このブログを開いている方の中には、先週末のプレミアリーグ、レディング対チェルシーの試合をご覧になった方がいらっしゃるかと思います。
もしくは、週末のスポーツニュースなどで、試合の映像を目の当たりにした方もいらっしゃるでしょう。
GK、そして、私たちGKコーチにとって、非常にショッキングな試合となりました。
試合に先発出場していたチェルシーのチェフが、相手選手の膝が顔面に入ったことによって頭蓋骨骨折の重傷を負い、すぐに病院に運ばれ、緊急手術となったのです。
さらには、チェフの負傷退場により出場したクディチーニ(イタリア)までもが、相手との空中での接触後に地面に頭部を強打し、意識不明で負傷退場となってなってしまったのです。
映像を見た際、思わず顔を手で覆ってしまうほどのシーンでした。
そして、今日の朝、チャンピオンズリーグ、チェルシー対バルセロナの試合がありました。
今節、最大の好カードでしたので、ついつい朝早めに起きて、少し寝ぼけながら観てしまいました。
この試合でチェルシーのゴールマウスを守ったのは、ポルトガル人のイラリオ(30歳)でした。
いつもは第3GKである彼が、このような大舞台でどのようなプレーをするのかに注目して、試合を観ていました。
そして、彼は持っている力をしっかりと発揮し、チームの勝利に貢献していました。
バックパスの処理では、多少、落ち着きのなさもありましたが・・・。
チームの第3GKが試合に絡むことは、通常、ほとんどないと言えます。
それにもまして、このような大舞台での出場が突如としてやってきた。
しかし、その舞台でも彼は十分力を発揮した。
これは、やはり普段からしっかりとした準備を行ってきた成果と言えるのではないでしょうか。
GKというポジションは、ほとんど選手が入れ替わらないポジションと言えます。
そういった中で、第2GKはレギュラーGKが試合で負傷退場したときに対応できる、もしくは、レギュラーGKのプレーの状態が良くないときには代わりに試合に出場し、力を発揮することが求められます。
第3GKはもっと難しいといえます。
試合出場のチャンスがやってくることは、ほとんど無しに等しいと言え、やってきても控えGKとしてベンチに入ることがあるかないか。
まあ、若いGKは、上を目指し、常に自分のプレーを向上させるために努力を続ける必要があると言えますが。
このように、チーム内でのそれぞれの役割があるのです。
その役割を果たすためには、普段からの良い準備が絶対に必要です。
日頃からの積み重ねですね。
余談になりますが、4年前の夏のクラブユースU-18での出来事でした。
大会には4人のGKを登録していましたが、実際の大会に帯同させたGKは3人でした。
予選リーグ1試合目、3年生GKが試合に出場し、2年生GKが控え、もう一人のGKがベンチ外という状況でした。
しかし、その予選リーグ1試合目を終わった夜、試合に出場したGKが風邪で寝込んでしまったのです。
そのため、次の日に行われた試合には、前日控えであったGKが出場し、もう一人が控え選手となりました。
これで済めば問題なかったのですが・・・。
2試合目の次の休息日、2試合目にベンチに入った控えGKがまたしても風邪で倒れてしまったのです。
3試合目の試合の控えGKをどうするか。
最終的には、柏に残っていた第4GKをJヴィレッジに呼び、試合のベンチに入れることとなったのです。
この事件については、選手の体調管理という面で私たちスタッフの責任が大きいわけですが。
私はこの事件で、GKを同じ部屋にすべきではないということを学びました(笑)。
ダラダラと書いてしまいましたが、チームにおいては、それぞれの立場、役割というものがあるということ、そして、その役割を果たすために日頃から準備する必要があるということを再認識しました。
今回は、GKのケースを挙げましたが、これはそれぞれの組織、グループでも共通することでないでしょうか。
選手たちには、将来、様々な分野で、どのような立場でも力を発揮する人間に育って欲しいと願っています。
それでは、チャオ!!
GKコーチ 佐々木理