冷たい風の吹く柏の葉で
本日の担当:横井孝佳
昨日の広島からジェット気流に吹かれて東方移動してきた寒冷前線、本日の午後2時ごろ柏の葉に届きました。…といった感のある肌寒い、いや凍えるように寒い柏の葉公園総合競技場。雨は午前中で上がったものの、代わって冷たい北風が容赦なく吹き付け、宮本タクに言わせると「ネバーエンディングストーリーだよ! ファルコンが飛んでるよ!!」という感じの灰色の雲が渦を巻く空、そんな天候の中、今季初のサテライトリーグ戦、対コンサドーレ札幌戦が行われました。
メンバーを見ると、昨日の広島戦に途中出場した小林亮選手が今日も途中出場。そのほか昨日出場こそしなかったものの遠征に帯同していた水谷選手、岡山選手、小林祐三選手、石川選手、阿部吉朗選手らが、元気にスタメンに名を連ねました。しかしパフォーマンスは今ひとつだったようで、試合後に祐三選手は「広島組は体が重かったですね」と反省気味に振り返っていました。昨晩柏に到着したのは午後10時過ぎだったようですからね。お疲れ様です。
細かい内容は試合速報を見ていただくとして(昨年の最終湘南戦以来、久しぶりに試合速報を打ってみました。寒さで指がかじかんで大変でした…)、全体的には、レイソルが優勢に試合を進めていました。しかしシュート数は札幌のほうが多かったことが示している通り、レイソルはいいところまでボールを運ぶものの、フィニッシュに至れないシーンが目に付き、若干フラストレーションがたまる展開。「攻撃の目的はシュートを打つこと」という石さんの言葉を、反すうしなければなりませんね。
両チーム無得点のまま迎えた後半38分、長谷川選手のクロスを阿部吉朗選手が合わせて待望の先制点、そのまま逃げ切って勝利を収めました。1トップで出場した長谷川選手は試合後、「アシストは良かったけど、他はダメでした。もっとミスをなくしてしっかり起点になれるように頑張ります」と反省。でも、大柄な体躯に似合わぬ繊細なテクニックを、随所で披露してくれました。フランサ選手の影響を受け、今覚醒しつつある長谷川選手、ぜひこのまま向上心を持って成長してもらいたいところ。
そして長谷川選手の速いクロスに足から飛び込み、電光石火のゴールを決めた吉朗選手、桜林広報の「レイソル初ゴールですね!」との問いかけに、「レイソル初得点という実感はあまりないですが、点を取れたことは素直にうれしいです。続けていかないといけないので、続けて点を取っていきたいです」と前向きに話してくれました。
昨日のトップチームの広島戦と同様、今日の試合に出場したメンバーも、課題を真摯に受け止めて改善に努め、いつ出番が回ってきてもOKなように準備してほしいですね。リーグ戦は総力戦、チーム全員の力で戦うのですから。
ところで。
昨日の宮本タクブログに書かれていたように、菅沼実選手、じつは1日の練習中に鼻骨を骨折していました。「対戦相手に弱みを握られたくない」と公表せずにいたのですが、もう大丈夫ということです。
磐田との開幕戦、試合中に何度も鼻血を出し、そのたびピッチ外で鼻に詰め物をして。北嶋選手によると「(鼻を折ると)首を振るだけでも痛い」というほどなのに、強行出場して2ゴールを決めて。ミノルくんが2点目を決めたときにはわたくし、涙が出ました。
後半途中に退いたのも、これで理由がおわかりいただけたと思います。試合が終わり、ロッカールームの彼にヒーローインタビューをお願いしに行ったら、鼻を冷やしながらベッドに横たわっていました。
「大型ビジョンに大写しになったら、鼻に詰め物をしているのがわかっちゃうから、勘弁してください」
「申し訳ないけど、今日の活躍からして、ヒーローインタビュー受けないとお客さん納得しないよ」
といったやり取りを経て、あのヒーローインタビューは実現しました。そのうえ試合後のアフターゲームショー生出演にも出てもらって。今、開幕戦の彼の写真を見ていただければ、鼻が腫れているのがお分かりいただけると思います。
プレーだけでなく、精神的にもたくましくなった菅沼選手。さらなる活躍が期待できそう。そして、開幕戦で交代出場した李忠成選手にとっても、この上ない刺激になっているはず。ぜひ切磋琢磨して、互いに伸びていってほしいですね。
さて、本日わたくし、無事に柏の葉でサテライト対応することができました。
昨日の試合後、ちんたら仕事をしたりサンフレッチェの方々とお話ししていたり、なんだかんだでビッグアーチを出たのは午後8時半。当然新幹線の東京行き最終は出発後。はてどうするか。
結局、広島から新幹線の最終新大阪行きに乗り、姫路で四国方面からやってくる寝台列車を捕まえて乗り換え、今朝の始業時間前に会社に着くという、西村京太郎旅情サスペンスばりの乗り継ぎで帰ってまいりました。
神戸は三ノ宮で眠りに落ち、目が覚めたら東京駅に着いていました。寝台車もなかなか快適ですね。