2010年9月24日

日々練習

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担当:大重正人

昨日が公式戦、今日はリカバリー、明日は遠征へ出発、明後日はアビスパ戦。大変にタイトなスケジュールです。エキップメントの2人はチームの荷物をまとめ、午後には福岡へ出発するトラックを送り出しました。コンサドーレ戦に先発した選手たちは疲労回復、リカバリーに努めます。

しかしこの日程はどのチームも等しく、不公平はありません。出場停止や負傷があるなか、どの選手が出場しても変わらぬ力を出せるのが、今のレイソルの強み。チームの総合力が問われる1週間。林選手は「千葉、札幌、そして福岡。この3連戦が本当に重要で、3連勝できればJ1昇格にも大きく前進できる」。勢いに乗る福岡をがっちり受け止め、自分たちが18勝7分1敗と築き上げてきたパスサッカーで寄り切るような試合を期待したいです。

練習後、布部コーチがエルゴラッソの取材を受けました。試合に出るチャンスを求めて努力する居残り個人練習を日々繰り返し、工藤、田中、林、北嶋と、次々とフォワード選手の大活躍をサポートしてきたのが布部コーチです。「まず、みんなの能力が高いからこそです。それに素直にアドバイスを聞いてくれるし、飲み込みが速い。彼ら自身が頑張った結果です。ただそういう選手たちが試合で結果を出してくれるのは、本当に嬉しいことで、やりがいを感じています」

監督が求めていることを選手たちがきちんとやれているかを見極める。
選手たちに自信を持たせたい。成功体験を積み重ねたい。
そのために、たとえば「首をかしげた」といった選手たちの細かな一挙手一投足を見逃さない。そして、まず選手たちが何を考えているか聞くことから始めるそうです。今の課題を洗い出し、どうやったら公式戦に出場できるかという段階を踏んだステップを一緒に考え、トレーニングで行動に移す。

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首をかしげる仕草まで注視するなんて「細かいことが好きなんですよ」と謙遜していましたが、インタビュー前に「事前に質問をいただいたんで、答えをちょっと打ち込んできました」とA4用紙2枚にまとめたものまで持参。ビックリしました。いろいろインタビューに立ち会ってきましたが、ここまで準備してきた人は見たことがありません。こういった細やかさ、準備、気づかいが選手たちの信頼をつかみ、よりトレーニングに打ち込もうという意欲をかきたてるのでしょう。

今日も居残りでシュート練習が行われていました。ただ打つだけじゃなく、布部コーチがこだわるオフザボールの動きや、ファーストタッチにも気をつけながら。「シュートは流し込む感じで!!」。秋の冷たい空気を感じながら、選手たちのシュートが繰り返される夕暮れの日立台でした。

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2010年9月24日

恩返しの一勝

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担当:河原 正明

 日付が変わって記者さんたちが帰り、ようやくPCに向かって日記を書き出しました。こういう日は少しアドレナリンが出ている上に、何から書けばいいんだろうかと迷います。で、試合中に、自分の胸に去来した思いから書き出してみました。


 レアンドロ選手のPKによる2点目のゴールが決まり、スタジアムに響き渡りだした「ヤマト」のメロディー。思わず、ピッチ脇から敵将の横顔を眺めてしまいました。今、どんな気持ちでこのメロディーを聴いているのだろうかなと。

 昨日までの残暑から一転、寒いくらいの雨の中、コンサドーレ札幌を迎えての今季13試合目のホームゲーム。最終的にスコアこそ5?1と大きく開きましたが、前半はかつての指揮官の下、石川直樹主将が率いるアウェイチームが、大きくホームチームに立ちふさがったのでした。
  雨の影響で思うようにボールを運べない。さらに、敵陣に入るとすぐに相手のプレスがかかります。今季は日立台では守備重視で、引いて守る相手が多いのですが、札幌は果敢に押して波を掴もうとしてきました。

