2018年3月15日

ACL傑志戦

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担当:大重正人

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香港での初めてのゲーム。本当に多くのサポーターの皆さんが空を飛んで、駆けつけてくれました。黄色に染まったスタンドから、試合の6分の5を10人で戦うという苦しい苦しい試合にもかかわらず、そんな苦境だからこそ、より大きな応援で、祈るような気持ちでサポートをいただいた試合でした。しかし、引き分けという結果すら逃してしまい、本当に申し訳なく思います。記者会見場の隣が傑志のロッカールームで、監督会見の最中、ずっと歓喜に沸く声が響いていました。サポーターの皆さんと同様にメディアの方にも屈辱的で、辛く、悔しい思いをさせてしまいました。

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前半15分、レイソルの最終ラインで事故が起こりました。右サイドバックに入った亀川選手がGKへバックパスしようとする瞬間を狙われます。ただクリアしようと足を振ろうとした瞬間に相手と交錯し、抜け出しかけた相手が転倒。ホイッスルが鳴り、レフェリーから差し出されたカードはレッド。ファウルしようとしたプレーでないのは映像を見ればわかりますし、せめてイエローではという声は現地の方からもありましたが、得点機会阻止とみなされても仕方のない状況で会ったのも事実です。今日が29歳の誕生日だった山崎選手を泣く泣く下げ、小池選手を投入し、残りの時間を戦う準備を整えました。

10対11の状況でしたが、ボール保持やチャンスの数は、一人少ないとは思えないほど、レイソルの方が作り出していました。「一人足らない分は、皆で11人分走ればいい」とよく聞きますが、口に出して言うほど全く簡単ではなく、大変なタスクです。ただ今日のチームはそれができていたように見えました。一人一人が本当によく走っていました。特に栗澤選手と小池選手の走量は本当にすごかったと思います。人が足らないところへ懸命に足を運び、チャンスになれば前線へ、ピンチになれば懸命に帰陣。大型選手との競り合いでクリは何度も足を痛めていましたが、グッとこらえて次のプレーに備える姿が目に焼き付いています。

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今日はメンバーが大きく入れ替わり、先発のチャンスを久々につかんだ選手が多くいました。クリだけでなく、キリもそうでした。日頃の練習では出場をめざして懸命にトレーニングに取り組み、そして試合となれば、自分よりもチームを優先し、ベンチから大きな声を出し、若い選手を励まし、時にはアドバイスを送り、何よりもレイソルの勝利のために戦ってくれています。先日無念の負傷離脱となったジロー、このところリーグ戦で出場を続けているハジもそうです。試合に出るチャンスを得た時に、しっかりと力を発揮してくれます。

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だからこそ、今日は勝たせてあげたい、勝ってほしいという思いでいっぱいでした。勝って一緒に喜びたかった。彼らが長年トップリーグでプレーできているのは、プレーはもちろん、こうしたチームや勝利への姿勢があるからです。今の若い選手、レイソルから期限付き移籍している選手には、どうか彼らのようなチームのためになれる選手になってほしいと思います。

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10人でありながら、まるで11人いるかのように奮闘していた選手たち。ただ、攻め込んでいながら、どうしてもゴールを割れない状況も変わりなかったように思います。前線には、クリス、ハモン、伊東と、他クラブから恐れられるリーグ屈指のアタッカーがいます。スピード、ドリブル、パワーなど圧倒的な力をもってしても、それがゴールに多く結びついていない近況があります。もちろんシュートの精度という個人の大きな要素がありますが、いくら個人のポテンシャルがあってもそれだけ何点も取るというのは簡単ではありません。彼らの個の力をより引き出すようなやり方をさらに模索し、進化しなければいけない時期に来ているのかもしれません。

今日の敗戦で、グループステージ突破にはあとがなくなりました。2連勝が必須で、そのうえで相手の結果待ちという状況に追い込まれました。でも、可能性は残っています。

[第5節]柏が全北に勝ち、天津が傑志に勝利。
天津10、全北9、柏7、傑志3
[第6節]柏が天津に勝ち、全北が傑志に勝利。
全北12、柏10、天津10、傑志3

もしこうなれば、勝ち点10で並んだ2位の座は、直接対決で天津を上回るレイソルになります。4月4日のホーム全北戦、生き残るか討ち死にするか、サバイバルマッチです。今日の奮闘、走る、戦う、球際で負けない、そういったところをしっかりやり切ること。連勝できれば、十分突破できる状況です。3年ぶりのアジア、ようやく手にした舞台を諦めるにはまだ早すぎます。信じて戦いたいと思います。