2007年9月 8日

我慢

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担当:大重正人

今日は暑かったですね?土曜日でもあっていつも以上に多くのサポーターの方がご来場くださいましたが、夏が帰ってきたような猛暑。まずは暑さに耐えながらの練習見学、お疲れ様でした。しかし、見ている我々のすぐそばでは、紅白戦で懸命にボールを追う選手たちの姿が。試合中にボトルを受け取って喉を潤す選手が出るほど、今日の天候は過酷でした。

この中断期間、ほんの短い2週間弱ですがどうやって有用なものにするか、戦力に加えられそうな選手を見出せるか。石崎監督の悩みは尽きることがありません。「やっぱりトップ下だね。いまチュンソンが代表でいないから、ここでいろんな選手を試して、試合に使えるかどうかを見極めたい。今日もドゥンビアやイケを使ってみた。やっぱり攻撃にしても守備にしても、チュンソンより光るところをどこか見せてくれないと、試合には出られないからね」。まずは明日のトレーニングマッチ大宮戦に出場するアピール、そして大宮戦は次のリーグ戦で出場するチャンスをもらうためのアピール。毎日毎日が本当に熾烈な戦いです。

今日の紅白戦。フランサ選手は正確なシュート、太田選手は得意の右サイドから、大久保選手はすばらしいループシュートを決め、攻撃的選手としてのアピールを果たしました。もちろん他の選手だって負けてはいません。私は写真を撮りながら、ピッチのほんと傍で見ていました。そこで感じたのは、みんな「我慢」しているということ。フィールドに22人いるなかで、ボールはたった一つ。わかりきったことですが、その瞬間にボールに絡める選手は数人だけ。それ以外は、ボールを呼び込む動作や声出し、もしくは守備に回って相手のボールを追うことしかできないのです。

一例を挙げれば「サイド!サイド!」と鈴木選手が叫び、「バネ、パスから!」と大谷選手が声をかけたり。また大谷選手は、同じ左サイドの菅沼選手に守備へ戻るよう促すことも。菅沼選手だってもっと攻めたいところを我慢して、チームのために身体を張って守備に回ります。また、柳澤選手が右サイドで裏へ抜ける動き出しを見せても、そこへボールが届くことはあまりなく、再び元のポジションへ戻るアップダウンを繰り返していました。なかなか自分の思うようにならないことばかりです。そして、ようやくボールが来たときに、きっちりとミスなくボールコントロールしなければなりません。思い通りにならないときに自制できずイライラしては、当然トラップやパスが乱れます。

今日は大谷選手のそばでプレーを見ていました。前述の通り、声を出したり、無駄走りを強いられることもありました。それでもボールが来れば、シンプルにトラップして、くるりとターンして、きれいにパスを出す。もちろん基本的な技術がしっかりしていることもあるでしょう。ただメンタル面でブレていないからこそ、落ち着いたプレーができるのではないかと感じました。前日、古賀選手がインタビューで「タニは、本当に慌てないし、どのポジションでもベテランのようなプレーができる」と称えていたことを思い出した試合中でした。

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練習後、その大谷選手と、Jリーグキャリアサポートセンターの取材の確認で話をしました。テーマは「私のオススメBOOK」について。なんとなく普段から読書とかしてそうだな?と思ってましたが、やっぱり「うん、けっこう本読んでるよ。ハタチの時ぐらいからかな。このままじゃ漢字読めなくて、バカになっちゃいそうで」と冗談交じりで爆笑してましたが、「でも読み始めると、すごく面白いよ。キャンプの時に読んだ本で号泣したもん」とすっかりハマっている様子でした!

漢字がわからない時に携帯のメール機能で漢字を調べる人が多いというニュースが、タイムリーなことに昨日流れていましたが、こうやって読書したり、北嶋&南選手がマナー研修に臨んだり、加藤&李選手が英語研修に挑戦したりと、サッカー選手としてだけでなく、ひとりの人間として自己を高めようといろいろ頑張っています。その努力している姿、キャリアサポートセンターの活動もまたお伝えできればと思っています。

明日の大宮戦は14時キックオフ、スタジアムにてバックスタンドを開放いたします。もちろん無料ですから、たくさん応援にご来場されることをお待ちしております!