長崎戦
担当:大重正人
天皇杯延長戦からの中2日、長崎戦。連続して先発した選手もいるなか、高温多湿、ピッチの芝が深くえぐれるようなタフなコンディションの試合でした。それでも瀬川選手、江坂選手をはじめ、チームがボールを失ってからの守備への切り替えの意識が高かった。その後ろに構えるダブルボランチ、そして鎌田選手率いる最終ラインがコンパクトさを保ち、ボールを回収。前半8分の最初のビッグチャンスで瀬川選手からの見事なスルーパスをサヴィオ選手が沈めてからも、常に優位さを保った前半でした。ファウル覚悟のような激しいチャージを受けながらもしっかりゲームをコントロールし、シュート数は7対1。サヴィオ選手のフリーキック、江坂選手のプッシュが決まっていれば、内容結果ともにベストな45分だったと思います。
後半立ち上がり、レイソル自陣のペナルティエリアでの接触プレーでホイッスル。激しいコンタクトによるものではありませんでしたから、我々にとっては厳しいと感じてしまうPKの判定から失点。ホームの長崎サポーターが生み出す盛り上がり、後押しの雰囲気が正直重く感じ、シーズン前半にアウェイで落とした試合の雰囲気が図らずも蘇りそうでした。
ただ、レイソルの選手たちは数々の勝利を得て、あのときの焦りや雰囲気にのまれるようなところは見せませんでした。しっかりボールを保持して前進。またボール奪取からの鋭いカウンターを繰り出すと、相手にはイエローカードが出るなど、苦しい状態にあるのは相手の方だという流れに持ち込みました。
75分の決勝ゴール。鎌田選手は「ミカとサヴィオの力だと思うし、後ろはしっかりと耐えていれば、点を取れると信じていられる」と振り返ったとおり、2失点目を食らわず、じっくり戦った成果が生まれます。ただ、あの場面。長崎のDFラインはしっかり人数が揃い、陣形もまったく崩れていませんでした。言わば何もない状況から生み出した、右サイドからのサヴィオ選手のクロス、そして長身をいかしたオルンガ選手のヘディング。「ミカとサヴィオの力」と次郎が表現したとおり、選手の個人の力が存分に発揮された決勝ゴールでした。
ヒシャの誕生日を勝利で。この日のレイソルの選手、そして遠く長崎まで駆けつけてくれたサポーターの願いがみごと叶いました。「おそらく誕生日に試合をするというのは初めてだった。バースデーゴールも運が良ければ決めることが出来たかもしれないけどね」とおどけたヒシャでしたが、この日もディフェンスはもちろん、推進力のあるカウンタードリブル、そしてシュートまで、攻守にわたる獅子奮迅の活躍。彼のパフォーマンスが悪い日を見た記憶がありません。
常に安定し、生産性の高いプレーを90分通して、シーズンを通して発揮してくれています。そして何より、フォアザチームの精神。「誕生日に勝てたことももちろん嬉しいが、何よりもこの一勝が我々のチームにとって重要だった。誕生日に自分が一番好きなことをして過ごせるというのは本当に恵まれていると思うけれど、ここはまだ通過点にしか過ぎなくて我々が今目指しているJ1昇格をなるべく早くすることと、最終目標である優勝に向かって頑張っていきたい」。いつもチームのためにありがとうヒシャ、そして誕生日おめでとう!!
10連勝。2位京都が敗れ、7ポイント差に広がりました。チームのエース、クリスティアーノ選手が不在というピンチを全員で乗り越えた価値ある勝利。そのポジションに入ったサヴィオ選手が1ゴール1アシスト。またすばらしいプレイスキックを披露したという点でも今後に向けて、着実なチームの成長を見せることができたのではないでしょうか。
来週はアウェイ岐阜戦、猛暑の岐阜でまた厳しい試合になりますが、引き続きご声援をよろしくお願いします。応援ありがとうございました!