2011年9月29日

サッカーで笑顔を取り戻そう。

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担当:前嶋

こんにちは。
先日、スクールのスタッフが、被災地でサッカーが出来ないため石巻湊FCからの依頼を受け、彼らにスクールを行いました。
天然芝でサッカーをすることや、目の前でスタジアムを見れたことに、子供たちはとても喜んでいたようです。

また先日、東日本大震災から半年が経ったというニュースを見かけました。
記憶は薄れていくもので、体に染み付いていたようなあの日の恐怖や、節電や計画停電、帰宅困難者のニュースなどは、半年経った今では過去のことのように感じてしまっている時もあります。

今回のサッカースクールの活動で被災地の現状を、送ってくださった写真を見て理解することができました。
とてもサッカーができるような環境にない、瓦礫置き場となっている小学校のグランドや、未だに塞がれたままの道路、半年間の時間で薄れかけた記憶が蘇えるものでした。

そんな中、皆様の記憶にも新しいニュースに衝撃を受けました。
ACLで"大震災をお祝いします"という横断幕が掲げられたというものです。
その前には、ヨーロッパのスタンドから"フクシマ"コールが起こり、選手を罵る行為が起きたことも、ご存知の事かと思います。
スタジアムのスタンドでは、チームが試合に勝つための応援方法は様々で、仲間の後押しをしてくれることもあれば、当然相手を罵り、煽り、そんな方法でチームを応援することもあるとは思います。
常識のエリアを誰もが守ることができれば、そんな健全な環境はないと思います。
悲しく想う事も多く起こりますが、その中で歓喜し、悔しがるのがサッカーの醍醐味のひとつであり、こんな悲しい一面があることもまたサッカーなのかもしれません。

日本は、世界の歴史に残る大きな自然災害を経験し、私達は人として、サッカー人として、サッカークラブとして、自分達にできることを被災地のためにやっていこうと話しました。
サッカーは人を助ける力になると信じて、レイソルの選手達は今自分がサッカー選手として育つことができる環境に感謝して、活動を行っています。
その日本が罵られ、悲しんで苦しんだ人達の気持ちを軽く使われたことは、私達としても苦しくてたまりません。

日本はこの世界的な大災害から、少しずつ少しずつ復興に向けて進んでいます。
世界で罵られようが、煽られようが、その中で、日本各地で、小さな力を合わせて被災地にパワーを送ろうとしています。
サッカースクールに送られてきた感謝状を読んで、子供達の笑顔が想像できました。
悲しいニュースや世界で起こる非常識な煽りを起こしているのもまたサッカーなのですが、サッカーの力を信じて、今回の子供達が笑ってくれたように、そんな活動を続けていくしかありません。

大震災の薄れてきた記憶を一気に取り戻した世界のニュースで、悲しい想いでいっぱいでしたが、サッカースクールが与えてくれた感謝と笑顔はそれを越えるものを私達に与えてくれた気がしました。

薄れていってしまう記憶を忘れることなく、今でも頑張って生活している人たちのために、まだまだ僕達ができることはたくさんあるのではないかと感じたニュースでした。
きっと過去に経験したことない恐怖を味わって、笑うことができなかったり、笑うことを忘れてしまうような経験をした人達が、私達の考える以上に今の日本にはいるんです。
力をあわせて、サッカーの力を信じて、一人でも多くの人が笑顔を取り戻してくれたらと願います。

記憶は薄れてしまいます。
それでももっともっと日本に笑顔が戻ってくるように、
この記憶を失くすことなく、みんなで一歩一歩進んでいきましょう。