2013年6月 6日

表舞台

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16年前岡野選手がゴールを決めた瞬間、あれは確か夜遅く、窓を開けて大声を出し、
サッカーに興味が無かった父親からげんこつを食らった。

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工藤は、今シーズンの活躍が認められて日本代表初選出。しかし、普段と全く
変わることなく、常に自分のプレーに黙々とみがきをかける。
日本代表の舞台。それは特別な舞台であろうが、彼にとっての表舞台とは、
一体どこなんだろうか?

それはきっと、毎日の「ピッチ上」であろう。

ある時、守護神が言いました。
「俺は、プロに行ったら絶対にやれる自信があった。だから、その為に何として
でも、どこでも良いから、J1かJ2の舞台でやる必要があった」そして、あるJ2の
チームに入り初年度から試合に出場。「監督が外人だったっていうのもデカかった
ですけど、その舞台にいなければ何にも始まらなかった訳ですから」
その後彼は、Jリーグで新人王を獲得し、柏に移籍してきて、今に至る。

人それぞれ目標もあるし、サッカー選手ならば誰だってその国の代表選手に
憧れを抱く。しかし、工藤は一日にして代表選手になった訳ではなく、毎日ある舞台
で、毎日の努力によりつかんだモノである。

表舞台は、ユニフォームの色では変わらない。
自分の立っている毎日のピッチこそが最高の表舞台。だから、
きっと浮かれることもないのだろう。


さて、トップチーム昇格を目指すアカデミーの選手たち。
彼らの表舞台とは一体どこなんだろうか?

昨日、こんな事があった。
U-18のFWの選手が、ゴール前で後方に絶妙なパス。タイミングも良かった為に、
後方にいた選手からすれば、これ以上ないボールが来たことになる。
今年の10番は、人を使うのが非常に得意だ。

しかし、

後方の選手がシュートし、相手に当たって彼の元にボールが戻ってきたら。
後方の選手がパスを選択し、彼にパスをだそうとしたら。
彼は、動き直す事をせずに、オフサイドになっていたし、パスを受けても次の
選択肢がなかっただろう。

工藤はユース時代、常にGKのファンブルを狙っていたし、常に相手と駆け引きをし、
何度も動き直しをしてはボールを受ける準備をしていた。それは今も変わること
がなく、既に習慣と化している。

ピッチに立つこと。ピッチ上は、最高の表舞台だ。
天然芝だろうと人工芝であろうと、土だろうと関係ない。33歳のおじさんは、
もうピッチに立つことは出来ない。横で口出しをする事しか出来ないのだ。

目標や憧れを持つことは非常に大事。そこにいくまでに、今立っている最高の
舞台で、毎日自分のプレー磨きをかけること。サッカーを突き詰めること。
そこにピッチがある限り、そこが自分が輝く最高の舞台となる。

今日、誰も居なくなったこの最高の表舞台で、赤井トレーナーと黙々とリハビリを
こなしていた選手がいた。ようやく、緑の舞台に戻ってきた。
ボールをつかむこともまだ出来ないけど、この表舞台で練習できるようになった
彼は、非常に爽やかであった。
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担当:松本