心開いて
担当:桜林 舞
本日の16時に日本サッカー協会から日本代表候補合宿メンバーが発表されました。
昨日の川崎戦がナイトゲームだったことから、本日の練習は14時スタートでした。13時半からスタッフミーティング、14時から30分ほど川崎戦のビデオミーティングを終えて、スタメン組はクールダウン。雨脚の強くなった日立台を30分強ランニングです。その他の選手は石崎監督と松原フィジコの下、ミニコートでのボール回し。雨が降ってはいるもののだいぶ暖かくなってきた昨今では、深緑が目に沁みる日立台に、霧雨状に降るシャワーが心地よいほどでした。
選手がほぼ引き上げて、監督の囲み取材を開始しようと待っていたその頃がちょうど16時頃。「柏からA代表でるの?」と問うていた記者さんの顔が「おっ!」という表情になり「茂原選手どこにいますか?」とウロウロ。という私も、スタッフミーティングでA代表の話は出ていなかったので「たぶんないと思いますよ」と伝えていた手前、オタオタ。プレスリリース用のコメントを貰わなくてはと、茂原選手の車があるのを確認し、クラブハウスを覗いてきますねと足を踏み出したところに、茂原選手がクラブハウスから丁度出てきたところでした。車に乗り込む前に囲み取材が始まり「どうしたんですか?」と不審がるシゲ。「日本代表候補メンバーに選ばれたからコメントもらえるかな」と尋ねる報道陣。「え、なに、いや、無理ですよ。まだまだですよ、僕」とオロオロするシゲ。「いや、だけど選ばれているから」と水を向ける報道陣。世代の代表歴を問われ「ときどき代表には入っていましたが(※U-22まで)、ひさしぶりです。代表の試合は今までそんなにみていないほうだと思いますが、大木さん(元甲府監督)が日本代表コーチを務めるようになってから見るようになりましたね。僕は、本当にまだまだ、リーグ戦でも結果を出していかなければと思っていますが、声をかけていただいたからには頑張ります。ポジション?ポジションまで考える余裕はありませんよ!」とその後は落ち着いて取材に応じてくれました。
その後、石崎監督を直撃。報道陣に囲まれる石さん。「ナビスコで退場して、次節のヴェルディ戦が出場停止なので、ちょっと休ませようと思っていたとこなんじゃけど。レイソルでは昨年のドゥー(近藤直也選手、2007年5月13日選出)以来だよね。A代表候補が出るのは、レイソルにとっても良いことだし、シゲにとっても刺激になっていいことでしょう。選出されたからには、行ってからどれだけアピールできるからにかかっているじゃろ」とチームから代表候補が選出されたことに相好を崩す石さんでした。
と、ここで話は変わりますが、2007年2月9日に日本国籍を取得した李忠成選手。U-22日本代表候補合宿に初選抜で追加召集されたのが、同2月15日。「一番最後に選ばれた24番目の選手としての気持ちをいつも持っている」と臨んだ、合宿同2月18日の20分ハーフ紅白戦では、ヘディングとDFの裏に抜ける動きで2発の「日本人初ゴール」、鮮烈デビューを飾りました(と、当時の新聞スクラップで報道されております)。その後の活躍は皆さんがご承知の通り。U-23日本代表のエース核と呼ばれ、日の丸の期待を一身に背負って日々切磋琢磨している日々です。
2008年4月1日にはU-19日本代表候補として初選抜された大津祐樹選手(2006年東京都国体選抜と2006年関東ナショナルトレセンに選抜)。4月6日から9日に行われたトレーニングキャンプではJ1との練習試合に臨み、精いっぱいアピールして、貴重な経験を得て帰ってきました。
茂原選手の日本代表候補選抜に、「ACLに行く鹿島とG大阪が、今回の日本代表候補から除外されたからなんでしょ?」という声も聞こえてきそうですが、それでも選抜されたという事実に変わりはありません。与えられたチャンスをものにできるかできないかを決めるのは、チームでも、サポーターでもなく、本人と日本代表スタッフだけです。それまで、我々は精いっぱいの応援をし、そして本人も最善の努力を尽くすのみです。
人事を尽くして、天命を待つ。
それだけです。
ここ3試合、レイソルは零封試合を喫しています。それは事実。でも、だからといって、これからも零封試合を続けるかどうかを決めつけるのは、あまたある可能性を最初から否定してしまうのは、誰にもできないことです。サポーターしかり、フロントしかり、チームスタッフしかり。ピッチで戦う選手の可能性を奪うことは、神様ですら、できません。
行う前から、可能性を封じ込めること。
それは、誰のためにもならないこと。
選手のために、
チームために、
サポーターのために、
サッカーを愛するすべてのひとのために、
あらゆる可能性に心を開いて、
祈りましょう。
これからも、
心をときめかせるサッカーが繰り広げられることに。
より一層の真価を問われる、
スタートラインに立ったシゲに、
心からのエールを。