感覚。音の無い音
感覚。
自分がまだプレーヤーだった時とても大切にしていたモノです。
感覚といっても
蹴る感覚
止める感覚
地面を足で捉える感覚
など色々とあると思います。
そんな中最近、不思議に感じた事がありました。
先日、ルヴァンカップ、ホームでのジュビロ磐田戦のジュビロさんのウォーミングアップを運良くグラウンドの10メートルも離れていない場所で見る機会がありました。
もちろんウォーミングアップの時ですから両チームのサポーターの大声援がある中でのウォーミングアップです。
コーチが額に汗をかきながら恐らくかなりの大声を出して選手に指示を出していました。
僕はピッチから近いところに居ましたがコーチの言っている言葉は声援や周囲の音に消され一言も聞こえませんでした。
しかし選手の方達はすぐにコーチの声に反応しステップを変えたり身体の動きを変えていたのです。
ピッチの中は様々な音がしているはずなのにそこでウォーミングアップをしている選手とコーチしか存在していないかのような反応の速さで
ウォーミングアップをする選手たち。
試合中も同じで、さらに声援が増す中でレイソルの選手もジュビロの選手もお互いの声を聴きスムーズにプレーを進めています。
自分自身もプレーをしていた時、日立台程の大声援の中でプレーをした事はありませんが声援のある中でプレーをした事があります。
声援は聴こえるのですがそれよりも鮮明に味方の声、足音、息遣いが聴こえている
そんな状態でプレーしていると味方の声は最終確認であって声が聞こえている頃にはお互いやりたい事が分かり合い行動に移っていました。
不思議な感覚ですがこの音の無い音を聴いているような感覚はとても心地良くてとても楽しいのを覚えています。
どうやってこの感覚に辿り着いたかは正直なところ答えはたくさんあるような気がしてわかりませんが一つ言えるのは
同じ場所で同じ時間に練習や試合をし、同じところを目指して自分、味方、ボール、チームを大切にし続ける事は間違いなく最高の感覚に近づく方法だと思っています。
少しでも研ぎ澄まされた音の無い音を聴ける感覚を伝えられるように自分自身をさらに研ぎ澄ましたいと思います。
かわさき りょう