鬼軍曹と天才児
担当:大重正人
今日は、家を出るとき、明らかにジャケットがいらなくなりそうな五月晴れ。すこし自転車をこげば、すぐに汗が滲んでくる。そんな火曜日でした。一般紙とスポーツ紙10紙以上を小脇に抱えて、事務所へ。レイソル関連の記事を隅から隅まで探して、コピーをとり、記事の部分だけをはさみを切り取り、スクラップして、関連各所へファックスする。
記事を切り取り、さあ、のりで貼り付けていこうというときに、選手がメインスタンド兼事務所の方へ集まり始めました。試合と試合の間に行われるビデオミーティング。普段は記者会見場となる一室の後ろに滑り込みます。ミーティングの前、壇上の石崎監督が、おもむろに「エイジ!!」と叫びながら、何かを投げつけます。公文通訳が何かをキャッチしますが、すぐに「なんすか、コレ!!」と投げ捨てる。たぶん虫だったんだと思いますが、選手からは大きな笑い声。。。こんな一日のスタートでした。
ジェフ戦の振り返り。素晴らしいプレス、ポジショニングの注意。監督の的確な指示に選手たちも納得・反省するなか、後半戦へ。いきなりのビッグプレー。谷澤選手のドリブルから鮮やかなゴールゲット。監督は「谷澤、すばらしいね!天才!! でも喜び方がカッコ悪いわ」と笑いを誘い、スタイラスペンで画面上に「天才」と書きます。そしてあのループシュート。「せめて、ここに蹴らんと」とゴールへの白い矢印を書き、「これは天災」と絶妙の切り替えでした。
紅白戦後の監督訓示。「マリノスだって、エスパルスだって勝ち抜けの可能性があるから、必死になって戦ってくる。予選リーグを勝ち抜けないと、7月8月とインターバルが長くなるから、古邊(フィジカルコーチ)が手ぐすねを引いて待ってるぞ」と、地獄のサマートレーニングを匂わせます。脅しなのか、ゲキなのか。選手からはそれほど笑いも起きず。この言葉が良いモチベーションになると期待しましょう!
練習後、その古邊コーチが記者さんに囲まれました。最初は、先日婚姻届を提出したことへのお祝いだったようですが、自然と選手の話題へ。「今のレイソルに足りないのはメンタル!」と二等兵というニックネームらしい厳しい言葉。「夏場を乗り切って、体力的にきつくなる9、10、11月が本当の勝負」とフィジカルコーチの分析でした。
そして谷澤選手の話題へ。春の鹿児島キャンプで「コォォォラ!!ヤザワァァァ!!」と怒声を響かせた古邊コーチの印象が強いですが、「谷澤の課題はこの調子を続けること。新潟戦は一休みしたけど、良いプレーを3、4試合続けたら代表だって入れる。だって天才だもん」。茶化すわけでもなく真顔で記者さんにこんなことを話す古邊コーチに少しビックリしてしまいましたが、監督同様に期待しているから厳しくするし、その素質を伸ばしたいからこそ鍛える。その愛情が選手にしっかりと伝わっていること、そして谷澤選手が明日も続けてキレキレの動きを披露してくれることを祈って、、、明日のマリノス戦を待ちましょう。