鹿島戦
担当:大重正人
4日前の鳥栖戦から、まさに一変でした。この前の土曜は、本来の力からすれば信じられないようなプレーが続き、ブランクの影響はここまでかと痛く感じました。しかし1試合でもプレーしたことでコンディションやフィーリングが戻り、そしてネルシーニョ監督の戦術をこれほどまでに成功させた選手の頑張りもあって、アウェイ鹿島戦で4ゴールの快勝。悔しい思いをしたホーム戦の雪辱を果たしました。
「後ろを5枚にして守備を固めてカウンターを狙う」。これが今日、鹿島に勝つためにネルシーニョ監督が選んだ作戦でした。立ち上がりから鹿島に押し込まれる状態が続きましたが、一方で自陣に引き込んで、相手ゴールに迫ります。シュート数は9-3。その中生まれた先制ゴールは、セットプレーからでした。クリスが狙ったのはミカ、山下、大南といった長身選手たちではなく、後方に構えた北爪選手でした。
ボレーシュートが相手に当たってコースが変わる幸運もありましたが、相手の虚を突いたからこそゴールになったのも間違いなかったと思います。「トレーニングでもなかなかゴールができずチームメイトにも期待はしてもらえていなかったと思うが、結果という部分では、ボールも良く、生かすために動いてくれた中のチームメイトにも感謝したい」
後半11分、スンギュ選手が素晴らしいセーブを見せるも、最後は防ぎきれず同点に。カシマスタジアムの空気が一気に盛り上がり、レイソルにとっては苦しい時間帯でした。北爪選手も言っていましたが、そこを凌げたのが大きな勝因の一つだったと。山下選手、大南選手、古賀選手の3バックがよく踏ん張りました。そして30分、スンギュ選手からのロングキック、江坂選手が頭で競ると、オルンガ選手が抜け出します。相手DFふたりを相手にしながら、力強く置き去りにすると、得意の左足によるシュート態勢を作り出し、見事に射抜きました。今季25得点目、得点王レースをさらにリードしました。
その8分後、またも自陣からのロングボールをゴールにつなげます。今度はミカがボールを収め、江坂選手から右サイドを抜け出したクリスへのパスが通ります。ドリブルからクリスらしい豪快なシュートがネットに突き刺さります。さらにアディショナルタイムにも、ハーフウェイから独走した神谷選手が、相手DFと駆け引きしながら、ペナルティエリアへ歩を進めると、クリスとは違って、柔らかな弧を描くコントロールショットでダメ押し。
「前節、ホームで負けて次のゲームである今日の試合で勝利を収められたことは、次からの今後の戦いに弾みがつく。今日の結果はチームとして取った貴重な勝利だったと思う」。チームが本格活動再開して1週間強、決して万全ではない中でもここまでの戦いができたことは、選手たちの大きな自信になったことでしょう。
ネルシーニョ監督と戦った、このカシマスタジアムでの歴史。2011年には前半で数的不利になりながら1-0で勝利し、初優勝への弾みをつけました。2013年には完敗の悔しさのあまり、会見で辞任を口にしたこともありました。2014年は、先日レアンドロ選手引退のツイートでも触れましたが、鹿島戦ではなかったものの、奇跡的な7連勝で締めくくり、ACLへの道を繋いだ舞台でもありました。あれから6年ぶりに、監督とカシマスタジアムで勝利。また新たな感慨深い一勝です。