将軍
担当:大重正人
大勝にも浮かれることはありません。ヴェルディ戦の前後に組まれたフロンターレ戦が、キリッとチームを引き締める要因です。今日のビデオミーティング。平川テクニカルスタッフは、チームが勝てるように、いいイメージを植えつけるように、相手のプレー映像を編集するそうです。相手のクセやウィークポイントを印象付けて、先週のリベンジを果たすため。0-3で完敗した試合の失点シーンはありませんでした。それは、あえてビデオで見るまでもなく、選手たちの脳裏に焼きついているはず。あの震えるような悔しさだけが残った試合を忘れてはいません。
その川崎にゆかりのある2人の話。まずは鎌田次郎選手です。プロフィールを見ると、そのサッカー歴のスタートに「下丸子シューターズFC」とあります。下丸子は東京都大田区に位置しますが、多摩川を渡るとほどなく等々力競技場。故郷に錦を飾るではありませんが、先日の川崎戦は出場停止だっただけに、今度こその思いもあるでしょう。石崎プレッシングサッカーの肝であるボランチを1人でこなすことを要求されています。ボールを奪いに飛び出したり、逆にバイタルエリアのスペースを埋めることもあり、非常に頭脳と体力が問われる過酷な役回りですが、堂々とプレーしているルーキーイヤーです。
「でもルーキーじゃないです。2年目みたいなもんです」。午後のサッカーマガジンのインタビュー。2006年にJ2で特別指定選手として15試合に出場した経験はとても大きな財産です。監督の信頼も厚く、それだけに要求も高い。ゲーム形式のトレーニングでは「ジロー!」と指示を受ける回数も多い。本職はセンターバックですから、プレイヤーとしての幅を広げるボランチ挑戦にも意欲的で、だからこそ「イワオさんはやっぱりスゴイです。あのボールのとり方」という言葉が口をついて出てきます。
その大先輩は、肉離れからの復帰をめざしてトレーニング中です。今日も暖かい陽気でほかの選手たちがイエローの薄い練習着を着ている中、汗をしっかり出すために黒い厚手のピステを着てのランニング。「オレのこと、撮ってくれてんの?!?」とたまに絡んできます。「いいこと書いといてよ?」とも…。試合に出られないなかでも大谷選手とゲーム後に話をしたり、鎌田選手も「試合前に『○○、しっかり潰せよ』とアドバイスしてくれて助かります」と、若手選手からも一目も二目もおかれる存在! と希望通りに持ち上げておきます。
しっかりランニングのあと、入念にストレッチをこなして……暖かい陽気のなか芝生の上でこんな姿勢に。
「プラティニだよ、プラティニ」。
意味が???の方はネットで検索してみてください。レイソルの将軍が激闘の果てに骨を休めている間、若き先鋒がその代役を懸命に務めています。チームはこうやって強くなっていく。川崎戦、雪辱の日まであと3日です!