。

石崎体制が今年で3年目を向かえて、石崎サッカーが浸透してきたところで、石崎サッカーを知っている杉山選手や茂原選手やアレックス選手などが加わることで、もうひとつ上の段階に進めるのではないかと期待しています。
ただ、欲を言えばフォワードにもう一人選手がいたら面白かったと思います。補強費などもあると思うので、難しいところがあるのだとは思いますけれど。

年齢としては李選手と北嶋選手の間くらいの日本人ストライカーがいたら面白かったのですが、そのような話はなかったのでしょうか?

竹本:
まず、嬉しかったのは安い金でというところが…まあ、そんなことはないのですが…。

チームの強化=新しい選手を入れることもすごく頭に入れたのですが、昨年、一昨年に比べて(昨シーズンは)目標を達成したのが9月だったので、次のシーズンに関しての体制作りについてみんなで考える時間がありました。それは、監督を含め、自分たちにはメリットだったと思います。

非常につらかったことは、チームが変わっていくには選手を入れることばかりではないので、どうやって選手を育てながら出していくのかということです。チームを回転させなくてはならないというのが頭の中にありまして、非常にチームに貢献してくれている選手も多い中で苦渋の決断をさせてもらったり、相談させてもらって、選手とも話をして出した結果になっています。
我々で少し嬉しいことは、早くから動くことができたので、外に出た選手がみんな次の場所でプレーをしている、できる。それから、平山選手に関しては引退しましたけれども、チームの普及コーチとして(今シーズンは)やっていくと。
このように次の場でなんとかサッカーがやれるようにできたということが嬉しかったことです。

今、ドゥンビア選手は調整中ですが外国籍の選手枠が3人で、彼は去年の段階でA契約選手になったので、どうしてもチームにいられなくなりました。我々としては彼の行き先を考えています。ルーマニアにテストに行きまして、そこで決まればルーマニアに移籍することになると思います。もし、そのチームがダメだった時には日本のどこかのチームでプレーをするようになると思います。彼にもプレーできるところは必ずあるのでそこも用意はできています。

みなさんの中には去年いた選手それぞれのファンの方がいると思います。その方たちの思いをくみ取れない部分もあったとは思いますが、チームとしては、次へ、先へと進んでいきたいと思っております。

昨年、得点が43で失点が36。戦い方を見ていてもチームの監督のコンセプトであるプレッシングサッカー、守備から入るというところでは失点36というのは優勝したアントラーズの失点と同じです。

ただ、得点が43。アントラーズは確か60近くだったと思うので、その差というものを数字的にも埋めないといけないと思うし、マイボールになった時の攻撃の質を高めないといけない。そしてフランサが核になってプレーをするのですが、フランサ+他の攻撃のバリエーションを作りたいという、石崎監督の狙いでもあるのですが、そこに重点を置いて補強をしました。

先ほどパネリストの方も言われた、各ポジションに2人。そして質の高い選手。質の高いというのはボールを取られないでいろいろな攻撃の形を作ることができる選手。そういうところに特に着眼点をおいて編成をさせていただきました。

ナラ:
気になっていたドゥンビア選手のお話もでましたね。

内田:
そうですね。あと、先日に竹本GMにインタビューをする機会をいただいたのですが、その時に今シーズンは人数を絞って体制を組むという話をされたのですが、その狙いとはなんなのでしょう?

竹本:
人数としては一昨年は背番号でいうと42番まで。去年も太田選手で39。ということでスタートするところから人数をなるべく多めに獲りました。

みなさんもご承知の通り、このサポカンは3回目なのですが、1回目の時はみなさんの顔が本当に怖くて、その時(06シーズン)に集まってくれた北嶋をはじめ、残ってくれた南や平山を含め、いろんな選手達と先行きのわからないところになんとか進んでいくということがあったので、選手の数としては正直、集まってもらったというような感じです。それが、なんとかJ1に昇格ができまして、J1に昇格した1年目に8位という成績が取れまして、そのような中でJ1で安定して戦っていける戦力の見極めと、ライバル争いの質を高くしていく。

昨年、目標を達成してから残り8試合の中で1勝1分け6敗という、非常に厳しい結果が残りまして、その中で見極めた部分なども含めまして、より切磋琢磨できる人数を絞った中での質の高さと、これが先ほどから言われております経営の面にも繋がってくるので、今シーズンはそのようなところでも進歩していきたいと思った次第です。

内田:
ありがとうございます。

ナラ:
日々野さん、先程、新加入の選手たちに出ていただいて、顔も見られたと思いますが、何か気になる点とか、この選手はいったいどんな選手なんだろう?とか、先ほどご本人にもお話は聞きましたけれども、いかがですか?

