「親父の気持ち」
「いい雰囲気ですね~」
「そうだろう、オレの地元だからな!」
「あの家が実家ですか?」
「そんなわけないだろ・・・もっと街の方だよ!」
「冗談ですよ、ちょっと車を止めてください・・・カメラの出番です」
得意げに故郷を案内しているのは、僕の上司の松元さん。
懐かしい話は尽きないようで、ずいぶん長い間・・・聞き役に徹してた。
「松元さん、親父さんがいますよ!」
「どこ?」
「あそこですよ・・・田んぼの真ん中」
「お前~、親父が聞いたら怒るぞ~~!!」
そんな冗談を言いながら
まずはコンビニで酒と酒の肴を買いこむ。
「親父、楽しみにしてんだよ・・・一緒に飲むの」
「すごいっすね~、親父さん・・・ペース速すぎますよ」
「辻上さん、もっと飲まないと、男だったらどんどん飲まないとダメだ!」
ちょっと・・・初対面ですよ・・・完全に圧倒されてしまった。
「ところで・・・なんでJ2だとNHKは結果しか教えないだ?」
「そうですよね、映像がほしいですよね!」
「今度、NHKの部長に言っといてやるから!!」
部長って誰だろ?って思いながら・・・「よろしくお願いします」って言うしかなかった。
どのくらい飲んだだろうか?
僕も「松元家」の雰囲気に馴染んでいたんだと思う。
「親父さん」が人生感を語り始めだした。
それは「息子」を想い、心配し、だからこそ出てくる言葉なんだと、感じた。
それはとても心地よく・・・幸せが湧いてくるような。
そんな不思議な感覚が残っていた。
久しぶりに自分の「親父」に会いたくなった。
先月で60歳になった・・・誕生日に連絡もしなかったな~
年とるのは嬉しくないかもしれないけど。。。
こんなこと想う自分が不思議だ。
松元さんの故郷は不思議な力を持ってるのかも?
「なんで草なの?」
松元さんの故郷はやっぱり不思議だ。
運営担当 辻上