2019年6月 1日

岐阜戦

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担当:大重正人

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今日も我慢の試合でした。0-0が続き、今日もスコアレスドローか、と頭をよぎりそうにもなった方もいたかもしれませんが、それでもあれだけ前に戦っている選手たちの姿がいて、ベンチから喉を枯らして鼓舞する選手やスタッフの姿があって、スタンドからは試合の前からずっと変わらぬテンションでのホームの大声援があって、最後の最後まであきらめず信じた結果が、ついにようやく86分、ミカの長い足が伸びて、柏熱地帯前のゴールネットを揺らしました。

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「前半はなかなか難しい時間帯が続き、悪い流れの中で攻守に渡って相手に主導権を握られる展開が続いていた。」これまでの公式戦、ネルシーニョ監督は、冷静に選手の動きや試合を分析したうえで、結果的に拙速に交代カードを切るようなことをほとんどありませんでした。おそらく変える必要がなかったからでしかないと思うのですが、それでも前体制時代には、選手たちが「ハーフタイムに査定があるんです」と冗談めかして言ったことがあるように、それまでに良いプレーができていなければ常に変えられる、という危機感の中で練習も試合もおこなっていました。今の選手たちにそんな気持ちがない、なんてことは全くないのですが、それでも、ついに監督が早めの決断をした、と感じたハーフタイムでした。それだけ、今日の岐阜戦において勝利を逃してはならない、という強い思い入れがあったのではないかと思います。

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手塚選手と菊池選手を投入し、選手の配置にも手を加え、ようやく後半からはボールを握る展開に持ち込みました。「ハーフタイムに監督から「もっと高い位置を取ってくれ」と指示があり、そう言われてからやりやすく、前へ行きやすくなった。(手塚)康平は前にボールを出せるボランチなので、そういった監督のメッセージも含めて、後半は押せたと思う」。今日、レイソルでのリーグ戦初先発、高橋峻希選手もその変化にも順応し、攻守ともに非常に貢献度の高いプレーを続けてくれました。

後半14分江坂選手を投入し、残り30分を残して3枚目のカードを使い切りました。この前の試合で足をつらせたルーキー杉井颯選手がいて、「ハヤテ、最後までなんとかもってくれ」と願うばかりでしたが、まさに監督が勝負を懸けた瞬間でした。
「彼はまだ若いがキャンプの頃から非常に献身的にチームの活動に取り組んでくれていて、彼のクオリティーもそうだが、非常に強いパーソナリティーというものを普段から我々に見せてきてくれている。ルヴァンカップという実戦で(他の若手もそうだが)、出場機会を与えた際にこちらが期待していたものを十分に発揮してくれた。今現在リーグ戦においては古賀が(U-22)代表招集されているので、(杉井に)再びチャンスを与えたが、今日のゲームでもこちらが要求したことに対してしっかりと期待に応えてくれたと思う。我々指導者の立場からすると計算できる選手が育ってきてくれていると実感している。」ネルシーニョ監督にはこんな計算と信頼がありました。

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それでも岐阜の前田選手が投入され攻撃の起点を作られるなか、時間がじりじりとなくなるばかり。その杉井選手からのパスが起点になりました。ヒシャルジソン選手が力強く切れ込んで、クリスティアーノ選手へ。「私とクリス(クリスティアーノ)が組めば必ず何かが起きるというお互いのフィーリングがあるので、クリスを信じて走り込んだ」。オルンガ選手が浮き球に反応して、長い足を延ばしてボールを押し込みました。「ストライカーにはペナルティボックスの中で発揮される本能がある。自分の脚のリーチを生かして、相手より先にボールに触れたので、点を取ることができた。ストライカーの本能を発揮したゴールだった」。ここにも信頼し合う関係性がありました。

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ひとつひとつの勝利、勝ち点を着実に積んでいくことでしか、J1復帰は叶いません。苦しくともうまく行かなくても、我慢してやり続けること。今日は最後の最後にそれが実りました。次節はアウェイでの愛媛戦、最終ラインの大黒柱、染谷選手が出場停止で、古賀選手も引き続き代表戦です。今日の杉井選手や高橋選手のように「新しくチャンスをもらった選手が活躍する」というサイクルを続けて、連勝を期待したいと思います。

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