日々野:
ずらりと並ばれましてステージ上とみなさまとのやりとりを見ている限りでは本当に楽しみだなというのが正直なところです。レイソルの選手の雰囲気というのは、私が拝見するのは10シーズン目ですけれど、ずっと「やさしさで99%できています」といっても過言でもないようなパーソナリティがやさしい選手が多いと思います。そして、今年もレイソルの雰囲気を持っている選手が入ってきたなぁと思うところがあります。

今年のことだけではなく、この2年間でこれだけ柏レイソルというクラブが変化を遂げてきた。フロントのみなさんも含めてなのですが、それを見ると本当に一体何がここまで変えたんだろう?でもすごい努力だったのだろうなと思います。それと同時に、ではこのクラブが今年であればもちろんよいのでしょうが、ここ数年間をかけて上昇チーム、そして優勝をするチームになるためには、おそらく今回の補強選手を見ていますと、若い選手がかなり多いというのもありまして、今いる選手達がこれから優勝争いをするには、あれは独特のメンタルが必要だと思うのです。それをチームの中で南選手だったり北嶋選手といったリーダーがいると思うのですが、その人達も含めて優勝するためのメンタルというのはチームとしてどのように育てていこうとお考えなのでしょうか。また、それは自然についていくものなのか、ここ数年でもちろん優勝したいとみなさんは思うのでしょうけれども、それはどのように感じていらっしゃるのでしょうか?

竹本:
簡単に優勝はできないと思いますが、もちろんうちのチームはその可能性を秘めていると思いますし、成し遂げられるように準備をして行っています。

最初に、チームの計画を第1期の計画と第2期の計画と第3期の計画というように考えさせていただきました。第1期というのは若手を育てながらJ1に昇格すること。これは1年か2年か何年かかるかわからないことですが、まずは若手を育ててから(次の段階に)行こうということで、石崎監督含め、みなさまの熱い応援のおかげで1年で達成することができました。
2年目になったときに勝ち点45という目標を立てましたが、裏を返しますと本音は「残留したい。絶対に(J2に)落ちたくない」というのがありまして、そのための第2期です。

今は、第2期の段階です。しかし、第2期は今年がとても大切なのです。相手に研究されるチームになってきていると思うのですが、なんとか降格争いはしない、そういうレベルのチームではないといけない。(浦和)レッズはもう絶対J2には落ちないチームだと思います。ガンバ(大阪)も落ちないと思います。やはりまずそういうチームになりたいというところが計画です。
ただ、それをやりながらも、当然、優勝だとかそういうところに絡んでいく夢は絶対捨てておりませんし、今の戦力でもそういうことはできると思うのですが、それを頭からかざしてしまうとやはりまだまだ勘違いしてしまうこともあると思うので、そのあたりは慎重に危機感を持ってやらせていただいております。

去年、ナビスコカップの決勝を国立(競技場)に見に行ったとき、ガンバのブルーとフロンターレのサックスブルーで満員の国立で、両チームが入場してくるとき、レイソルの一心同体のパネルを思い出しました。

やはりファイナリストになりたい。天皇杯でも元旦にやはりレイソルがあそこに行くこと。ファイナリストになりたい。
当然、リーグ戦でも上位に顔を出していきたい。ただ、ナビスコでも天皇杯でも、レイソルのサポーターだけではなくてサッカー界が、みんなが見てくれるというような場所にチームを連れて行きたいと思っています。

それは石崎監督にも選手達にもお願いをするところなのですが、特に今年はナビスコカップや天皇杯などでのチャンスを獲りたいと思っています。

その上で悔しい思いで負けたいです。

本当は勝ちたいのですが、そう簡単なものではない。PK戦で負けたり、いろいろな悔しさがある。その悔しさを持って、その上に、第3段階でやはりリーグでトップ5に入るくらいのチーム力をつけ、その時に優勝という言葉が似合うチームになりたいと思います。当然そのような中に今はチュンソン(李 忠成)とパンゾー(小林 祐三)がオリンピック代表の世代ですけれども、実(菅沼 実)も含めてそういう選手が代表になって行って欲しいし、フル代表の選手はゼロなので、チームとして熟成していくなかで、やはり個人としても華が出てくると思うのです。やはり日本人の選手の華というのを作っていくことが、チーム力にも跳ね返ってくると思うので、考えながら、日々危機感を持って進めていきたいと思っています。

