2012年2月 9日

競演

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担当:松本

トップチームは1ヶ月程度のオフ期間も明け、柏での「キャンプ」も明日で終了。
明後日からはグアムに移動し、猛暑の中、これからのシーズンに向けて過酷な
トレーニングをすることでしょう。

「7.32m×2.44m」

・・・これは何かお分かりでしょうか?
これは、ゴールのサイズです。

チームの活動が始まる2月1日までの期間、僕はある選手の自主トレーニング
を2週間手伝いました。彼との練習で、勿論トレーニングをしているのですが、
「数学」をしている錯覚に生まれて初めて陥りました。「7.32m×2.44m」というゴール
を守る為にどんな飛び方をし、どんな腕の出し方をし、どこに着地して・・・と、そこに
距離を測る物はありませんが、「7.32m×2.44m」と相談をして決めている、そんな
錯覚に陥り、そこに彼の持つ「プロフェッショナル」な姿勢がプラスされ、とても有意義
かつ不思議な時間を過ごす事が出来ました。

僕は、彼の言葉ですごく好きなフレーズがあります。

「今週も良い準備が出来ました。明日の試合が楽しみです」

こんな30年程度しか生きていない僕が言える事ではまだありませんが、人生は
後悔の連続だと思います。しかし、彼は文字通り自分が出来る「良い準備」を
行い、その過程における「これもやっておけば良かった」を無くす。だから、後悔を
あまり経験していないのではないか?と思います。聞いた訳では無いですが。

実は僕も、後悔をしていない「負けた試合」を、昨年初めて経験しました。
U18日本クラブユース選手権準決勝の、対東京V戦です。僕にとっては、11年間
指導者をさせていただいていて初めて、自分の納得が出来る形での、選手と気持ちを
共有できた唯一の試合であり、チームが勝利する為に、本当に自分自身納得がいく
サポートをこなし、全てのエネルギーをこの勝利の為に注いだ試合でした。
結果は1?3で敗北してしまいましたが、試合終了後に泣き崩れるレイソルの選手の
傍らで、地面に手を当てて吐いてしまっている相手選手を観た瞬間、「なんて気持ちが
良い負けなのか?」と、本当に柏レイソルに関わる方には申し訳ありませんが、清清しい
気持ちになってしまったのです。

それ以来、僕は毎日、毎時間、サッカーに関してだけは、悔いの残らない時間の
過ごし方を心がけ、今も毎日手を抜くことなく全力でサッカーにエネルギーを
注いでいます。

毎日「今日も悔いの無い良い一日を過ごせました!」そういって毎日を生きていきたい。

彼と過ごした時間により、この男の持つ「サッカーにかける想い」を肌で感じました。
今シーズン、どんなドラマが待っているか?今年は特に待ち遠しい。

昨年は、ポストに指を指したあのシーンが、何度観てもたまりません。

レイソルの勝利、彼のプレーも勿論そうですが、時より見せる「7.32m×2.44m」
との競演。

その時に見せる彼の「表情」が今年は一層楽しみで仕方ありません。

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