 しかし、ややもすればもどかしい展開の中、前半終了間際に相手が1人退場に。これで試合の潮目に変化がありました。
 ハーフタイム、ロッカールームでネルシーニョ監督は「自分たちのサッカーがしたい。いつも通り、ボールをつないで攻めていこう」と指示を送り、選手をシャッフルして後半へ。
 そして、試合開始60分後、CKキックからレアンドロ選手の右足から弧を描いて放たれたボールは、得意のニアポストで待っていた男の頭へ。

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 「ドンピシャ!」という言葉がこれほどピッタリとはまるパス&ゴールを久々に見ました。そして熱狂のゴール裏に飛び込んで...その後はご愛嬌。パク選手も大笑いでしたが、笑顔が止まらないキタジ。スタンドにいた家族に向けて力強く胸を叩き続けた姿に、本当に日立台に躍動する背番号9番が帰って来たと、感慨深いシーンでした。

 その3分後にも、キタジがPKをゲット。交代後に「あれ、蹴りたかったなぁ」と話していましたが、フォア・ザ・チームでキッカーはレアンドロ選手に。今季8点目のゴールを強烈にねじ込みます。ここですかさず流れる「ヤマト」。これは「さぁ、もっと点を獲りに行こうぜ!」というサポーターからのメッセージ。こうなった日立台はとてもやっかいだというのは、ピッチ上で戦っていた合計12人の選手に加え、敵将も良く知っているところ。気付くとサポーターの声援に押された我々が、完全にボールを支配し、ゲームの主導権を握っていました。

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 72分に、こぼれ球から強烈な一発を被弾しましたが、さらに工藤選手にホジェル選手を投入して勢いを増したレイソルの攻撃を受け続けた結果、相手選手が競り合いの中、たまらずホジェル選手をペナルティエリアで倒してPKを与えます。さらに相手が1人退場して9人で戦うことに。
 「これが入ればゲームが決まる」。横で呟くキタジとともに見届けたボールの行方は、冷静に相手GKの動きを見たレアンドロ選手の思い通りにネットを揺すったのでした。

 そして、ゴールショーのエンディングへと舞台は移ります。工藤選手がホジェル選手の優しいパスから、GKの股間を抜いてのゴールを決めると日立台のボルテージは最高潮に。工藤選手も、ベンチで待つ桐畑選手目がけ一直線にヘッドスライディングを決めます。直前にレアンドロ選手に並ばれたチーム得点王の座を、わずか2分間で取り返す今季10ゴール目でした。


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 さらにアディショナルタイムには茨田選手のゴールも飛び出します。こちらもホジェル選手からのパスを受け、コースを狙ってのゴール。今季5月の徳島戦で見せたような、得意の2列目からの飛び出しでした。
 この両選手は、それぞれU?21、19の代表候補。対する札幌にも同世代の候補選手がいます。「同じ世代のライバルには負けたくない」とそれぞれゴールという結果で起用に応えました。でも、二人ともホジェル選手にはよーく御礼を言っておかないといけないですね。
 得点者だけがクローズアップされがちですが、今日も2アシストのホジェル選手は、ますますチームにフィットして存在感を増しています。交代出場含めて起用した選手が結果を残しました。次節はどのような布陣で臨むのか、指揮官の采配も楽しみです。

 試合後、ロッカールーム前では会見を終えた石崎監督が教え子たちと旧交を温めていました。
「試合前に、石さんが反対側に座っているのが変な感じだった」と多くの選手が話していましたが、いざ、試合が始まればそんな気持ちは微塵もあるはずもなく。
 「石さんはレイソルで一時代を築いた人。でも今のレイソルを見せて、しっかりと勝って恩返しをしたい」試合前に話していたキタジの思いは、ゴールという結果で結実しました。

  大事な連戦の3戦目は、思いがけずに大勝をしました。しかし、「まだ連戦は福岡戦まで続く。まだ振り返ったり、ホッとしている場合じゃないんで」と、小林選手が話すように中2日でアウェイで福岡との一戦が待ち構えています。明日・明後日で最大の準備をして、今、最も勢いのあるチームとの戦いに向かいます。

 今日は寒い雨の中、最後までご声援いただきましてありがとうございました。J1昇格、そしてJ2優勝の頂まで、これからも共に。よろしくお願いします。

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