ナラ:
ありがとうございます。

日々野:
楽しみなのですが、ここで私は是非がんばっていただきたいことを決めました。
マスコミの間ではシーズン前に優勝予想を行いますが、一時期、レイソルも挙がっていたと思うのですよね。
かつてのレイソルがそうであったように、そこに、早く、常にみんなが名前を挙げるようなクラブになれるように待っています。

ナラ:
吉田さん、今、いろいろなお話があったと思いますが、チーム強化の意図についてもそうですし、GMからお話がありました、中期、長期の構想。いろいろ出てきました。
その中で気になる点ございましたらお願いします。

吉田:
新しい選手にシーズン前はどうしても目がいくのですが、どのチームでも、サッカーでも野球でも。しかし、新しい選手がフィットするという保証はされていないわけですし、フィットするにしてもそれまでに時間がかかる。3月からすぐにフィットしているわけではないと思うのですよね。

レイソルもそうですが、どこのチームもレベルアップしていくためには、新しい選手だけではなく、去年まで戦っていた選手がどれだけレベルアップしていくか。底上げしていくかという部分が大事だと思うのです。

どうやって底上げさせていくのかという石崎監督の手腕が問われていると思います。

どういった部分を今まであったレイソルのスタイルに今後付け加えていこうと思っているのかというお話を本当は石崎監督にお伺いしないといけないのですが、GMはその点について監督とはどのようなお話をされているのでしょうか?

竹本:
普段、監督とはいろいろな話をしておりますが、ちょっと私は話しすぎたので監督に答えていただくのがよいと思うので、(会場内の)どこかにいるようなんですよね。

ナラ:
監督、いらっしゃるのですか?

日々野:
先ほどどこかにいるよっておっしゃってましたね。
いつでも呼んでって。

<監督移動中>

ナラ:
監督は下まで降りてくるようです。それではそれまでの間、GMの中で個人的にはいかがでしょう?

竹本:
フランサなのですが、フランサは第5中足骨骨折をして12月初めに(ブラジルに)帰りました。1月20日にブラジルでもう一度レントゲンを撮りまして、今、リハビリ中です。そのレントゲンの結果によって、またそれから先の事を決めていくのですが、上半身とか、怪我をした部位以外は元気で、当人も柏のサポーターによろしく言ってくれというところです。

鹿児島のキャンプからは合流して、開幕に準備できるような状況になっております。間に合うかどうかはわかりませんが、とにかく次にもう一度怪我をしないように、体作りをがんばっています。
では、石崎監督、お願いします。

石崎:
あけましておめでとうございます。
あ、どんな質問でしたっけ?

ナラ:
吉田さん改めてお願いします。

吉田:
今後、今のチームにどういう点を付け足していきたいか。

石崎:
やはり、去年以上のチームに作っていかなくてはいけないというところで、そこで、まずは今いる選手よりもレベルの低い選手を獲っても進展はないのではないかと。

競争もなくなってきている。そこで、今いる選手よりも能力の高い選手を獲っていこうという話を竹本さんとしていきまして、今回のメンバーが入ってきたということになります。

それと、その中で、新しく入ってきた選手がすぐにレギュラーになるのかというのは必ずではありません。やはりこの中で、今までいた選手とどう競争していくかというところが大切だと思いますし、そのチームの中で競争に勝った選手が試合に出る。それは肉体的にも精神的にも技術的にも向上していくのではないかと。チームの中で激しい競争がないといけないのではないかと思います。

去年の例をあげると、水谷選手がキーパーとして来て、キーパーコーチのロビンソンが入ったというのもあるのですが、南がすごくよくなったと思うのです。また、そういうところで水谷は京都に行ったのですが、そこに菅野選手が入ってきて、やはり彼は去年の新人王ですからそういった中で競争していってもらいたいと思っています。

サッカー自体も今はボールを奪って、できるだけ早いタイミングで攻めていこうというサッカーをしているので、そういう形での得点が多いのですが、その中での去年の反省としてデータで出ている、クロスが少ない、シュートがすごく少ない、ペナルティーエリアに入る数が少ないというものがあります。そういうところでカウンターだけではなしに、自分たちからイニシアチブをとって、ポゼッションして崩していくこともやっていかないといけないのではないかと思います。そういったところを今のディフェンス+攻撃力をアップさせたいと思っております。

吉田:
その点で柏木を獲りに行ったと思うのですが、しかし獲れなかった。柏木を獲りに行くにあたってどういう狙いがあって、チームにもたらそうと考えて獲りに行ったのか。

しかし、獲れなかった部分をどういうように考えているのでしょうか。
谷澤選手もジェフに行ったものですから、トップ下の部分。ゲームを構築していく部分はどのように考えていらっしゃいますか?

