担当:桜林 舞
「前半と後半で、別のチームのようになっていましたね」と、ミックスゾーンでメディアの方に話かけられました。まったくもってその方のおっしゃる通り、プレスが効いてレイソルらしいサッカーを貫いた前半から一転、後半はあたふたと後手後手にまわるシーンや、両サイドを突破するもののゴール前に繋がらないというシーンが多く見られました。
それはシュート数を見れば、明らかでしょう。レイソルは前半10本のシュートを打ち、35分太田選手のゴールで先制点を挙げます。しかしながら、後半のシュートはわずか4本。対して千葉の前半のシュート数は4本、後半は11本という盛り返しようでした。
「山根がケガで交代し、千葉が退場者を出し1人少なくなってから、中盤のマークの確認が曖昧になってしまった」と石崎監督が振り返ったように、53分に山根選手が負傷し、阿部選手に交代。直後の54分、フルコビッチ選手の肘が大谷選手に入り、2枚目のイエローカードで退場して千葉は10人に。そしてその直後の58分、フリーキックのセカンドボールを拾われ、ゴール前の混戦から斎藤選手に同点ゴールを許してしまいます。
「10人になってから、千葉は4-3-2にシステムを変えて来た。そのためサイドを起点に攻撃できれば、得点チャンスがあるのではないかと」という指揮官の采配により、62分に茂原選手、70分にポポ選手がピッチに送り出されました。しかしながら、縦には突破できても中央になかなかボールが収まらず。少ないながらも決定機もありましたが、ネットを揺らすことはできず、無念のドロー。
同じ予選リーグCグループの札幌vs川崎は2-1で札幌が勝利したことから、現在順位は勝ち点2で3位。とはいえ、予選リーグ6戦のうち今はまだ2戦を終えたのみ。まだまだチャンスはあります。
チームにチャンスがあるように、チームの中にもチャンスを掴んだものがいます。
3日前の札幌戦で古賀選手、近藤選手が負傷し、CBは小林選手と鎌田選手、左サイドバックにレフティーの石川選手、右サイドバッグには、本日90分フル出場した村上選手が入りました。ルーキーの村上選手にとって、柏レイソルデビュー戦であり、初のJ公式戦出場となりました。昨日メンバー入りした際は「かなり焦っていた」ということでしたが、「緊張はしていましたが、それなりにできていたかな」と課題はいろいろと発見したもの、初戦の手ごたえをしっかりと掴めたようでした。新加入組ながら、レイソルの先輩であり、4バックの1人である鎌田選手も「ムラは結構よかったと思う。彼の特徴をしっかり出せていた」。石崎監督も「よかったと思う。攻撃も守備もよく頑張ってくれた」と評価は上々でした。
今季公式戦初出場の阿部選手は、山根選手の負傷で途中交代という難しい役どころを、流通経済大学柏高校で同級生だった大谷選手との同級生コンビのダブルボランチで立ち向かいました。「全然ダメでした。サイアクです。今すぐもっと練習をしたいぐらいです」と自身の出来には納得のいっていない阿部選手でしたが、持ち前のパスセンスを生かしたカットやクロスが随所に見られました。
先制点を生んだ、太田選手の右サイドからのシュート。角度の無い位置からの技ありシュートに「逆サイドから展開してきたあのパスは練習どおりでした。練習の成果が結果という形で出て、とてもうれしいです。落ち着いて決めることができたと思います」とコメントしました。
そのゴールをアシストした石川選手、「練習どおりに決めてくれたので、よかったです」としながらも、「レイソルがボールを支配している時に、どう相手を崩していくのかが問題」と、引き分けに終わった試合に神妙な面持ちを隠しませんでした。
FWの李選手と大津選手も、「自分がもっと決めていれば」「レイソルに流れがあるときに2点目を入れなければ」と先制していても追いつかれてドローに終わった、このナビスコ2連戦を振り返り反省しきりでした。
△1-1。
勝ち点2を失ったと捉えるか、アウェイで、勝ち点1を奪ったと捉えるか。
ケガ人ばかりだと捉えるか、新たにチャンスを得た選手が育つ機会だと捉えるか。
「コップに水が半分」あるのであれば、
「コップの水が半分しかない」と悲観的に捉えるよりも、
「コップの水は半分もある」と前向きに捉えて進もうではありませんか。
ナビスコカップ予選リーグは全6試合。
まだ2試合目。
あと4試合もある。
リーグ戦は全34試合。
まだ2節を終えたのみ。
あと32節もある。
まだまだ、これから、です。
※明日はチームはオフとなります。
3月25日(火)から今度はリーグ戦に切り換えた練習が始まります。