2008年3月18日

プロフェッショナル

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担当:大重正人

今朝は、来る札幌戦に向けてのミーティングでスタート。鹿島、横浜FMと強敵相手に敗れはしましたが、強力な攻撃陣を試合途中まで封じた守備力は脅威です。ゴール前をしっかり固めてくる相手をどうやって崩すか。昨年からの課題に対して、答えを見出せるか。J1とナビスコカップでカテゴリーも違いますが、「絶対に連敗はしてはいけない」と石崎監督は気持ちをぐっと引き締めます!

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今日も攻撃側と守備側に分かれてのトレーニングが行われました。ショートパス、クロス、そしてシュート。どれもが完璧でないとゴールにはつながりません。わずかなトラップのミスが、その後のプレーのリズムを失わせます。プレーの途中で石崎監督が選手を集め、アドバイスや練習の意図を再確認するシーンもありました。大分戦のうっ憤を晴らすようなゴールを見せて欲しいところです!!

練習後のフリーキック練習には石崎監督が飛び入り参加!
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先週の誕生日には、監督の口から60歳現役宣言が飛び出しました。「タムさんは60歳でも現場で、しかもクロスをバンバン上げてたからね」。約10歳年下の石さんも負けていられません。しかしそのキックは枠に飛ばず……でも活力あふれる石さんに選手たちが引っ張られているのは間違いありません。

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その脇では、フランサ選手が、ラダーを使った練習を行っていました。しっかりと足の感触を確かめるように前後左右にステップを踏んでいきます。

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フランサ選手はフィジカルトレのとき、手のひらを開いて、腕でバランスをとります。この様が個人的にたまらなく格好よく、「美」を感じるのです。なんと言いましょうか、高貴で崇高で自分だけの世界をつくっているというのでしょうか。そしてステップは、昨年の夏祭りで見せたダンスステップの片鱗。もちろんまだ全開バリバリとはいきませんが、試合中のフィールドだけでなく、トレーニングでも気品を感じさせるキング・フランサです。

練習後には、久々の取材となりました。マッチデープログラムやイヤーブックにも寄稿いただいている日本経済新聞の吉田誠一さんによるインタビューです。実は、キャンプ中に鹿児島まで行きます、とおっしゃっていただいたほどで、この日の取材を心待ちにされていたことでしょう。フランサは本当に紳士的で、なおかつユーモアがあります。どうしてそんな創造的なプレーができるのか?という疑問に「サッカーの技能は天から与えられたもので、とても感謝しています。才能は、薬局には売ってませんから」。

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話は熱を帯びていきます。視野の広さを「パノラマ」と表現し、吉田さんの「精神的なプレッシャーがあったりしたら、視野が狭くなって、周りを見渡しながらのプレーなどできませんよね」という返しに、指をさして「まさに、その通りです」と身を乗り出して反応するフランサ選手。質問に対して、言葉を選びながら丁寧に説明するフランサ選手。公文通訳は聞き漏らさず、噛み砕いてわかりやすく伝えます。その言葉を聞いてさらにフランサの内部に分け入っていく吉田さん。そしてフランサの時折見せるいろいろな表情をファインダーに収めるカメラマンさん。

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この1時間、小さな応接室で4人が「プロフェッショナル」な仕事を見せた濃密な時間でした。あとは、フランサがピッチで本業のマジックを披露してくれれば……フランサを信じて、焦がれながら、待ちましょう。レイソルのために、サポーターのために舞う、その至福のときを。