2005年06月05日(日)
柏レイソルサポーターズカンファレンス議事録 その3
早野
非常にシビアな質問なんですが…。チームというのは、即(選手が)変わるケース、それによってチームが生まれ変わるケースと、補強をしたいと言ったとき
に選手が来ないケース、といろんなケースがあって、私は今年も要望を出しましたし、そのなかでフロントも応えてくれました。ただ、いま変革をしていくとき
のチームバランス、選手構成、ポジションバランス、すべてにおいていいというふうには思っていないです。ただそのなかでベターを要求して今年もやってきて
いると思います。
結果的に本当に皆さんに対して勝ちという結果が出ないことがすべてであるとすれば、私は今答えることが出来なくなってしまうと思います。その成果が出て
いるのかいないのか、それを先延ばせるのかどうかということについて、私は延ばせると判断していますし、チャンスメイクのかたち、そのかたちは出てきてい
ると自覚しています。チーム改革というところで、選手補強が随時いいタイミングで取れる、そういったチームはなかなかないと思います。ただ獲得しても、大
きな変革を遂げることができない。ただ柏レイソルには、ユースチームがあり、いい選手がいるということを認識しています。彼らに時間がかかるということも
同時にわかっております。キャンプからユースの選手を入れて、次代のレイソルの看板になってもらいたいということ、明神がそうであり、近藤がそうであり、
大谷がそうであるように、そこをベースにこのチームは作っていかなければいけない。あの選手がほしい、あの選手が来てくれない、というが、すべての選手は
来てはくれない。過去に大阪で指揮をとったときも「箱根の山を越えて行きたくはない」という選手もいました。ですから欲しい選手がすべて来るというふうに
は思っていませんし、今年の段階でこの選手、と選手を伸ばしていかなければいけない。満足した、しないということですと、選手が来た、来ないというところ
に関わってきます。集まった選手たちでキャンプをして競争をさせる、というところが私の現状だというふうに捉えております。
質問
柏市在住のNと申します。5月のはじめから入院しておりまして、今日は病院から抜け出してまいりました(満場の拍手)。実は5月末に届いていると思うので
すが、メールが出来ないものですから、クラブと監督、後援会宛に病院で書いたレポート用紙8枚の手紙をお送りしました。それは読んでいただいていると思う
ので、この場で同じ質問を繰り返すことはしませんが、今日は私の思いと失望をお話ししたいと思います。
私は縁あって柏に住んでいるので、柏レイソルには柏で頑張ってほしいという思いがあるのですが、心配事が一つありまして、日立製作所がいつまでも柏レイ
ソルを持つ(支援する)ようになるのかという不安があります。私も民間会社に勤めていますが、採算が合わなければ休止するというのが昨今の状況でありまし
て、このままで行けば、日立製作所はいずれ柏レイソルを手放すのではないかという不安に駆られております。そのため球団経営に頑張っていただきたいという
思いがあります。
もう一つは、先ほどから選手強化のことなどをお話しいただいていますけれども、私の不安は、J2には少なくとも落ちて欲しくないということです。絶対
に、今年は絶対にJ2には落ちて欲しくないと思っています。去年までのように、落ちた1年目の強化費(Jリーグ分配金)が落ちた1年目も同様に払われるこ
とがありません。そうすると、今いるメンバーのトップの選手は皆いなくなります。そのような事態は絶対に阻止していただきたい。それが最低限、今年は最大
限の目標のような気がするんですが(会場笑い)、その2点をはっきりと申し上げます。
早野監督にご質問したいのですが、レイソルのここ10年来の戦い方は、1点でもとれれば勝てるというチームだったんですね。5点も6点も常時とれるチー
ムではなかった。ということで、早野監督にお伺いしたいことは2つです。攻めを重点にした戦術をするのか、1点とれれば守れるという守備重視の戦術なの
か、現状の選手を見て、どちらの戦術で戦っていくのかということが一つ。
ふたつ目は、心技体ですね、精神面、技術面、体はフィジカル、スピードと言っていいと思うのですが、どんな選手を試合に起用しようと思っていらっしゃるのかをお聞きしたいと思います。
早野
レポートは読ませていただきました。どんな(戦術で戦う)チームかといえば、これだけ点がとれなくて何を言っているのだと言われればそれまでなんですけ
