「ばあさん」
月曜日は雨
急に気温が下がって肌寒かった
こんな日は無性に「シチュー」が食べたくなる
小学生の頃から・・・なぜか そんな風に思う
「おふくろ」のは「クリーム」
「僕」が作るのは「ビーフ」が多い
「サラダ」 「ビーフシチュー」
「アスパラ・トマト・なすドリア」 「オクラ・かぶ・きのこポトフ」
ゆっくりな時間の休日
ソファーに寝転んで本を開くと
「はな」と「ひな」は「僕」の上で眠りだした
そのまま・・・ずいぶん・・・ページからページへと
どのくらい経ったのか? 我が家のリビングには時計がない
外の雰囲気はお昼過ぎ 気付けば雨は止んでいた
「さてと、散歩にでも行こうか?」
突然の提案に少し躊躇したけれど
伸びを数回してから 小刻みに尻尾を振った「ふたり」
出発して直ぐに
冷たい空気が「スゥ~」っと
薄着で出てきたことを後悔しながら そのまま歩いた
住宅街と空き地をフラフラ
通りすがりの「ばあさん」は
「ヒゲ面の僕」を「不審人物」と断定 凝視してた
気にせず進むと「たんぽぽの綿帽子」
おもむろにデジカメを用意
写真を撮り終え 顔を上げても
まだまだ警戒心を緩める気配はない
「選手」にも見せたかった
あの「ばあさん」の眼光の鋭さ
若さ 男性 これらを考慮すれば
明らかに肉体的には「僕」の方が優位
しかし それを遥かに上回る気迫がそこにはあった
「たんぽぽの綿帽子」
吹いた風に 一体どこまで飛ばされるのだろうか?
その内 幾つが 根を張って 芽を出して 花を咲かせることとなるのか?
日曜日の国立
「主力選手」のケガ
そして「ばあさん」と「たんぽぽ」
「選手」だったら なに思う
「はな!ひな!そろそろ帰ろうか?」
大粒の雨がまた降り出した
運営グループ 辻上