セレッソ戦
担当:大重正人
このセレッソ戦を迎える前、あるメディアの方が、練習後にこう話されました。「選手たちから悲壮感みたいなものが感じられないんですが、、、」と不思議そうに聞いてこられました。私も同じように感じていました。現実から逃げているとか、緊張感がないというのとは全く違います。本当にギリギリのところまで追い込まれたことでさらに覚悟が強まったこともあるでしょう。岩瀬健監督が熱く丁寧にシンプルに示したサッカーで、霧のようなものが晴れたようにも感じました。深く迷いこみ、どうすれば勝てるんだろうかと自問し苦闘していた選手たちの姿はもうありませんでした。まっすぐに前を向いて、自分たちのサッカーを信じ、力強いコメントを残す選手たちばかりでした。だから今日、このセレッソ戦の日が来るのがとても待ち遠しかったです。
「岩瀬監督になって2週間しかなかったが、サッカーを整理して迷いなく思い切りプレーできる状況をトレーニングから作ってくれていた。全員が自信をもってピッチに立てていたので、結果が出せると思っていた」。大谷選手の試合後の言葉通り、今季ベストと言っても過言でないゲームが、この生きるか死ぬか瀬戸際で窮地で発揮できたのは本当に嬉しかったし、一方でこれだけのサッカーができる選手たちがこの順位に沈み、3-0という勝利をまったく喜べない試合後になったこと、これ以上ない悔いでしかありません。
来季からJ2リーグを戦うことが決まりました。残留のライバル3チームすべてが勝つというのは正直想像するのが難しかったですが、我々と同じように相手達も選手としてプロとして人生を懸けて日々戦っているのですから、きょうの結果は不思議なことではないし、受け入れなければいけません。それはJ1でもJ2でもJ3でも同じです。去年残したJ1リーグ4位の成績は真の力によって得られたものでないことを示す今年の結果で、甘い気持ちは絶対に持ってはなりません。
今日J2に降格することが決まったとしても、来シーズンはまたやってきます。新しいステージを勝ち抜くためにやらなければならないこと。人生を懸けて戦っている選手たちに、これからも柏レイソルでプレーしたい、そう思い続けてもらえるようなクラブでなければいけません。そのためには、財政的には他には届かないかもしれないけど、ならばサッカーの質や独創性、選手や人間としての力を互いに高め合う情熱や連帯感、そうしたところで勝負できる柏レイソルでなければいけないと感じています。そこが欠けたチームに何の魅力も価値も感じてもらえないでしょう。サポーターの皆さんも同じかと思います。そうした選手たちの姿を応援したいと思っていただけるようなクラブになれるよう、もう一度出直してまいります。
ただ、今シーズンはもう1試合残っています。「残り2試合を勝つためにやる」。そう言い続け戦っている岩瀬監督と選手・スタッフをどうか最後までご支援ください。
そして最後になりましたが、柏レイソルの草創期を支え、クラブ初タイトル獲得など、大きな大きなご尽力をいただき、昨日ご逝去された久米一正氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
※明日25日のトレーニングは11時開始に変更になりましたのでご注意ください