セレッソ戦
担当:大重正人
2021シーズンの開幕戦、アウェイでのセレッソ戦は、退場者を出すアクシデントの中、懸命の戦いも及ばず、0-2での敗戦となりました。「前半35分辺りまでは拮抗した、どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だったと思う。序盤の16分頃まではむしろ我々の方が入りが良くてゲームを支配できていた」というネルシーニョ監督が振り返った通り、ビルドアップから敵陣へ入り込み、数人が連携してサイドから崩していこうというアタックが効果的で、この日先発起用されたFW呉屋選手得意のクロスへの飛び込みなど、どちらかと言えば、セレッソサポーターがピンチを脱して安堵するシーンが多かったように思います。
「セカンドボールが拾えなくなったことと、ロングボールを蹴られてそれが相手のボールになるようになったことで相手の流れになった」と江坂選手。徐々に自陣で守る時間が長くなり、セットプレーのピンチも相次ぎました。ただ、相手よりも身長で上回っていたこともあるでしょうし、そこはきっちり凌いで、拮抗した時間がすぎて行った中、思いもよらぬ一瞬の出来事が試合の流れを変えました。
セレッソの左サイドバック、丸橋選手のロングボールがレイソルDFの背後へ流れ、そこに飛び出したピンクの選手、大久保選手を白のレイソルが引っ掛けて相手が転倒。レフェリーは迷わず、レッドカードを指し示し、この日J1デビュー戦となった上島選手がピッチを去ることになりました。監督は最初のカードを切り、呉屋選手に代わって染谷選手を投入し、なんとか前半最後まで凌ぎたかったところでしたが、鋭いクロスに飛び込んだ大久保選手を捕まえきれずニアでヘディングシュートを許して失点。これが結果的にも大きく響いた痛恨の1点となってしまいました。
一番やられてはいけない選手、セレッソを勢いづかせる選手、DFラインとの駆け引きやゴール前の嗅覚は38歳にしてもやはり一級品でした。対するDFは、ヘディングに勝って、前にも強く、背後もスピードと駆け引きでカバーする。センターバックのポジションと役割は本当にタフで難しいものです。若きCBコンビ、期待をこめて、今日の教訓を必ずや糧にして、更なる成長につなげてほしいです。
今年から再び導入されたVAR。「得点かどうか、PKかどうか、退場かどうか、警告退場の人間違い」を判定する目的で使われます。上島選手の退場の前、セレッソのゴールシーンの前にハンドがありノーゴール判定になりました。ゴールが入れば、必ずビデオでチェックされます。個人的には多少時間がかかっても、もし自分たちのゴールが取り消されたとしても、正しい判定がされたほうが良いと思っています。今日の場面はハンドのシーンがはっきり写っていたこともあり、セレッソサポーターからも納得というか、それは仕方ないねというリアクションが感じられて混乱はありませんでした。レフェリーの皆さんにとってはVARのために難しい判断を強いられることが逆に増えてしまったりご苦労もあると思います。試合に関わる多くの人が納得できる判定、試合の結果が得られるように、私たちもVARを学び、理解を深めていけたらと思います。
ここ長居で前半で退場者を出して、クルピセレッソに0-5で敗れた2011年の試合が少し頭をよぎりましたが、今日の選手たちは10人になっても粘り強く試合を壊すことなく、何が起こるかわからないという1点差で長く踏ん張りました。相手のサイドチェンジにもスライドして、時にはクリスが体を張ってキープしたところをサポートして、サイドからチャンスを作り出す場面もありました。個人もチームも、この状況でやれることは見せてくれたと思います。もちろん悔しい敗戦ではありますが、今日の結果をしっかり受け止め、次からはホーム3連戦、まず3日水曜のルヴァンカップ横浜FCです。心身ともに新たにして、素晴らしいプレーと勝利を期待しています。
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