ど、攻撃的にやってこそ次が開けてくると私は思っていますし、選手にもそう言っています。具体的に言えば、前線にボールが入り、プレッシャーがかかればサ
イドに相手をストレッチして攻めていくという形で選手には伝えています。そして、思い切ったフィニッシュ、クロスボールやシュート、ラストパスといったも
のを勇気を持ってやって欲しいということを常々言っています。チームというものはそういう前向きな姿勢を持たなければなかなか次のステップに行けないと
思っていますし、(結果が伴わないという)環境を変化させるためにもそこを重点的にやっています。ただ、サッカーはそこだけではできませんし、相手がボー
ルを持ったら守らなければなりません。特にDFの選手については攻撃参加をするように指示はしていますが、(DFの)人数を4人かけて攻めるということは
言っていませんし、どちらかと言えば、前の選手が攻撃を勇気を持ってするようにと言っています。
起用する選手については、プロとしてやっている以上、私も育成年代の指導をした経験から、(トップに)出てくる選手はまずテクニックありきだと思っています。心技体の技は備わっていなければならない。
体については、18歳になったとき、プロとしての体が備わっていなければ1年、2年かけて作るということ。マリノスで、中村俊輔選手が2年間毎日筋トレを
していたことも見ています。体力というものは当然プロであれば必要なこと。
最後に、心については、レイソルのユニフォームを着て戦っていくときに、プライドを持って戦うべきだと思っています。ただ、これが全てではないと思いま
す。ウィークリーのトレーニングの中で、選手が、自分のポジションを取りたいんだという思い、最後に人間の強さが出る、粘りとか頑張りという言葉は、心の
中から出てくるものだと思っています。そういった話はしています。
小野寺
Nさん、大変申し訳ございません。入院中ということで、私どもに手紙をいただきまして、厚く御礼申し上げます。
日立製作所の支援については、私どもの非常勤取締役は、日立製作所をはじめ日立グループの方が多いのですが、J2に落ちたら(日立が)撤退するのではな
いかというお話ですけれども、今はそういうことはないと思います。日立製作所の中の人や非常勤取締役と話している限りでは、そういうことはないと思ってい
ます。
質問
柏市在住のIと申します。早野監督は、Jリーグで優勝経験をお持ちの数少ない監督ですが、そのときの横浜マリノスのチーム状況と、現在の柏レイソルの
チーム状況はどのように違うのか、客観的に、NHKで解説をされているときのような形で(場内笑い)ご説明していただきたいと思います。
早野
解説は出来ないと思いますけど(笑い)。
チームによって、そのときどきの状況が変わります。私がマリノスの監督を引き受けたときは、緊急事態という側面が強かった。その状況が、マリノスが(J
リーグ)3年目で、優勝候補と言われながらそれが果たせなかった。チームは外国人監督を起用しましたが、コミュニケーションの問題等もあり、なかなか勝て
なくなっていたという状況でした。ただ、マリノスはその前の10年間、選手を積極的に補強し、JFLで3年3冠という成績も収めたチーム。ベースがあった
ということで、それが立ち直れる大きな要因でした。
レイソルは非常に若い選手が多いチーム。この何年か、苦しみながら戦っているというのが違いだと思っています。しかし、ガンバ大阪で監督をやっていたと
き、稲本や宮本は22歳で既にJリーグに100試合以上出場していた。彼らには、もう若手ではないという話をしたこともあります。レイソルでも、50試合
以上出場している若手選手がおり、50試合の経験が、どこかでその選手の殻を破るはずだと信じていますし、50試合の経験を持つ20歳の選手が、1試合も
出場したことがない20歳の選手と同じであってはいけないと思います。どこかが変われば、その成果は必ず出ます。
ですから、そのチームが持っている歴史や環境がそれぞれ違うというなかで、レイソルについては若い選手の殻を破らせなければならない状況だと思っていま
すし、そのための外国人選手の力というのも借りなければならない状況です。
選手構成という面で、そういった年齢バランスやポジションバランスを一気に変えることができるという状況であれば、フロントもやってくれたと思います
が、選手の獲得には選手の意思もあり、思うとおりにいかないのが現状です。ポジションや年齢のバランスの整理については、現状できる範囲で行っています。
今の話で、NGですか?
