2007年9月14日

いつか大きな果実に

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加

0914_1.jpg

担当:大重正人

まず、前回書き忘れたことが。下平スカウトブログで登場した、「巴旦杏(はったんきょう)」を食堂ピアノでいただきました!外は薄い黄色に、すこしピンクがかっています。手にとると、薄い皮の下の果実がほんのりやわらかく、これは絶対おいしい!と確信しました。皮を慎重にむく間にも、途中でほおばりたくなるような衝動にかられます。そうしてようやく実がきれいにところでかじりつくと、ジューシーで甘い甘い、いままで食べたことのないようなフルーツの美味。幻の果実を味わうことが出来て、下平さん、ほんとうにありがとうございました!

今日は午前中のみの練習でした。新潟戦に向けた紅白戦(おそらく最後の。明日は紅白戦なしのミニゲームだけでしょう)で調整。4勝2分でこの6試合を切り抜けてきたんですが、どうしてもゴールが遠かった。プレスをかけることでトップと最終ラインの距離を狭く保って奪ったところ。しかしその密集には相手ディフェンスもいっぱいです。その数十mをいかにシンプルに速く突破して、ゴールへ迫るか。首をしっかり振ってパスコースを探して、正確なパス&トラップで状況を打開する。ビルドアップでチャンスさえ作れば、決定率の高い攻撃陣がゴールを挙げてくれるはず。後ろには鉄壁の守備陣が控えているのですから、思い切ったアタックを見せて、オレンジ軍団の牙城を奪って欲しいところ!!

今日の日立台には、有名なあの方が。元日本代表の岩本輝雄さんが取材に来られました。旧知の徳弘トレーナーな大津トレーナーとにこやかに談笑し、通称ふれあいゾーンではギャラリーからサインや写真撮影のお願いを快く引き受けていました。ピッチを歩いたときには「ここでコーナー蹴るとき、ブーイングすごかった!!」と大変懐かしいご様子でした。その後名古屋でいっしょにプレーした古賀選手、そしてフランサ選手との対談は大盛り上がり。選手同士でしかわからない視点や相通ずるところがあって、聞いているだけ「フムフム…」と頷くことの多かった楽しい時間でした。携帯サイト「速報!サッカー24」で今秋公開の予定です。

今日は、その取材の間にウェイトルームにお邪魔してました。そこには大島選手が黄色のマットの上で身体を休め、大河原選手が宝崎トレーナーのストレッチを受け、大久保選手はウェイトに励んでいました。山盛りになったCDのなかからは、懐かしいキャプテン翼のサントラが。ジャンボ選手が「この曲知ってますか??」と、「君の涙より、汗は美しい?♪」とエンディングテーマを歌い上げます。「もちろん、知ってるよ。キャプテン翼世代だよ」と懐しさにふける午後。

その後ジャンボセレクトの「湘南の風」のナンバーが流れる中、公文通訳に質問していました。「『スルー』ってポルトガル語でなんて言うんすか?」。「スルーで通じる選手もいるけど、ブルーノとかはまだわかんないかも。『アブリィ!』って言えば、足を開いてスルーするよ」。外国人選手との交わすプレー中のほんの短い一言ですが、その一言が通じるか通じないかで、ゴールが生まれるかもしれないし、危ないピンチを救えるかもしれない。

大久保選手はモバイルレイソルで本日アップしたインタビューでも言っていました。「ここで頑張れば、その成果が絶対に自分に帰ってくるって信じて練習してます」。走ったり、蹴ったり、飛んだりとトレーニングで懸命に頑張るのはもちろん、異国の言葉を覚えていいプレーができるようにコミュニケーションをとることも、「努力」のひとつと言えるでしょう。

その3人が食事などに行って、一時誰もいなくなったウェイトルームを覗くと、今度は柳澤隼選手の姿が。足を広げて、顔をすこし歪めながらもストレッチに励んでいました。「オレ、身体固いんですよ?」。私の素人目にも映ったこの夏の変化について聞くと「やっぱり代表に入れなかったことが大きかったです。もっと頑張らなきゃいけないと」。

石崎監督がよく言います。「性格は変えられないけど、意識は変えられる。意識が変われば、行動も変わる」。こういった意識改革から、小さな行動が生まれ、その積み重ねが大きな花を咲かせることでしょう。レギュラーやベンチ入りへの道は決して簡単ではありませんが、こうした頑張りがいつか巴旦杏のように実りますように。