2007年3月 5日

結果と内容

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本日の担当:横井孝佳

目標とする勝点45まで、あと42点なのであります。道は果てしなく遠い。
浮かれることなく気持ちを切り替えて、次の戦いに挑みましょう。われわれはJ1に昇格したばかりの挑戦者。対戦相手は皆、格上です。全力でぶつかるのみです。

…などと書くと、「今日ぐらい素直に喜ぼうよ」という皆さんの声が聞こえてきます。私も正直、そう思うんですけどね。しかし試合後の石さんに接したら、浮かれ気分も吹っ飛んでしまったんですよ。

タイムアップの笛が鳴り、選手たちはスタンドへ挨拶に向かいました。石さんはベンチ脇をすり抜けてロッカールームへ。私はその後を追いました。スカパー!の中継で、監督のフラッシュインタビュー(監督会見とは別)があるため、そのことを申し上げるために。

ロッカールーム内で追いついたわたくし、ニコニコ顔で「石さん!」と声をかけたら、
「なんかあるの!?」
おおお、お、怒ってる! J1復帰初戦、昨季5位の磐田に4得点で無失点の快勝、それなのに!

とどのつまり、石さんは結果よりも内容なのです。今日はずいぶんプレスもかかり、攻守において磐田を圧倒していたとはいえ、細かいミスや連携の行き違い、チームとして狙っていたプレーが出来ていない部分があった。それが不満なのでしょう。
「今日は勝てたけど、改善しなければいつかはやられてしまう」
監督会見で石さんが話していた言葉は、謙そんでも何でもなく、本心です。ロッカールームの石さんを見た私には断言できます。

似たようなことは昨年にも何回もありました。指揮官という立場に立つと、「結果より内容、今日よりも次の試合」が気にかかるのでしょう。石さんは「勝負よりも育成のほうが好き」と日頃から口癖のように言っているだけあって、その傾向が強いのかもしれませんが。

とにかく、まだ1勝したのみ。開幕から2連勝したのに、結果的に最下位になってしまった2004年シーズンのような前例もあります。勝って兜の緒を締めよ、です!

……などと辛口のことを申し上げておきながら手のひらを返すようですが、今日のゲームは本当に素晴らしかった!
フランサ選手はもはやスーパー。今日の活躍で、日本中のサッカーファンの頭に「フランサ」の4文字がインプットされたことでしょう。私たちは昨年からよーく知ってましたけどね(なんか優越感ですよね?)。
菅沼選手については言わずもがな。ブラジルでもまれ、松山で鍛えられて、数倍大きくなって帰ってきましたね。ジュニアユース時代のチームメイト、カレンロバート選手と同じピッチに立って、日立台の大声援を浴びて、この活躍、さぞうれしかったことでしょう。視察に来ていた反町U-22日本代表監督に強烈な印象を与えたことは間違いありません。疲れているのに、試合後スカパー!の生中継に出てもらって、本当にありがとう。
アルセウ選手は試合をこなすごとに良くなっていくし、山根選手の奮闘ぶりは見事の一語に尽きるし、大谷選手も近藤選手もみんなみんな、選手全員をたたえたい気持ちです。

試合後、クラブハウスでコメント取材の対応をしていたら、「オレのコメントはいらんの? いらんて! 出てないって!」とひとりツッコミをかましていた岡山選手。何言ってるの。サブやメンバー外の選手も含めて、全員で掴んだ勝利だよ。コメントは取らないけど。

そして何よりサポーターの皆さん。今日の応援、世界ワールドクラスです。オリジナリティも評価軸に入れたら、Jで一番でしょう。ピッチサイドで試合を見ていて、「日立台ドーピング」という言葉が浮かびました。ドーピングコントロールにも引っかからない、レイソルにのみ使える増強剤。ホント心強いです。

次節は昨季、苦手としたアウェイ。しかも開幕戦で、レイソルと同様4得点をあげた広島。石さんとイワオの里帰りマッチ、ぜっっったいに勝つ! では皆さん来週、いや今週末、広島で!

広報の仕事的には、関東で唯一の日曜開催のうえ、Jリーグの鬼武チェアマンや日本代表のオシム監督、前述した反町U-22日本代表監督が来訪されたこともあり、200人を超える報道陣が詰め掛け、終日パニック状態でした。
久しぶりに日立台へお越しになったオシム監督。正面玄関から入ると、4階ロイヤルルームへのエレベーターには行かず、ユラユラとピッチへ向かって歩き出すではないですか。通訳の方が「こっちですよ」と促すと、「ああ、間違えました。ジェフの監督として来たつもりになっていました」とオシム語録。周囲を笑わせました。ユーモアのある方ですね。