質問
若手の多い柏レイソルを、マリノスのような常勝チームにするために、どういった形でやっていきたいのですか。
早野
マリノスも一時期、降格の危機がありました。あの時は若い選手を一気に獲得し、それによって少しパフォーマンスが落ちました。それを打開したときには、
外国人選手や日本人を獲得し、大型補強という投資をしました。ただ、それが全てではない。マリノスの歴史を作ってきた、松田選手や上野選手や遠藤選手、そ
ういった核になる選手が残っていたからこそ、復活につながったと思います。レイソルの中で根幹になる選手、私は明神がやるべきだと思っていますが、そう
いった選手が残っている中で、投資や、若手の育成をしていかなければならないと思います。ユースの選手を入れたり、そういった動きでやっています。
質問
世田谷区のAと申します。お聞きしたいのは、先ほどからお三方のお話をうかがってきて、長期的な評価を考えているということですが、今季3分の1を終え
て17位です。今季は、どのような目標設定を行っているのでしょうか。残留すればいいのか、もっと上を目指したいのか、もしくは、J2に落ちるのもやむな
しと思っているのか。それを小野寺社長にお伺いしたい。
それと、早野監督、昨年の半分の指揮を執り、結果的には最下位でした。そして、今季も現在17位です。今季、J2に落ちたくないのであれば、その自信と根拠はあるのでしょうか。
小野寺
J2には絶対に落ちたくない、J1にずっと留まりたいと思っています。
今年、皆様には開示していませんでしたが、18チームの真ん中以上に行こうと目標を立てました。昨年、入れ替え戦という辛酸をなめ、段階を踏んで上を目
指そうということで、18チーム中9位以内を目指すという方針でスタートしました。
質問
最初の目標設定ではなく、現状を踏まえてのお話をお伺いしたい。
小野寺
今17位ですが、中位のチームとの勝ち点差はそれほど開いていない。当初の目標どおり、9位以内を目指して戦っていきます。
早野
「何をすればいい」ということではないと思っています。残留を絶対しなければならないというのは最低限です。目標は中位ですが、決めた以上は、そこを目
指していくということです。貪欲に行きたいという気持ちはあります。
チームを向上させる根拠については、負けてしまえば全てなし、オール・オア・ナッシングということであればこの話は不必要になってしまいます。しかし、
得点チャンスをつくりながらゲットすることが出来ないような状況のところに、補強をお願いしていることであり、そこを打開できれば、これまで引き分けてい
た試合を勝てる機会も増えると感じています。いかがでしょうか。
質問
納得はできませんが、わかりました。
質問
白井のUと申します。新人の獲得について、3年前の深井選手、2年前のカレン・ロバート選手、そして去年の狩野選手と、絶対レイソルに来ると思っていた
選手が次々に(他クラブに)獲られてしまう。こうなると、補強を考えていると言われても、スカウトの方の能力がないんじゃないかと思ってしまいます。スカ
ウトの人選とか、スキルアップをしたほうがいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
菅又
確かに今名前が出た選手は獲得できませんでしたが、昨年は現在U−20代表に選ばれている小林祐三、今年は大学ベストDFにも選ばれた小林亮、鈴木達也といった有望な選手を獲得しています。
確かに、有望な選手にはいろいろなクラブの獲得競争があります。われわれとしては、そこに少しでも入ろうという意識でやってきて、最終的には、選手個人
が選ぶということです。有望な選手を逃しているということもございますが、努力している過程というものは、他のクラブに負けないスカウト力を持っていると
いう認識です。当然のことながら、満足しているわけではございません。さらにいろいろな情報を得ながら、努力をしていきます。現在も、スカウト担当が汗水
たらし、休みもなくいろいろな形で努力していることをご理解いただきたいと思います。
質問
船橋市から来ました、Tと申します。
仕事の関係で今年は4回しか観戦していませんが、その4回とも敗戦でした。走魂宣言という割には走り負けることが多い。ポジションが固まっているように
も見えます。ボールが繋がっていないことが多い。その辺りはどういう風に改善されるのか。この後、インターバルがあって、7月、8月以降大攻勢をかけなけ
れば降格圏内を脱出できないと思う。具体的に早野監督は、これを改善することが出来るのか、それをお聞きしたい。
早野
出来ないとは答えられない。出来ると思っています。走り負けてしまうということの内容が、実際の運動量なのか、個人のスピードなのか、いろいろな意味が
あると思います。スピードについては、レッズのエメルソン選手など、速い選手に比べれば若干劣っている部分があると思います。運動量については、計ること
はできませんし、「勝る」ということには、走るタイミングなどいろいろあると思います。実際にご覧になって、後手を踏んでいるシーンがあれば、走り負けて
いると印象を持たれているかと思います。それを変えるためには、守備でも攻撃でも、「自分たちから動き出す」ということがありますので、トレーニングでも
やっているつもりです。効果が出ないということは、基本的な部分を細かくチェックしていますが、なおそれをやっていく、選手にも要求していきます。選手の
ヒアリングも行って、私の考え方を伝えることは日々行っています。選手の感覚をもっと変えていくことも私の仕事です。それはトレーニングで変えていける部
分だと思っていますので、私は常にそこに全力を尽くしてやっています。
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