2020年9月14日

鳥栖戦

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担当:大重正人

立ち上がりから自分たちの試合ができていたにもかかわらず、徐々に流れを失い、最後まで立て直せないまま、勝ち点3を逃す試合になってしまいました。

清水、ガンバとリーグ戦2連勝を手にした新しい布陣がこの日も立ち上がりから機能。鳥栖は長く試合ができなかった期間に思い切った若手起用に移行し、豊富な運動量とボールを保持して前進してくるスタイルに対して、レイソルは、4-3-3のような形で守備陣形で対抗。前線が相手を追い込みながらコースを限定し、その後ろのラインでボールを刈り取る。そして25分、左サイドからのクロス、逆サイドに流れたボールを三原選手が折り返すと、江坂選手がニアのヘディングですらし、最後はファーで待ち構えたオルンガ選手が左足を豪快に振り抜き、いい時間帯に先制点を奪いました。

その後も鳥栖のボールキープは続きながらも、レイソルが守備を整え、ボールを回させているような中で、さらにレイソルがペナルティエリアへ侵入し、シュートチャンスを作り出します。多くのチャンスがありながら、ここで仕留めて切れていれば、という前半でした。

1-0でゲームをコントロールできているという展開でもありました。ただ前半終了間際、PKを与えて同点ゴールを許すと、これが相手に息を吹き返させる大きなターニングポイントになりました。後半開始早々、原川選手のシュートは止めるのが難しいすばらしいキックで1-2のビハインドに。

ここからは鳥栖の若く、フレッシュな選手たちの動きに翻弄されました。レイソルが交代選手を投入しながら、相手へのプレッシャーをかけにいくものの、巧みなパスワークやポジショニングで剥がされると、逆サイドのスペースへ一気に飛び出し、レイソルは後退を余儀なくされます。

攻撃ではビルドアップからボールを握り、リズムを取り返したいところでしたが、相手のプレスの勢いもあり、ロングボール中心の攻撃に。前線にはオルンガ選手や江坂選手という局面を一気に変えられる選手がいますから、なんとか早く1点をとって追いつきたいと選手たちの気持ちは自然だと思います。ただ、そのセカンドボールはことごとく相手に拾われ、そしてまた守備を強いられるというサイクルになってしまいました。

一人一人からは何とかしなければという思いが見て取れましたが、ボールを奪いに行きたい気持ち、攻めたい気持ちがつのり、徐々に焦りに変わっていきました。レイソルの良い時は、まず11人で組織的なディフェンス、そして奪ってからの素早い攻撃。また速攻に加えて、落ち着いてボールを握りゲームをコントロールしながら追加点を奪うという、試合ができていました。

最後方でフィールド選手たちを支えたGKキムスンギュ選手は「どうしても勝ちたい気持ちが強くなればなるほど攻め急いでしまうことはあると思うけれど、そういう時ほどもっと落ち着いてゲームを進めなければいけないということは選手たちも分かっている。ただそういったことが今日の試合中には出なかった。今日この試合で得た教訓を次の試合に繋げていきたい」と自分たちのペースにできなかった試合をこう振り返りました。

先制しながらの悔しい逆転負け。なぜこういう結果になってしまったのか、厳しい連戦で疲労がある中でも、勝ち試合に持っていくために果たすべきこと、自分たちはこうやって勝っていくんだというスタイル、それは選手たちが一番わかっているはずです。決めるべき時に決める、苦しい時間はハードワークして耐える。攻撃でも守備でもゴール前の局面にもっともっとこだわっていかなければいけない。全てが良くなかった試合では決してありませんでしたから、水曜に試合のない状況で心身ともにリフレッシュし、次のホーム広島戦でしっかり立て直して欲しいと思います。