2018年4月19日

ACL天津戦

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加

担当:大重正人

4度目のACL挑戦は、2-3の敗戦で終わりました。前半途中で2点のビハインドを負い、スタジアムの後押しを受けた天津のさらなるゴールを浴びせられそうな雰囲気のなか、2階席の上段スタンドから懸命に声を送り続けたサポーターの後押しを受けて、心折れず、二度もゴールを返し、最後まで何とかゴールへ、勝利へと試合を動かそうと懸命に走った選手たちのプレーや気持ちは十分に伝わるものがありました。しかし敗戦は敗戦です。1-2にしてからの時間は、十分逆転できそうな雰囲気や勢いがありました。しかし踏ん張らなければいけないところでの失点。サイドからのシンプルなクロスから喫した3失点を防がないことには、絶対に勝利も上位進出もありません。1勝1分4敗という成績が示すとおり、勝ち抜くための準備も力も足りなかったと言わざるを得ない結果です。

今日の試合だけを見れば、ボコボコのピッチの上でいつものように丁寧にビルドアップすることよりも、手数をかけずに大きな展開で攻め込むことを選び、そして前線からのプレスや球際での争いにも果敢に挑み、アグレッシブな戦いを90分続けました。ワイドに開いた今井選手、そしてプロ初先発の宮本選手へボールを運び、積極的なしかけからチャンスを作りました。1点目は小泉選手の果敢なカウンタードリブルから生まれ、2点目はそれまでペナルティエリアでチャンスを何度も狙い続けていた瀬川選手にとって待望のレイソル初ゴールでした。去年8月以来の復帰戦、手塚選手の美しい左サイドへのフィードは今後への完全復活へ大きな期待感を抱かせるものでした。

180418_kei.jpg

180418_segawa.jpg

180418_toshi.jpg

180418_kohei.jpg

180418_sp.jpg

180418_kuri.jpg

ACLを経験できた。次に生かせばいい。しかし「それでは遅い」と言い切る選手もいます。栗澤選手です。ACLは何かを経験する場所ではなく、それまでに日頃から鍛錬し、厳しく要求しあって準備してきたことを100%以上出し切ってようやく勝負になる舞台。練習から試合に出るための激しい競争や厳しさのなかで、選ばれた選手が試合に出場する。「俺やタニだけでなく、ベテランも若手も関係なく、全員がそういう意識や厳しさを持ってやらないと、ACLを勝ち抜くのは相当難しいと思う」。レイソルはACLに強い、だから今回のグループも突破できる。私自身も心のどこかでそう信じていたふしがあったかもしれません。しかしチームとして過去3回、グループステージを突破していたからといって、今回も勝ち抜ける保障などまったくありません。そうした経験や財産があっても、次世代へつないでいかなければいずれは薄まり、消えてなくなります。

今回戦った3チームを破り、そして勝ち進んで優勝をつかむには、相手を圧倒するようなさらなる攻撃力のアップ、高く強いフォワードを跳ね返す守備力、韓国や中国人選手たちのスピードやパワーを覆すだけのフィジカルだったり、当然サッカー自体を極めなければいけない、、、いろいろなものがもっともっと必要です。そうしたものを身に付けるために、今のレイソルに与えられているのはJリーグでの戦いと、そこに向けた地道な毎日の積み重ねしかありません。ACLに出ることが目標ではなく、勝つために日頃から何をすべきか。一人一人が変わっていかなければいけない。あらためて突き付けられました。