寒い夜だけど
担当:大重正人
ヴィッセルの最終戦セレモニー。退任される松田監督のあいさつは、まるでドラマのワンシーンのようで、空からはいつしか白い粉雪がはらはらと舞い落ちていました。レイソルもヴィッセルも、長らくともに戦って来た監督との別れを惜しむサポーターの気持ちを代弁するような、美しくけどどこかはかない粉雪でした。
キックオフからヴィッセルの迫力はすさまじく、そのプレッシングにレイソルは押され気味でした。しかしゴール前最後のところでしっかり身体を張って、ゴールを割らせません。最後まで続いた我慢比べに勝ったのはレイソルでした。今日奪ったゴールはともにラッキーなものでしたが「選手の気持ちが乗り移ったようだった」と石崎監督が振り返った言葉通りでした。相手との激しい接触にも気持ちを揺らさず、辛抱を続けた選手たちに幸運が舞い降りました。
今日で長かったリーグ戦が終了しました。13勝14敗7引き分けの勝ち点46。11位という順位でした。結果的には昨年を下回る勝ち点、順位となりました。その中で足りなかったところ、成長できたところ。しっかりと把握して財産にしていくことがチームの使命です。
たとえ監督が変わったとしても、チームとして理想とするサッカーやスタイルが揺らいでいけない。チームとして、サポーターの皆さんに示さなければいけません。
「今日は石さんと戦える最後のリーグ戦。どんなに苦しくても、やろうと思った」(杉山選手)
「石さんと一緒に国立へ行きたい」(大谷選手)
「天皇杯は、勝っても負けても、泣いて終わりたい」(李選手)
選手たちの思いはひとつです。サポーターの皆さんも同じ思いでしょう。
みんなで掴んだ勝利、みんなで飛び跳ねた勝利のダンス。
寒さに凍えた一日だけど、それぞれの心には、あたたかい思い出といつまでも冷めない記憶が残っていくことでしょう。
明日からチームは3日間のオフです。肉体的にも精神的にもしっかり休みをとって、リフレッシュして、12月20日の天皇杯、広島戦へ挑みます。まだ終わりじゃありません。最後まで、断固たる決意をもって戦い抜きましょう。大谷キャプテンが天皇杯を掲げ、国立の空へ石さんが舞う日を信じて。