指宿キャンプ14日目
担当:大重正人
鹿屋体育大学とのトレーニングマッチをおこないました。指宿での14日目、まさに総仕上げ、成果を示す舞台となりましたが、相手が大学生だったということを鑑みても、8-0というスコアは簡単に残せる結果ではありません。選手たちはハードに全力を出し切ったからこそのものだと思います。
この日も前線からボールを奪うアクションをチーム全体の意識として共有し、それを実行に移しました。前線がスイッチを入れれば、それに中盤も連動し、そして最終ラインもきっちりラインアップして、良い距離を保って守備を続けました。またプレスを交わされたとしても、自陣でしっかりポジションを取り、しっかり跳ね返すか奪い返すかして攻撃につなげます。行く時と我慢する時の組織的なディフェンスが徐々にチームのものになってきているように感じます。
そして作り出したゴールチャンスを、前線の選手がしっかりとものにしました。1点目はDF古賀選手のボールキープから、すばらしい動き出しを見せた瀬川選手にスルーパスが通ると、そこからプレゼントパスを受けたクリスティアーノ選手が難なくゴール。2点目は高木選手のラストパスを瀬川選手が技ありヒール。3点目は右サイドガブリエル選手のクロスをクリスティアーノ選手がダイビングヘッド。4点目は右サイドを抜け出したクリスティアーノ選手からのパスを受けてガブリエル選手が合わせます。
そして後半はオルンガ選手がハットトリック。山田選手からのアシスト、前線からの守備からのショートカウンター、そして左サイド角度がないところから強引に振り抜いたシュートは、相手GKに跳ね返ってゴールインしたように見えました。圧巻のゴールラッシュでした。そしてこの日一番選手たちから歓声が上がったのは、U-18から練習参加中のFW細谷真大選手のドリブルシュート。スルーパスに抜け出し、相手DFとのスピード勝負で力強い脚力を見せて相手を置き去りにすると、GKの位置を見て、しっかりとゴールへ流し込みました。「やっぱりプロのDFはすごくて、自分はまだまだです」とキャンプの最初は言っていましたが「自分は監督にアピールするしかないので」と、いい意味で遠慮なく臆することなくプレーし、そしてゴールという目に見える結果を残しました。これからが本当に楽しみなアタッカーです。
今日一番印象に残っているのは、4本目の15分すぎだったと思います。監督が「ハヤテ!!もっと前にパスを付けていけ!!」と本当に大きな声で要求しました。またチーム全体にも「前からもっと追っていけ!!!」と声を飛ばしました。大きなリードをとり、疲れも出てくる時間帯。しかしそれに甘んずることなく、さらに強度を求め、それに応えるように、ミカや山崎選手、菊池選手らがボールを追い、鎌田&田上のCBコンビが敵陣まで激しくアタック。ギアを緩めることなく、最後までしっかりと戦い抜きました。
試合後、ネルシーニョ監督にこのキャンプを振り返ってもらいました。
「先日の宮崎戦よりも選手たちはよく動けていたと思いますし、戦術の理解度も間違いなく深まっていると思います。その戦術理解に加えて、これからさらに選手個人の技術面をさらに向上していければ、チームとしての戦術はさらに深まっていくでしょう。
非常にいいキャンプになったと感じています。何名かが練習を離れることはあったが、その中でも我々が当初から予定していた目標には到達し、プラン通りに進めることができました。
これまでのキャンプでは選手のコンディションをいかに向上させるかに重きを置いて取り組んできましたが、ちばぎんカップまでの来週の1週間は、さらに技術面戦術面の成熟度を増していけるようにいい準備をしていきたい。練習の負荷のコントロール、細部にも気を配りながら、ゲームに向けてよりよいコンディションを作るために時間を作っていきたい。
今シーズン、レイソルをいい形であるべき場所に戻すというミッションを掲げているなかで、シーズンを始めるにあたってここまではいい準備ができているんじゃないかと感じています。ここから先はまた試合に向けてよりよい準備をしていきたいです」
監督の表情はキリッと締まったままで、当然ながら緩めるようなところはありませんでした。これからもずっとそうでしょう。常に勝利を求め続けていく姿勢を貫く限り、私たちも一喜一憂せず、チームは一日一日、一試合一試合を大事に全力で戦っていくのみです。明日でキャンプを打ち上げ、久々に柏へ戻ります。まずは来週日曜のちばぎんカップを楽しみにお待ちいただければと思います!