2012年9月 8日

俺達の宝

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担当:大重正人

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なんとも不思議な光景でした。
試合前のウォームアップ。アウェイ側ベンチの選手たちが、ホーム側のゴール裏へあいさつし、それにいつもと変わらないレイソルへの熱い応援が注がれる。ウォームアップ中の選手コールは、両チームの選手ひとりひとりに贈られました。レイソルのフラッグが2つ掲げられ、ビジョンにはレイソルのロゴが並び、緩衝帯もなく、ホームもアウェイもないスタジアム。これは、柏レイソルだけが、Jクラブとして初めてつかんだ幸福の瞬間でした。

試合内容から見れば、順当な結果でした。トップチームが力強い守備から、エースへつなぎ、レアンドロがさすがの決定力を披露。後半も澤選手のゴール、そして彼らしい球際の粘りがチームを引き締め、GK菅野選手は決まったと思ったシュート、決して多くはなかったピンチでも憎らしいほどの集中力でシャットアウト。経験と力の差を見せた試合でした。

では、U-18は何もできなかったのか。いや、今日の試合を見た人は即座に否定するでしょう。センターバック2枚が左右に大きく開きながら、秋野、中川、小林という中盤のトライアングルへタテパスを入れ、サイドバックとの連携でサイドからじわじわとボールを運んでいく徹底したスタイル。敵陣まで運べば、3トップがスペースで受けては、またムービング。何人も連動して、トップチームのディフェンスを崩す場面が何度もありました。ボールを大切に保持して、主導権を握るサッカー。下平監督以下選手たちが先輩たちから受け継いできた伝統を、今日もしっかりと発揮してくれたと思います。

中川選手「正直完敗でしたが、大谷さんや栗澤さんに1vs1でチャレンジしたり、学べることがたくさんあった試合でした」。
秋野選手「フィジカル面や体力、スピードで差はあったけど、キックの精度やボールを持ったときの視野やワンタッチ、ツータッチのパス回しは通用したかなと思う」
小林選手「まだまだ足りないところや課題もあったけど、ドリブルで抜けたりもしたし、少し自信になった。これからトップに上がれるように頑張りたい」

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激しいぶつかり合いはあっても、互いをリスペクトし合って、イエローカードが一枚も出ないクリーンな試合。90分戦い終えた選手たちは、兄弟たちが手を取り合うように、スタンドへ向かって歩を進めました。ホームもアウェイもない、日立台だけの至福の時間でした。そして柏熱地帯から発せられた数々のメッセージ。

「柏の育成、俺達の宝」
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長年アカデミーにかかわってきた吉田達磨強化部長は「ヨンハに、すばらしい言葉ですねって言われて。この目で見て本当にうれしい言葉だった。これからも『宝』であり続けたい」。