2020年9月19日

広島戦

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担当:大重正人

17時の開場直後、スタジアムDJのナラヨシタカさんの声で「今日の気温は23℃」という声が聞こえました。夜になり半袖では肌寒いぐらいの気候になりましたが、一方で、夏の酷暑の中で戦ってきた選手たちにとっては、かなりプレーしやすい状況だったと思います。キックオフからタイムアップまで、両チームの走力やプレー強度があまり落ちず、最後までゴール前の攻防が繰り返される、見ごたえのある試合でした。広島の城福監督も「勝ち点3、勝ち点1、勝ち点0、どの可能性もあった試合だった」と振り返ったように、レイソルにもチャンスがあり、ピンチもありという拮抗したゲーム、勝利できなかったということは残念で悔しいことですが、1-1の結果が示す通りだったとも思います。

キックオフから、ボールを敵陣へ運び、ペナルティエリア付近まで攻め込む中、広島の左サイドからの攻撃、ワンツーで崩されて、長身のドウグラス選手のヘッドで9分に失点。実況の桑原学さんが「立ち上がりからレイソルのペースでした」とおっしゃっていた通りでしたし、もったいないというか残念な時間帯の失点でした。

それでも、レイソルは気を落とすことなく、自分たちのペースでボールを運び、また前線のオルンガ選手をターゲットにしてゴールへと迫りました。「相手に先制点を許してからも、変わらずに自分たちはゲーム全体のボリューム・テンポ・戦術的な狙いも含め選手たちがよくやってくれた。失点してからもテンポを落とすことなく選手たちは果敢に攻め続けてくれた」。ネルシーニョ監督が振り返る通り、いい内容で試合を進めていた成果が、前半終了間際に実ります。

自陣からの攻撃で、ミカがポストでしっかりキープ。相手DFを食いつかせて、左サイドで待つ江坂選手へ。私はメインスタンドから見ていましたが、はっきりと「アタル!」と呼ぶ声が聞こえました。最終ラインから前方のスペースへ猛然と飛び出していく北爪選手の声でした。それを見逃さなかった江坂選手からのすばらしいダイレクトパス、そしてベルベッットタッチのトラップ、矢のように突き刺さるシュート。スタンドからゴールへの道筋が見えて、その通りに決まったゴール、鳥肌が立ちました。

「ファーストタッチが全てだなと思ったので、まずはしっかりシュートを打てるところにボールを置くことだけを考えていた。シュートは狙ってというよりは枠に強いシュートを打つイメージで、吹かさずに良いミートができた」。大谷選手も「ケンゴのあんなトラップとシュート、見たことなかったですけど(笑)」とおどけながらも「あれだけ最終ラインから長い距離を健吾が走ってくれたことは、彼の走力が生きた場面だったし、彼の持ち味と良さが出たゴールだった」と大きく称えたファインゴール。北爪選手は今年がJ1初挑戦、嬉しいJ1初ゴールになりました!

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いい時間帯で追い付き、後半はさらにビッグチャンスがありました。CKからのヘッドがゴールマウスに弾かれたり、ミカや戸嶋選手にもこれ以上ない惜しいチャンスがありました。一方で広島のGK林選手のセーブが光りましたし、レイソルのGKキム選手も「決められた!」と思うような決定機を防ぎ、今日の1-1というスコアは、両チームが攻守にハードワークし、GKがすばらしい守備を見せた、その結果が妥当に現れたものだったと思います。「このゲームで大事なことは選手たちがゲームの最初から最後まで勇気を持って戦う姿勢を終始見せてくれたことと、相手に先制点を許しながら諦めずに最後まで戦った結果、同点まで持ってこられたことであり、評価している(ネルシーニョ監督)」。

次は折り返しのリーグ戦18試合目を迎えます。水曜日にアウェイ札幌で、そして日曜にホームでのマリノス戦と連戦です。今日は山下選手が復帰し、激しいファイトを見せてくれました。「後期には今メディカルで治療に励んでいる選手たちが徐々に現場に帰ってくる。そういう選手と一丸となって、またチームとしてやれることの幅も広がっていくでしょうし、これまで試合に関与できていない分、そうした選手たちの活躍に期待しています(ネルシーニョ監督)」。今日の様に、しっかりとした戦うスタイル、ベースが築かれてきたことが感じられますし、そこにまた選手たちが復帰し、後半戦でさらに上位をめざしていけるという期待感を持って、今後のチームを見守っていきたいと思います。