2015年5月 9日

山形戦前日

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担当:大重正人

ビンズオンとのACLから中3日で臨む、リーグ戦はアウェイでの山形戦。ただベトナム遠征には、これまで試合出場を続けてきた選手たちは参加せず、日立台でのリカバー、トレーニングでコンディションを整えてきました。吉田監督はその日立台に残った選手たちの状態について「もちろん良いです。初めて試合を回避して、体を休ませて、精神的にも 1回切るというか、1回オフにできたことで、とても良かったと思います」

ビンズオンでは狩野選手、大津選手がフル出場、また多くの選手が貴重な試合経験を積むことができました。
「もちろん彼ら(狩野、大津)はフルパフォーマンスとは本人たちも思っていないでしょう。いろんな見方があるにせよ、我々は、病院から出てきて、ベッドから起きてという選手をしっかり90分使うという大きな目的があった。サポーターもあれだけ来ていただいて、勝ちたいという気持ちはもちろんありました。一番の目的はもちろん勝つことですけど、二番目の目的は 90分プレーしたことのない選手を90分プレーさせること。あと、若い選手の経験値を入れること。その目的は達成できた試合だったと思います」

そして迎える山形戦です。山形は、現在リーグ16位、2勝3分5敗の勝ち点9。ただナビスコを含めた最近10試合は3勝4敗3分ながら、ナビスコ神戸戦(1-3)を除けば、常に1点差以内の接戦を繰り広げています。3試合前の清水には0-3から残り5分から追いつき、続くマリノス戦は1-0で撃破、レイソルが苦しんだアウェイ新潟戦でも終了間際まで1-0でリードするなど、勝ち点を逃さない戦いを続けています。

そんな山形を、吉田監督はこのように見ています。
「山形の試合を何試合見ても、ほとんどの試合で山形のペースで試合をしています。スコアにつながらなかったり、取られてしまったりというのはありますが、山形の激しいプレーの中に、ほとんどのチームはそこでやられ、何とか勝ち点をものにしているか、勝ち点を失っているか、フロンターレもやられています。もしくは同じようなサッカーに持ち込んで、ぶつかり合って勝つか引き分けるか分からないようなサッカーをしているという意味では、山形はほとんどの試合で自分たちのペースで戦っているチームだと思っています」。「かなり迷いのないチーム」という言葉もありました。

石崎信弘監督がレイソル時代に続けたサッカーは、前線の選手から相手にどんどんプレッシャーをかけていくスタイルでした。当時と変わらなければ、レイソルに簡単にビルドアップをさせまいと、前線からアタックを90分間続けてくるでしょう。ここ3試合で2得点と好調の林陵平選手は2012年までレイソルに在籍。ゴール前の仕事はもちろん、スタミナ十分の走りで守備面の貢献も大きく、プレッシャーをかけてくるでしょう。ディエゴ選手は前線で、アルセウ選手は中盤での非常にパワフルなプレーは健在で、また工藤&武富選手と同期の比嘉厚平選手と、元レイソルの選手がたくさん在籍しています。

またレイソルのレアンドロ選手、太田徹郎選手が山形でのプレー経験があり、古巣対戦となります。そして吉田達磨監督も1999年から2001年まで山形に在籍していました。レイソルが初めてのタイトルを掴んだナビスコカップファイナルから18日後の、1999年11月21日。J2リーグの大分vs山形戦。大分1点リードで勝てば悲願のJ1昇格がすぐそこにあった終了間際、山形のセットプレーから同点となり、夢は潰えました。そのセットプレーのキッカーが現レイソル監督の吉田達磨選手で、大分を率いていたのが石崎信弘監督でした。「秋天の陽炎」というスポーツノンフィクションとして書かれた試合です。20年以上続いてきたJリーグには、こういった人の縁やサイドストーリー、歴史があります。

明日の舞台、NDソフトスタジアムでは、山形の3勝2分け。レイソルは未勝利という鬼門です。この歴史を覆さなければいけません。14時キックオフ、ベトナムとは20度も下がる15度前後の肌寒い予報ですが、勝利をめざし、走り戦う選手たちへの熱い応援をどうぞよろしくお願いします。

また明日はホーム日立台のスタジアムで15時からU-18プレミアリーグ、JFAアカデミー福島戦も行われます。ビンズオン戦でトップチーム初出場を果たしたU-18の背番号9・浮田健誠選手について、工藤選手は「ベトナムでは若い選手が力を出せるように、声をかけたりしてサポートしました。健誠は、高校3年生でトップの、しかもアジアの国際試合に出場できたのは本当に幸せなこと。でも僕も負けていられない」。そんな先輩からのエールを受けて、今季のプレミア初勝利を全員で勝ち取ってほしい!日立台への応援もぜひお願いいたします。
http://blog.reysol.co.jp/news/2015/013558.html