ルヴァンファイナル
担当:大重正人
11月7日に行われるはずだった、ルヴァンカップ決勝戦が、レイソルでの新型コロナウイルス集団感染により、この日に延期となりました。対戦クラブのFC東京やその関係皆様、リーグや中継局、スポンサー、そして何よりファンサポーターの方にご心配とご迷惑をおかけしました。この決勝戦を開催するために多くの方々のお力をいただき、この日を迎えられたことに大きな大きな感謝を申し上げます。
両チームとも堅守速攻が持ち味。きのうの前夜祭でも、出演選手たちが「先取点がカギになる」と話していた通りの展開になりました。レアンドロ選手のカットインからのシュートは相手を褒めるべきすばらしいゴールでした。その後、なかなかボールを繋げられず、効果的な攻めが見せられなかったレイソルでしたが、前半終了間際のセットプレーからのゴール。ゴール前の混戦から押し込むという泥臭いゴールではありましたが、瀬川選手のプッシュと笑顔が、選手たちとサポーターに大きな力を与えてくれました。
「後半の開始からすごくいいリズムで攻撃できていたので、あそこで畳み掛けないといけなかった」。その瀬川選手が試合後に振り返ったように、後半開始から15分ぐらいまでの間、江坂選手のヘッドやCKからの川口選手のボレーシュートなど、相手ゴールに迫り、クリアを拾って二次攻撃三次攻撃を繰り出していたあの時間帯が、結果的に分水嶺となりました。
その後も決して悪い時間帯ではなく、終盤にどちらが先行するか、というところで、レイソルのクリアを跳ね返され、アダイウトン選手のシュートを止めきれませんでした。その前からなかなかセカンドボールを拾えず、リードを許してからはさらにそれが顕著でした。予測や球際の強さ、FC東京は90分を通して、その強さが目立っていて、レイソルが後手を踏んでしまったまま、無念のタイムアップの笛を聞くことになってしまいました。
歓喜に沸く青赤の奥で、悔しさを噛み殺しながら見守るしかなかったレイソル。スコアを見れば1点差の拮抗した試合でしたが、このタイトルを懸けたファイナルでは、勝者と敗者の差はこれほどまでに厳しく残酷だと、改めて思い知らされました。決勝戦で負ける悔しさは、決勝に来られた者にしか体験できません。「あの時、決勝で負けたからこそ今があると言えるように、次のシーズンをまた戦っていきたい」。この日の光景と、これまでタイトルを勝ち得てきた大谷キャプテンの言葉を、決して忘れてはいけません。
コロナ禍のなか、24219人の方が国立にお越しで、その半数かそれ以上にも感じられたレイソルイエローのサポーターの皆さんでした。大きな手拍子が試合前から反響して、つい馴染みの歌を口ずさんでしまいそうなリズムで、でもそれを我慢して最後のタイムアップまでの応援、本当にありがとうございました。この試合を最後に、レイソルを離れる桐畑選手には大きな弾幕が用意されました。優勝してキリを送り出したかったという望みは叶いませんでしたが、その思いと長年の貢献への感謝は、キリにも深く伝わったことと思います。
今日を最後に、2020シーズンのチーム活動は終了となりました。1か月のオフを挟んで、2月上旬から新チームがまたスタートします。チームや選手の動きについては、また順次リリースさせていただきます。本当に厳しく、辛く、非日常となってしまったシーズンを支えて下さった皆様、誠にありがとうございました。