石崎:
柏木選手の場合は名前が非常によくて、柏の木で陽に介ですからまさにレイソルのために生まれたような選手ではないのかなと思い、竹本さんと獲りに行きました。本人とも話をして、いろいろな自分達の考えている話もして、あとは選ぶのは選手自身だと思いますし、僕も広島出身ですので、広島が早くJ1にあがってもらうのを祈っております。

柏木選手はU-22のオリンピック世代の中で、トップ下で出ていたのですが、すごく運動量があってテクニックがある、あとは左利きですごく将来性のある、これからすごく伸びる選手なのではないかなというところがあって、竹本さんと相談して(獲りに)行ってみようということになりました。結局は広島に残ることになったのですが。
しかし、柏木がいないからどうこうという補強はしていないと思います。

同じようなポジションにポポ、茂原、アレックスもできますし、実(菅沼)、太田、あるいはひとつ上がったポジションでチュンソン(李忠成)とか、今度ユースからトップ登録になった比嘉という選手も入ってくるのですが、彼もすごく可能性があるのではないかと思います。

今、バルセロナでもボージャンという17歳の選手が出ていて活躍していますし、チャンスがあればそういう選手がレイソルのユースからどんどん出てくればよいのではないかと思っております。

だから、今回谷澤がこのタイミングでジェフへ移籍していくのは大変残念ではあるのですが、彼が決断したことですし、この前(谷澤の)結婚式がありまして、挨拶までさせられて相当褒めていたのですが、なんのために褒めたのかと思っておりました。
ちょっと谷澤の部分は残念ではありますが、彼の考えた結果によって選択をしたのだと思いますし、ジェフではがんばって欲しいと思っています。

ナラ:
昨日もそうだったのですが、日立台の周りを谷澤選手が真剣になって一人で走っておりまして、そんな姿も見受けられたのですが、出ていかれるという選手のことも応援し続けていかないといけないというところもあります。

内田さん、先ほどおっしゃられましたミドルの年齢層の選手が欲しかったのではないかという意見がありました。これから若い選手がフィットしていくのかという、素質はすごく見えるのですが、フィットしていくかどうかというのはこれから次第になると思います。Jリーグを経験しているミドルの年齢層の補強はなかったのでしょうか?という話がありましたが、監督にもお話を聞きたいのかと思いまして。

内田:
やはり監督としても欲しいというところはあると思うのですよね。一昨年、古賀選手の加入でチームにすごくよい影響を与えたと思うので、日本人の経験を積んだ選手で25、26歳くらいの油がのっているような選手が欲しかったのかな?と思うのですが。いかがですか?

竹本:
監督からもリクエストはあるのですが、昨年は古賀選手に来てもらって、ディフェンスラインのリーダーになってもらうということで、成果がよく見えた補強だったと思います。

今年はまたそこに、例えば(横浜F・)マリノスから中澤選手を獲ってくるとか、そういうことをすると、昨年大谷選手が32試合くらいやっとフルに戦うことができて、若手としての進歩が見えてきたわけです。今年はそのような補強をするよりも、近藤選手や小林祐三選手がいる中で、近藤選手には怪我がなく1シーズン、34試合のうち30試合以上戦える選手に成長してほしい。そういう強い思いがあります。

まずはその可能性を、今いる若手を伸ばすことも大事なのではないかということも考えつつチームにいる選手を育てていくということを忘れてはいけないと思っています。

そのあたりを優先というか頭に入れまして、いろいろなことを考えてはいますが、チームの中に補強ということで外の血を入れてくることも大事ですが、入れすぎてもいけないということもあるので、バランスも考えながらやらせて頂いています。
今日、小林亮も大分(トリニータ)の方にレンタル移籍の発表をしましたけれども、村上や鎌田、そういう新しい選手の可能性というのも今シーズンは探って行かなくてはいけない、伸ばさなくてはいけないというところを念頭に置いております。

ナラ:
これからキャンプがあってそして開幕と、あっという間になると思いますが、コンビネーションの仕上がりなども期待しましょうね。

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