2006年10月19日

無題

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本日の担当:横井孝佳

フランサ選手が負傷したのは、昨日のトレーニングでした。左腿裏の肉離れだそうです。幸いに症状は軽いとのことです。皆さんに事前にお伝えできなかったことをお許しください。

フランサ選手の負傷を公にしなかったがゆえに、これからお話しするエピソードもお伝えできませんでした。本当は、昨日のラジオでも広報日記でも、声を大にして言いたくて、もどかしい思いをしました。今日の試合に勝って、勝利の裏にこんなエピソードがあったんですよ、とこの日記に記したかったのですが。ディエゴ選手のことです。

昨日、フランサ選手の負傷が判明したのは、チームが松山へ出発する直前。急きょ谷澤選手がメンバー入りし、あわただしく準備をしていました。そんなとき、ディエゴ選手がこう言ったそうです。公文通訳から聞いたことです。
「俺が行く。ケガなら大丈夫だ。愛媛に行かせてくれ。監督に直談判してくる」と。
ディエゴは公文通訳の前で階段を上り下りし、「大丈夫だから!大丈夫だから!」と繰り返したそうです。しかしいかな強靱な肉体の持ち主とはいえ、全治2?3週間と診断された捻挫がたった2日で回復するはずもなく、ドクターストップがかかって柏残留が決定。石さんも、バスが出発する直前まで、愛媛に行くと主張するディエゴを説得していました。


この広報日記はモバイルが始まって以来、選手たちも読んでくれているようですから、あえてここに書きます。

今日の試合、僕は悔しくてたまらない。これまで何度も一敗地にまみれ、その度に悔しい思いをしてきたけど、今日は格段に悔しい。
なぜか。3失点を喫して大敗したからじゃない。愛媛に気持ちの上で負けていたのが何より悔しい。

僕たちの、「J1へ上がりたい」という思いは、愛媛の選手たちの勝利への意欲に劣るものなのか? そんなはずあるわけがない。あの地獄の鹿児島キャンプからこれまで、昇格だけを目指して、一致団結して、クラブ一丸となって突っ走ってきて、それで今日の試合の重要性をわかってないはずがないだろう。
ディエゴが見せたこの試合への執念、みんなも同様に持っていたはずだ。それを90分間、ピッチの上ですっからかんになるまで出し尽くして欲しかった。みんなは選ばれし戦士なんだよ。表現者である君たちに、僕らスタッフは、サポーターは、思いを託すことしかできないんだ。かけがえのない時間とお金を費やして松山まで来てくれたサポーターたち、そしてそれぞれの場所からレイソルの勝利を願ってくれたサポーターたちの気持ちを、みんなが理解していないはずがない。

それを受け止める覚悟があるなら、言い訳は出来ないはずだ。スタジアムの照明が点灯するのが遅く、ウォーミングアップが遅れた。でも条件は相手も同じ。イーブンであるはずの愛媛のほうが、気持ちの上で上回っていたのは、誰の目にも明らかだと思う。

幸い、あと6試合ある。あと6試合しかないけど、まだ6試合もある。まだまだ挽回できる。明日からはもう、こんな苦言めいたことは言わない。僕たちスタッフも、みんなと一丸になって戦う。12月2日までの残り1ヶ月半、J1昇格だけを見据えてともに戦おう。死ぬ間際に、「2006年の11月ごろは、人生で一番熱かったな」と思い返すほどに、気持ちを燃やし尽くそう。今年のこのチームで、最高の喜びを分かち合おう。僕たちがついてる。