2018年2月14日

ACL全北戦

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担当:大重正人

前半と後半で、スコアが示すように、まったく違う試合になりました。全北が前線からの圧力を強め、最終ラインが高くなる背後へ、レイソルが誇る快速かつパワフルなアタッカーを走らせます。ハモン選手やクリスティアーノ選手がよーいどんの走り合い、競り合いを制し、起点を作りました。レイソルが前半に奪った2点は両方とも左サイドが起点でした。1点目はハモンロングボールに飛び出したGKよりも先にキープすると、そのまま無人のゴールへ流し込みます。2点目も裏のスペースでボールを収め、クリスのうまい股抜きパスからハモンが右足シュート!GKが弾いたところを江坂選手がプッシュ、待望のレイソル初ゴールがこの大舞台で決まります。

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全北の攻撃は、やはり予想通り196cmのキムシンウク選手が入口。シンプルなクロスやロングボール、普通ならヘディングで処理するようなボールを胸でトラップし、収めてしまうのですから一筋縄ではいきません。それでも身体をぶつけ、また長いボールを跳ね返したあとのセカンドボールを中盤がしっかり拾い続け、ピンチはありながらも、2点のリードを守ったまま、理想的な展開で後半を迎えます。

この試合に向けて、並々ならぬ思いを持って挑んできた、全北のチェガンヒ監督は当然手を打ってきました。レイソルが再三チャンスを作っていたところの右サイドバックをチェンジし、そして前線には、全北、そして韓国のレジェンド、イドングッ選手を投入し、2トップにしてレイソルの最終ラインに圧力をかけてきました。

(大谷選手)「前半は高いFWがキムシンウク一人で、ラインコントロールで何とか対応できていたが、後半からイドングが入って、相手が前線に高い選手を2枚並べてきた。2人とも懐があって、深みを作られ、ラインを下げさせられてしまった」

そして前半にはあまり見られなかったドリブルの仕掛けが増え、レイソルが4人4人の2ラインで組織的に守りたいところを切り崩され、中央を固めれば、サイドが空いて、危険なクロス。コーナーキックやファウルからのセットプレーでゴールを割られ、2-2の同点となります。もちろん2点をリードする絶対的な状況で勝利や勝ち点3は離したくないところでしたが、それでも全北が相手なら取り返される状況も有り得ることでした。だからこそ大谷選手が言うように「アウェイで2点先制できただけに、最低でも引き分けで終わらなければいけない試合」でした。相手に3ポイントをやらないこと。6試合のグループリーグを考えれば、これだけは守らなければいけないところでしたが、イドングッ選手のスーパーゴールの前に苦杯を喫しました。

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後半立ち上がりからの苦しい状況を小泉選手が中盤に入ってニュートラルな状況に戻しつつあるところ、相手がリスクを冒して前進する裏にはカウンターの糸口がありありと見え、何度かビッグチャンスがあったものの、ここで息の根を止められなかったことも敗因のひとつに挙げられるでしょう。2015年のホーム戦、イドングッ選手のスーパーな活躍で3-0から1点差まで詰め寄られたことを思い出しましたが、あの時は前半のうちに3点目を奪っていました。3点目の追加点があるかないかで、3年前と今回で勝負は大きく左右されました。

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負けてしまった中ではありますが、それでも前述の小泉選手だけでなく、江坂選手の初ゴールがあり、亀川選手は身体を張った守備を見せ、パクジョンス選手もピッチに立ちました。新しい戦力がこうしてチーム内で存在感を見せ始めており、グループリーグが残り5試合あるなかで「この全北戦の反省や教訓を生かす」試合や局面がこのあと必ずあるはずです。この痛恨の敗北から、何を見出し、何を変えて、自分の強みにしていくか。まずは来週、ホーム日立台で天津戦、今日の傑志戦で3-0で勝利した首位チームです。独走を許さないためにも勝ち点3がマストの状況になりました。絶対に負けられません。

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